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2009年12月06日(日)

無気力の心理学―やりがいの条件 

無気力の心理学―やりがいの条件 (中公新書 (599))無気力の心理学―やりがいの条件 (中公新書 (599))
著者:波多野 誼余夫 稲垣 佳世子
出版:中央公論新社
発行:1981/01

評価〔B+〕 硬い文章で濃い内容です
キーワード:心理学、無気力、社会

大切なのは、選択という行為ではない。自分は自分の行動の主人公である感覚をもてるかどうかなのである。(第四章より抜粋)


無気力という単語を見て、高校生の頃、いつもだるそうにしている同級生に、「お前みたいに無気力なやつは見たことがないよ」と言われたことがあったのを思い出しました。どんな体験をすると無気力になるのか、どのような経験をすると無気力にならないのか、その仕組みについて書かれた本です。

本書では無気力は、いくら努力しても状況が改善されない体験からくる諦めと、努力すれば状況を改善できるという自信や意欲の2つが大きな要因と判断し、前者は「獲得された無力感」、後者を「効力感」と呼び、考察しています。昔に出版された新書らしく、内容は濃く文章も硬く、読みやすくはないのですが、心理学の実験結果を数多く挙げていて説得力がありました。

意欲を与えるためにご褒美・報酬を与えると、逆に自発的な興味や関心が低下することがあるのは、なかなか興味深いです。やる気や意欲は、外的評価よりも内的評価や自発性が重要なのが分かります。また、社会や文化が違うと、何によって効力感が生じるのか違ってくるのが興味深いです。

しかし、乳幼児や学校についての章があることから分かるように、他者を指導・管理・教育する人には有用な本ですが、読者自身が無気力な場合はそれほど役にたつことはないと思います。他の心理学やカウンセリングの本のように、意欲がでない時は具体的に何をするといった記述がないからです。その点は残念でした。




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[ 2009/12/06 22:42 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

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