2010年12月28日(火)

希望のつくり方 

希望のつくり方 (岩波新書)希望のつくり方 (岩波新書)
著者:玄田 有史
出版:岩波書店
発行:2010/10/21

評価〔A-〕 学問・実学としての希望
キーワード:希望、社会学、現代、

一番いいたかったのは、希望は与えられるものではなく、自分で(もしくは自分たちで)つくり出すものだということでした。(おわりにより抜粋)


閉塞感が漂う現代の日本において、持つことが難しくなっている希望の2文字。どうしたら希望を持てるようになるのか? そもそも希望とは何なのか? 夢とも幸福とも安心とも違う希望について調査・研究し、題名どおり希望のつくり方を説いた本です。著者は、若者の労働やニート問題で名前を目にする社会学者・玄田有史です。

学者の本なので難解なのかと思っていたのですが、若者向けに書かれているためか、他の新書と同じまたはより読みやすいです。しかし、主観で意見を述べるのではなく、実地調査や他の論文も当たっていて信頼できると思います。その肝心の内容ですが、まず希望を定義し4つの柱「気持ち・大切な何か・実現・行動」を示しています。続いてどのような人が希望を持ちやすいのか、持つには何が重要かと進んでいきます。

日本人の希望の多くが仕事に関することなので、仕事と希望について多く語っている感じでした。目を引いたのは、緩やかな関係であるウィーク・タイズ、挫折の克服、無駄と脱線、などが大切であることかな。意外だったのは、日本人の約8割が希望を持っていると答えたことです。みんな持ってんだねぇ……。

希望学、正式には希望の社会科学、は新しい学問なので、まだ未完成な印象を受けましたが、その中で具体的に役立ちそうな指針をきちんと挙げているのは、高く評価すべき点だと思います。希望は与えられるものではなく、自ら作り出すもの。編集者の希望どおり「じわじわとした効き目のある本」になりそうです。今後も研究を続けて、さらなる発見を期待して評価A-です。




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[ 2010/12/28 21:17 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

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