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2018年10月12日(金)

精神医療に葬られた人びと ~潜入ルポ 社会的入院~ 



著者:織田 淳太郎
発売日: 2011/7/15

評価〔B〕 一番の原因はなんなのか。
キーワード:精神病、入院、介護、人生、

そこは、平和だが、鍵によって密閉された「鳥かご」のような世界だった。地域との繋がりが寸断された、文字通りの無縁社会である。(本文より抜粋)


精神科病院の病棟は、接点のない人がほとんどなので、実態を知っている方は極一部です。せいぜいドラマや漫画など創作物の中での、暗くて不気味な雰囲気のイメージしかない方ばかりではないでしょうか。では、現実の病棟はどのようなところなのでしょうか。著者自ら精神病棟に入院し、何が起きているのか何が問題なのかを綴っている体験レポートです。

病棟の描写は想像よりも落ち着いていて平穏そうに見えますが、数十年も病院で暮らしている比較的健康な患者がいること自体が問題の大きさを示しています。難病のためやむを得なくならばともかく、治療以外の要因、例えば引き取り手の不在などで暮らしていかなければならないのは、どこか腑に落ちません。隔離・拘禁から治療・復帰の場とするには様々な課題がありますが、医療関係者以外の者としてできるのは精神病患者への理解と関心を持つこととあり考えさせられました。

また、日本は諸外国に比べて病床数が格段に多いのは知りませんでした。これは精神医療が充実しているからではなく、病院の経営面から入院患者を多くしているそうで、お金がなければ何もできないとはいえ残念に思います。

本書は患者と医療関係者の生の声に触れていますが、患者の家族や病院経営者の意見もあったらなお良かったです。


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[ 2018/10/12 22:38 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

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