2010年12月07日(火)

マクベス (新潮文庫) 

マクベス (新潮文庫)マクベス (新潮文庫)
著者:シェイクスピア
出版:新潮社
発行:1969/08

評価〔A〕 予言と野心の戯曲
キーワード:戯曲、イギリス文学、四大悲劇、

第三の魔女「よう戻られた、マクベス殿! いずれは王ともなられるお方!」(本文より抜粋)


言わずと知れた、有名なシェイクスピアの四大悲劇の1つです。戦争の帰りに出あった3人の魔女たちに、王になるだろうと予言された武将マクベスは、戸惑いつつも帰還する。そこで王から領主に任じられ予言の一部が現実となったことに驚くとともに、王座への野心を増大させていきます。約120ページほどで短いのですが、無駄を排したスピード感ある戯曲です。以前、Q.E.Dという漫画でマクベスが取りあげられていて、なかなか面白そうだなと興味を持ったのがきっかけでした。

戯曲は劇のために書かれた脚本ということで、普通の小説と違って台本形式になっています。第一幕第ニ場、どこどこ、誰それ登場みたいな感じで、後は台詞が続いています。テーブルトークでいえばリプレイ本かな。そのためかどうかは分かりませんが、何かと仰々しい台詞が多いのですが、それが不思議としっくりしていて格好良いです。

テーマとしては普遍性があると思います。権力への欲求と葛藤、良心の呵責、未来への不安、そして予言の過信。マクベスは前半と後半ではまったく印象が異なり、権力が絡むとこうなってしまうものなのかと思わずにはいられません。2つの予言に守られた彼が、どんどん追い込まれていく様は見ごたえがありました。これが1600年頃に書かれたというのだから、驚きです。古典でしかも外国の文学だから、と期待しないで読んだのですが、予想以上に面白かったです。

巻末には訳者の解題と、別の人の解説と、2つの説明が載っていますが、個人的には後者のほうが手短に説明してあって良かったかな。訳者は詳しく考察しているのですが、ハムレットを読んでいることが前提の上に、何やら論文を読まされているようで少々疲れます。学術研究は本を変えてして欲しかったです。

機会があれば、戯曲なのだから是非演劇でも見てみたいです。本とはまた違った迫力がありそうです。また、本書を読んで、他の四大悲劇にも興味がわいてきました。次に読むとしたら、ハムレットが良いのかな? 少し調べてみよう。



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[ 2010/12/07 21:55 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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