2009年12月11日(金)

オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White 

オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White (1)(角川スニーカー文庫 200-1)オイレンシュピーゲル壱 Black&Red&White (1)(角川スニーカー文庫 200-1)
著者:冲方 丁
出版:角川書店
発行:2007/01

評価〔B-〕 アニメっぽいSFものです。
キーワード:ライトノベル、SF、シュピーゲルシリーズ

「あたしのッ、街でッ、勝手なことしてんじゃァッ、ねェ――――ッ!!」(第壱話より抜粋)


近未来の2016年、かつてウィーンと呼ばれた国際都市ミリオポリスで、機械化した体で治安維持に勤める3人の少女たちが活躍するお話です。あとがきに「人生はクソだと思いながらも、数少ない仲間たちとの悪ふざけを頼りに、血の修羅場を通過する」とあるのですが、舞台は暴力あり差別あり犯罪ありの世界なので、誇張でなく実に的確な表現だと思いました。ちなみに題名のオイレンシュピーゲルは、ドイツ語で悪ふざけの意味です。

涼月、陽炎、夕霧ら主人公たちが事件に取り組みつつ、各々の内面と過去に焦点を当てた、3つの短編集のようなつくりになっています。彼女たちは皆、性格が極端で個性的です。ミリオポリス憲兵大隊(MPB)の隊員だけれど、先生の言うことを聞かないで授業をサボる3人娘といったイメージ。波乱万丈の過去は、読み応えがあります。厳しく容赦のない世界なのに、どこかコミカルで救いのあるように思えるのは、3人がお互いに信頼し合い、明るく生きていこうと望んでいるからかもしれません。

彼女たちが実力行使で犯罪者に挑むときは、武器化した義肢を転送してもらって戦うのですが、その様子は正義の味方が変身するかのようで、視覚化すれば派手で見栄えがしそうです。衣装といい、アクションといい、映像化と相性が良さそう……犯罪者は射殺されたりする暴力的な小説だから、アニメ化は難しそうだけれどね。

また、この本の大きな特徴として、/と=を使った文章があります。例えば、短い黒髪/黒い切れ長の目/白い肌、みたいな感じです。なんだか設定集を読んでいるような気分になりますが、慣れてくるとこのような独特の表記方法も良いかなと思えてくるから不思議です。言葉が省かれているためか、読む速度が速まったような感覚になります。

この作品は、設定が同じで違う3人組が主人公の「スプライトシュピーゲル」と同時進行だそうです。参考までに。そちらと読み比べてみるのも楽しいかもね。




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[ 2009/12/11 21:16 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

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