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2008年02月09日(土)

春期限定いちごタルト事件 

春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
著者:米澤 穂信
出版:東京創元社
発行:2004/12/18 

評価〔B〕 小市民じゃなくてもいいじゃん
キーワード:青春、日常の謎

日々の平穏と安定のため、ぼくと小佐内さんは断固として小市民なのだ。(本文より抜粋)


なぜかはわかりませんが、米澤穂信の本はこの本から読みたいと思っていました。タイトルに惹かれたのかな。甘いもの好きですし。かなり前から目をつけていたのですが、この本を思い出すのはいつも他の本を買いにきた時。タイミングが悪かった。やっと読めて嬉しいです。

推理小説なのかライトノベルなのか、読んだ人によって意見がわかれる本です。背表紙には“ライトな探偵物語”って書いてあります。創元推理文庫なので、ライトノベル的推理小説なのかな。最近はラノベから一般への越境作家が増えてきたので、こうした分類もどう変わっていくのやら。もともとライトノベルも定義がよくわからない言葉だしね。

高校一年生の小鳩君と小佐内さんが慎ましい小市民になるべく、お互い協力して日々を過ごす短編連作(連作短編?)です。彼らが遭遇するのは殺人などの大事件ではなく、日常生活にある些細な謎や不思議なこと。三作目の「おいしいココアの作り方」はまさにそれ。解けなくても困らないけれど気になります。いい感じ。また、謎解きをしたくないのにしてしまう小鳩君のような探偵役は、あまり推理小説を読まない僕にとって新鮮でした。

単発で起こる事件をどんどん解決していくだけなのかなと思っていたら、最後の「狐狼の心」で色々と繋がって、なるほどと感心してしまいました。謎解きとは別の面白さもそこにはありました。この本の題名がなぜ「春期限定いちごタルト事件」なのか、わかるでしょう。

【ここからネタばれ】
小鳩君のトラウマからくる態度は結構共感できます。口を挟むと迷惑がられるのは多々あります。彼の口を出したがる性格からすると、かなり辛いよね。多少ならいいんじゃないの?

小佐内さんのほうは、本性が執念深いのは分かりましたが、過去は謎のまま終わってしまいました。この点が不満です。続編に期待します。

【ネタばれここまで】

「小市民」という単語が何回もでてくるのですが、少ししか説明がなかったのでどういう人たちが小市民なのかはっきり分かりませんでした。目立たない人々のような感じで使われていましたけど……もう少しだけ説明して欲しかったです。

気軽に読めますが、推理やトリックの難度は低くないと思います。“ライトな探偵物語”といって侮れません。続きの「夏期限定トロピカルパフェ事件」も既に入手してあるので、そちらも楽しみです。

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[ 2008/02/09 20:35 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

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