2010年08月08日(日)

殺戮ゲームの館〈上〉 

殺戮ゲームの館〈上〉 (メディアワークス文庫)殺戮ゲームの館〈上〉 (メディアワークス文庫)
著者:土橋 真二郎
出版:アスキーメディアワークス
発行:2010/03

評価〔B-〕 人狼小説化?
キーワード:ホラー、サスペンス、人狼、ミステリー風、現代

妙な場所に監禁し、さらにこの個室に閉じこめ、何をする気なのだ?(2、異変より抜粋)


汝は人狼なりや?というゲームをご存知でしょうか? 数人で遊ぶゲームで、まず村人と村人に化けた人狼に分かれます。村人は誰が人狼であるか見破り排除すれば勝ち、人狼は言葉を駆使し排除されないように村人を食べて村を全滅させれば勝利と、駆け引きがプレイヤーの運命を左右するゲームです。その人狼に極めて似ているのが本書です。

某大学オカルトサークルのメンバーは、学園祭のネタのため山林を探索している最中に、妙な場所へ送り込まれてしまいます。外へは脱出できそうもなく、かといって目に見える危機がせまっている訳でもなく、食料も一応用意されていたのだが、それは始まりに過ぎなかった……というのが序盤。訳も分からず、徐々に拉致した黒幕の意図どおり事態が進展していく様は、なかなか緊張感があります。

殺人ゲームなる設定は面白いですが、話の展開は遅めです。この上巻をまるまる1冊使って準備を整え、ようやく佳境に入り始めた感じです。冷静になれず狼狽してしまったり、互いに疑心暗鬼になったりして、張り詰めた空気がさらに不安を煽ります。また、少し気になったのは登場人物たちの扱いの差についてです。主人公の福永に近く発言も多い人たちと、あまり描写されない人たちの差が大きく、誰が終盤まで残るのかを予想するのは容易だと思います。これがミスリードだったらなかなか。

読者がまだ知らない事件に関係する出来事や思いをにおわせるシーンがあるので、このあたりは下巻に期待したいと思います。どのような結末を迎えるのか、怖いような楽しみなような。




スポンサーサイト

[ 2010/08/08 21:50 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://tonaku.blog51.fc2.com/tb.php/184-d4842afb