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2011年01月13日(木)

異文化理解 

異文化理解 (岩波新書)異文化理解 (岩波新書)
著者:青木 保
出版:岩波書店
発行:2001/07/19

評価〔C+〕 異文化対策の手引書
キーワード:異文化、外国、宗教、民族、グローバリゼーション、

文化的背景を異にする人々が出会い、結びつき、協同する社会がますます拡大し、人々が急激に国境や地域を超えて移動する現在、かつてなく人々は互いに深く理解し合わなければならなくなっています。(はじめにより抜粋)


交通網の発達やインターネットの普及によって、外国人、異なる文化の人々と接する機会が増えてきています。大都会でなくても、他国の人を見かけることは珍しくなくなりました。そんな自分とは違った文化で生まれ育った人たちと上手く付き合っていくにはどうしたら良いか?を考える本です。

文化はある社会の生活様式・習慣と行動規範であると認識していたのですが、本書で「価値である」と記述してあるところがあってなるほどと感じました。価値、つまり文化とは価値観のこと。その価値観には宗教や慣わしなど非合理なものも含まれるのが、異文化理解を困難にしているのだと思います。宗教に限らず、文化理解の鍵は「何をどのように信じているか」なのではと考えています。

理解不足による失敗例や著者の異文化体験など、違いを示す事例が挙げられていて読みやすいです。社会的に空白の時間である「境界の時間」、文化におけるコミュニケーションの3段階、どの文化にも属さない「ディアスポラ」は分かりやすくて面白かったです。宗教のタブー、しぐさの意味の違い、ステレオタイプによる偏見などは、異文化交流の際の準備として有用でしょう。しかし、全体的に異文化に接したことのない人向けに書かれた印象を受け、実際に多少なりとも接した経験のある人には少々物足りない気がしました。宗教の話に偏っている感じでしたし。具体例をもう少し挙げて、様々な価値観について書いて欲しかったですね。前半がちょっと退屈でした。

現代の殆どの文化は他文化と影響しあう混成文化なので、自文化を知ることも異文化理解に通じますし、文化交流によって自文化を再発見することもあります。そんな異文化交流の前の心構えとして読むと、良いのではないでしょうか。




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[ 2011/01/13 21:44 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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