 
| 著者:つるみ犬丸 発売日: 2016/9/24
|
評価〔B+〕 いろんな酒があるもんです。キーワード:日本酒バー、唎酒師(ききさけし)、
「──変わった人でしたね。あんな注文、初めてでしたよ」(プロローグより抜粋)
近所にあったら試しにいってみたい日本酒バー、冴蔵(さくら)と楓の物語。
日本酒という専門的なものを扱っているのにもかかわらず、難しくなく説明されているので読みやすいです。醸造アルコールについては知っていたので、冴蔵の気持ちはよく分かりました。私でしたらその場で言ってしまいそう。
前の巻では四季の創設者が話の中心にいましたけど、今回の物語の軸となるのはまた違った難題です。こういうやっかいごとは、実際ありそうだし色々と大変そうですね。でも、解決の方法はこの物語らしくて合っていました。
今回も登場人物の境遇や心情を反映した日本酒が登場し、なるほどなと感心しました。どういった過程でその酒が生まれたのかも紹介されることもあり、ますます興味を引かれました。ただし、前回に比べると酒の傾向にややかたよりがあった気がします。
綺麗にまとまって終わりましたけれど、もう少し波乱万丈でも良かったかな。小説の雰囲気とは合わないけどね。
スポンサーサイト