 
| 著者:つるみ犬丸 発売日: 2016/4/23
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評価〔B〕 ためしに飲んでみたくなりました。キーワード:日本酒バー、唎酒師(ききさけし)、
「日本酒に詳しい人と一緒に、ずっとやりたいことがあったの!」(一章より抜粋)
最近漫画ではグルメものが流行っていますけど、本書は小説で、しかも扱うものは日本酒です。珍しいと思います。
家出した酒蔵の息子・北条冴蔵(さくら)は食べるものも住むところもない中、四季という店・赤橋楓の主人に助けれます。彼女は冴蔵の知識と能力を知り、彼女の夢を実現させるため動き出します。
本書の特徴は、なんと言っても実在する日本酒が登場する点です。私が知らないものが多かったのですが、飲んだことのあるお酒も出てきて嬉しいというか共感しました。日本酒版ソムリエである唎酒師の資格を持つ冴蔵(さくら)が、お客の境遇や気持ちに合ったお酒を提供するのが見所です。どの人の人生も異なるように、どの銘柄にも異なる物語があるのだなと知らさせます。
予想外の事件や奇想天外な人は出てきません。もう少し刺激的でも良かったかなとも思いますが、グルメものはこうした落ち着いた雰囲気のほうが似合っているのかもしれませんね。
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