2010年11月10日(水)

人はなぜ数学が嫌いになるのか 

人はなぜ数学が嫌いになるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)人はなぜ数学が嫌いになるのか (PHPサイエンス・ワールド新書)
著者:芳沢 光雄
出版:PHP研究所
発行:2010/09/18

評価〔B+〕 教える側と学ぶ側のズレを探る
キーワード:数学、教育、好き嫌い、

冷静に考えてみれば、数学の「できる・できない」は相対的なもので、数学の「好き・嫌い」は絶対的なものなのです。(2章から抜粋)


数学は、他の教科と比較して嫌いな人が多いように感じます。国語や社会が好きな訳ではないけれど、数学をやりたくないから文系に進学した、なんて意見をしばしば耳にします。科学技術大国とまで呼ばれる国なのに、どうして数学嫌いな人が多いのか、なぜ嫌いなのか。著者はアンケートを実施してその理由を探り、具体的な対策を提案しています。買ってから気がついたのですが、著者は「数学的思考法」を書いた人だったんですね。

多数の数学嫌いの生の声が掲載されていて興味深いです。「分からない点が分からない」「解けない問題ばかり出された」等の妥当な意見のほかに、「数学ができない血筋だと言われた」と先入観や思い込みが原因となっている人もいて、個人的には数学が好きなのでどうなんだろうと思っていたのですが、嫌いになる理由は人それぞれなんだなと妙に感心してしまいました。

後半は、それらに対する具体的な改善策が、教師や親に向けて提案されています。ポイントは、できるようになる改善策ではなく、好きにさせるヒントな点です。できるできないは所属集団によって変わるが、好みは他人に左右されません。「体育の成績が悪かったけれど、スポーツは好き」が、数学ができないけれど数学好きな人を増やす参考になるかもしれないという意見は、なるほどと納得です。

嫌いな人が読んで好きになるような本ではなく、教員や保護者向けの本ですが、数学嫌いな人の心理が分かり面白かったです。また、数学以外の教科にも通じるものがあって、何かを教える立場の人には役に立つのではないでしょうか。著者の願うように、数学が好きな人が増えるといいですね。



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[ 2010/11/10 22:11 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

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