2010年01月27日(水)

生きるのも死ぬのもイヤなきみへ 

生きるのも死ぬのもイヤなきみへ (角川文庫)生きるのも死ぬのもイヤなきみへ (角川文庫)
著者:中島 義道
出版:角川グループパブリッシング
発行:2009/03/25

評価〔A+〕 考えながら生きるのが大切です。
キーワード:哲学、人生観、

きみたちは生きていたくないけれど、といって死にたくもないのだろう?この二つの願望は矛盾してはいない。それどころか、ごく自然に両立するのだ。(本文より抜粋)


凄い題名の本です。何か怖いもの見たさのような心持ちで手にとってみたのですが、予想外に読みやすく興味を持ちました。

この本は、著者と架空の4人の若者との対話形式のエッセーとなっています。若者たちは皆20代の大学生・OL・フリーター・引きこもりで、特別な立場ではなくいかにもいそうな感じの人たちなので、読者も違和感無く対話に溶け込めると思います。

主題は『どうせ死んでしまうのだから、何をやっても虚しい』という人生において根本的な問題についてです。怖くて目をそむけている人生の虚しさについて考えることこそ、最も重要なことと著者は唱えています。幸福よりも真実を優先する姿勢は、まさに哲学です。そして主題だけでなく、世間体や労働そして愛情と人生に大きな影響を与えるものについても話し合われているので、観念的抽象的過ぎることもありません。

若者達は容貌、能力、他人の目、虚無感と次々に悩みや著者にぶつけますが、著者はそれらを肯定し時には諭してくれます。もう少し説教くさい本なのかと思っていただけに驚きましたが、受け流すような対応は心に残ります。

現実主義者には、そんなこと考えている暇があるなら現実と向き合え!と叱られそうな本です。でも、少しでも悩んだことのある人には、きっと何らかのプラスになるかもしれません。またきっと読み返すでしょう。





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[ 2010/01/27 22:11 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

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