2010年02月24日(水)

カスタム・チャイルド ―罪と罰―  

カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)
著者:壁井 ユカコ
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2009/12/16

評価〔A〕 将来こんな風になるんだろうか?
キーワード:SF、遺伝子工学、現代

「俺は、育ちは生まれに勝てるって思ってます」(本文より抜粋)


昨年暮れに創刊されたメディアワークス文庫の本です。このレーベルはライトノベル出身の著者たちが書いた一般向け小説のようで、面白そうなのでどれか読んでみようかな~と思って手に取ったのが本書です。

遺伝子工学のみが極端に発達した仮想現代、形質発現遺伝子よって生まれてくる子供の才能・容姿が操作できるようになった世界で、境遇の違う3人の少年少女が予備校で出会い成長するお話です。遺伝子操作されたトランスジェニックと呼ばれる子供たちがいる以外はあまり現代と変わらず、受験もあれば仕事もあります。

主人公は、恵まれた才能を付与されながらも親に捨てられた倫太郎、遺伝子操作を嫌悪する親をもつ”遺伝子貧乏”の寿人、そして父の偏愛するキャラを実体化したレイの3人ですが、共通しているのは一般的でない歪んだ親を持つところです。親によって大きく人生を左右された彼らを見ていると、科学が発達しようとも親の影響って強いんだなと感じました。皮肉にも、遺伝子操作できなかった大人たちのほうがまともに見えます。

彼らに1つずつ事件が起きますが、倫太郎の事件は見ていて引きつけられました。渦中の2人の想いは分かるような気がします。隣の芝は青いのか、それとも自分のほうが恵まれているのか。そして、3人の関係の結末は、嫌う人もいるかと思いますが結構現実感があって良かったと思います。あのような終わり方が好きなのかもしれません。

この著者のライトノベルは読んだことがありませんが、この本は面白かったです。同じ世界観で書かれたライトノベルがあるのでそちらも読んでみたいです。加えて、電撃文庫の大人版みたいなメディアワークス文庫、違う著者の本も読んでみたくなりました。



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[ 2010/02/24 22:10 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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