2010年11月13日(土)

月見月理解の探偵殺人 

月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)月見月理解の探偵殺人 (GA文庫)
著者:明月 千里
出版:ソフトバンククリエイティブ
発行:2009/12/15

評価〔B+〕 探偵と助手の知恵比べ
キーワード:探偵殺人ゲーム、人狼、

「では、今度も殺してみせるがいい。君の洞察力と虚偽と謀略で、見事に情報を俺様から引きずり出して、騙してみせろ」(二日目-ゲームスタート-より抜粋)


高校生の都築初(つづきうい)は、車椅子の転入生・月見月理解に危険なゲームを持ちかけられます。探偵だと言う彼女の思惑で、ネットでは推理ゲーム《探偵殺人ゲーム》で、現実ではある出来事の真相を探る勝負をすることに。第1回GA文庫大賞・奨励賞で一番の問題作、だそうです。

理解と初は一緒に行動していて探偵と助手のような関係ですが、目的は正反対で、彼女は事件の犯人を暴こうとし、彼は容疑者を探偵から守ろうとします。協力しているかのようで、どこか探り合っている感じが面白いです。あらすじだけ読むと推理物のようですが、ミステリー風サスペンスだと思います。理解の特殊能力が便利すぎてミステリーっぽくないんですよね。ただ、何が嘘で何が本当か、読み進めるうちに段々分からなくなってきます。

それにしても、うまく騙されました。巻頭カラーの6人を見ながら推測していたら、ものの見事に。途中で事件の裏が予想でき、あぁ結局この人が……と思っていたら、終盤でやられました。少し物足りないかもと思いながら読んでいただけに、悔しいよりも嬉しかったです。惜しいのは、探偵殺人ゲームの設定があまりいかされなかった点です。特に、ネット上での勝負。元ネタは人狼だと思いますが、もう少しこう現実と上手に絡めてくれたらなーと思うのは欲張りでしょうか。エピローグの初と理解のメールのやりとりが結構好きです。

【ここからネタばれ】
ミステリーでなくコンゲーム。騙しあいのお話です。なんか犯人が分かりやすいとは思っていたんですよ。信用できなそうな理解が1番嘘をついていないところが皮肉ですね。しかし、あのラストは投稿時のままだったのでしょうか。問題作と書いてあるから、問題ない方向に手直ししたのかもね。余談ですが、この事件のとばっちりは達也だと思います。散々だ。(笑)
【ネタばれここまで】

挿絵が「AURA」の挿絵と似ていると思ったら、同じ人でした。終盤のイラストは物語を盛り上げてくれました。完成度が高いと言い切れないけれど、楽しめました。この嘘と猜疑心の物語、気になったら読んでみてはいかがでしょうか。



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[ 2010/11/13 22:06 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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