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2020年08月01日(土)

その可能性は考えた 



著者:井上真偽
発売日: 2018/2/15

評価〔A-〕 推理合戦が面白いです。
キーワード:推理、現代、奇蹟、中国、文庫化、

「本当に『奇蹟』以外の理由をすべて否定できますか?」(第一章より抜粋)


奇蹟を信じている探偵・上苙丞(うえおろじょう)は事件の真相を突き止めるため、真相を語るのではなく、他の可能性をすべて否定して奇蹟を肯定するという斬新な形の推理をします。数学の背理法のような推理です。

一方で、彼の前には奇蹟を否定する人たちが現れ、各々の仮説を挙げて対抗します。仮説を否定できれば探偵の、否定できなければ相手の勝ちとなる推理合戦です。いい加減な仮説でも可能性があればOKなので、思いつくままに仮説を立てられるのがポイントです。仮説は予想よりも理にかなっていましたし、上苙の反論も証言を基にした合理的なもので、きちんと推理になっているのが驚きました。一見でたらめのようなルールでも面白くなるのだと感心しました。終盤のあの人のあの仮説も良かったと思います。

推理の部分は良かったのですが、物語の部分はそれほど魅力的でなかったのが残念です。主人公が美男子で相棒が裏社会の美人と、よくあるライトノベルのようです。推理合戦が魅力的だったので登場人物たちの奇抜さで目を引かなくてもよいのではと思ってしまいました。また、度々出てくる中国と中国語の知識は悪くはないのですが、回数が多くて話のテンポを乱していると感じました。アクセントとして使うアイデアは良いので、使いどころを間違えなければさらに魅力的になりそうです。

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[ 2020/08/01 22:20 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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