2009年12月29日(火)

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ 

「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)「社会調査」のウソ―リサーチ・リテラシーのすすめ (文春新書)
著者:谷岡 一郎
出版:文藝春秋
発行:2000/06

評価〔A〕 実名で批判は勇気あります
キーワード:社会調査、統計、実用、

これほど社会調査が増え、それも玉石混交ということになってくると、それらのリサーチが本物であるかどうかを見極める能力が必要となってくる。(第五章より抜粋)


マスメディアの発展により、何らかの社会調査の結果を見たり聞いたりする機会が多くなりましたが、それらの調査ははたして現実を反映しているのか?信用に足るものなのか?と疑問をなげかけているのが本書です。著者は外国で調査の研究をしていた経験があり、何か意図のある調査や真実を捉えていない調査を批判しています。

今までは、まぁ公平かなと感じていた統計データも、丹念に調べてみると実はそうでもないことがよく分かります。データの計算の仕方によって、結果が変わるのは知っていましたが、学術の分野でも行われているとなると事態は深刻です。また、選択肢の選び方によって回答を誘導することができる強制的選択やキャリーオーバー効果は、知っているといないでは調査結果に対する認識が違うはずです。

一方で、質問する人によって答えが変わりうることがあるインタビューアー効果は、一見なんでもないアンケート調査も、公正に行うのは容易ではないと考えさせられます。アンケート対象となる母集団に偏りがある場合は、あまり役に立たないし、有効回答数は最低でも100は必要らしいのでさらに大変だ。何々50人に聞きましたってのはほとんど参考にならないそうです。

公平な社会調査を行うことは、かなり困難で時間もかかることが分かりました。著者の日本の社会学の未来を憂う気持ちとマスコミに対する憤慨が、文章から伝わってくる本でした。著者も願うように各々がデータを独占するのではなく、日本でもはやく開かれた調査結果のデータベースができると良いですね。



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[ 2009/12/29 18:15 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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