2010年05月13日(木)

知性の限界 

知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)知性の限界――不可測性・不確実性・不可知性 (講談社現代新書)
著者:高橋 昌一郎
出版:講談社
発行:2010/04/16

評価〔S〕 知的好奇心を刺激される秀逸な本です。
キーワード:哲学、科学、知性

それでは皆様のご要望にお答えして、新たにシンポジウムを開催することにしましょう。(序章より抜粋)


ディベート形式で分かりやすく哲学について解いた「理性の限界」の第2弾が登場です。前著で、だいぶ多岐に渡って限界について語られたので、もう続編はなさそうだな~と感じていただけに、この予期せぬ2冊目は驚くと同時に本当に嬉しい限りです。帯にあるように『深くて楽しい論理ディベート』の再開です。

「理性の限界」懇親会から話は始まり、「知性の限界」についてシンポジウムで議論する前回同様の形をとっています。この形式で、専門外の素人の発言が入っていたほうが、専門用語ばかりの説明にならないので有り難いですね。

今回のテーマは、言語・予測・思考の3つ。「言語」では、言葉を介して情報を完全に伝えられるのか厳密に考察していきます。単語1つ取ってみても、言語理解の難解さが実感できます。「予測」の章で語られている理論は、それなりに知っていたので目新しさはないけれど、上手く説明されていて読んでいて興味深いです。何度考えても、ヘンペルのパラドックスは面白いです。こういうのを最初に学校で教えれば、学問に興味を持つ人がもっと増えると思うんだけどなあ。最後の「思考」では、どのようにしたら宇宙や神の存在証明ができるか検討しています。形而上学をみていると、確かに思考の限界に挑戦しているかのように感じます。本当に良く思いつくもんだ。

自然科学の分野の話が多めだった前回に比べると、本題である哲学の話が多くなっています。哲学は妥協なく突き詰めて考える学問だと思うので、限界という題材にはしっくりきます。

難解な論理や概念が、素人にここまで分かりやすく書かれているのは、素晴らしくもあり嬉しくもあります。現時点での学問の限界と同時に、未来の可能性も示唆しているのが、知的刺激を受け非常に面白かったです。もっと評判になっても良い本だと思うんだけどな。秀逸。




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[ 2010/05/13 21:43 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(2)

原理的に知性の限界はありません

 一般法則論のブログを読んでください。 
   一般法則論者
[ 2010/05/19 01:09 ] [ 編集 ]

Re: 原理的に知性の限界はありません

一般法則論者さん、このようなWEBの果てまでお越しいただいて、コメントありがとうございます。

一般法則論のブログを少しだけ拝見させていただきました。哲学の専門的なサイトのようですね。世界と創造主ということは、形而上学の宇宙論的証明でしょうか。しかし、哲学については、本書のような新書を読み教養をつけようと思っている素人なので、専門的な内容はまだまだ手に負えません。

時間があるときにもう少し貴ブログを読んで、知性の限界について考えてみようと思います
[ 2010/05/23 14:49 ] [ 編集 ]

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