 
| 著者:貴志 祐介 発売日: 2013/10/25
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評価〔C+〕 前半が単調でなければ。キーワード:蜂、山荘、アナフィラキシー・ショック、
そのとき、俺の鋭敏な聴覚は、またもやあの音を聞きつけた。(P18より抜粋)
雀蜂に刺されたことはありませんが、一度刺されたことがある人には分かる恐怖なのかもしれません。小説家の安斎は夜中に目が覚めると山荘の中に蜂を発見します。医師からもう一度刺されたら命にかかわるかもしれないと宣告された彼は、危機的状況を逃れようと奮戦します。
蜂に追われる恐怖について何回も同じような展開だったのが残念でした。弱点も分かっている昆虫が相手なので、得も言われぬ不安や未知の恐ろしさはなかったのが原因かもしれません。エピペンなる緊急時用の薬があるのは知りませんでした。
終盤の展開は予想していなかったので驚きました。伏線は感づいていたのですが、真相まで分かりませんでした。ただ、裏表紙の文章で内容をにおわせてしまうのは良くないのではないでしょうか。ネタバレとは言いませんけど、それに近いと思います。
著者の他の作品と比較すると少し物足りなかったです。特に前半は大味でした。次の作品に期待します。
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