2010年03月06日(土)

となり町戦争 

となり町戦争 (集英社文庫)となり町戦争 (集英社文庫)
著者:三崎 亜記
出版:集英社
発行:2006/12

評価〔D〕 いまいち盛り上がらない……
キーワード:戦争、現代、日常、

戦争は、「確実に始まっている」のだ。この戦争は、抽象的でもなく、概念的でもなく、まぎれもないこの日常の延長としての現実なのだ。(本文より抜粋)


主人公の北原修路は舞坂町に住むごく普通の会社員ですが、ある日、広報紙で舞坂町がとなり町と戦争することを知ります。となりの町と戦争する状況を一般人である北原の目を通して追う物語です。第17回小説すばる新人賞受賞作品。文庫本だけの別章あり。

国ではなく町として戦うので、町役場が主体となり戦争は進みます。役所が進めるので全て淡々としていて、軍隊とは程遠くどこかしら奇妙な感じです。恨みや確執から起きる戦争ではなく利益のための戦争であり、公共事業そのものです。また、実際戦う兵士や銃器を北原は目にする機会がなく、死者がでているにも関わらず戦時下である実感が持てません。

平和な国に住む人にとって戦争は普段は考えることのない非現実的なことです。しかし、公共事業のような戦争も、実感できないとはいえ戦争と無縁ではいられない主人公の立場も、現代人としては考えさせられます。設定や主題はとても良いと思います。

でも惜しいことに、読んでいて物語の起伏に乏しく面白くないんですよね。端的に言うとつまらなく感じました。主張したいテーマは分かるのですが、ある程度目を引くものがないと読んでいて退屈です。登場人物たちも半端な印象でしたし。というわけで残念ですが評価はDとなりました。




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[ 2010/03/06 21:53 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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