2018年06月29日(金)
| 著者:野城 亮 発売日: 2017/10/25
| 評価〔B-〕 不可解な不気味さが良いけれど。キーワード:ホラー、温泉街、現代、 「あたしたちの罪を掘り起こして、償わせようとしているんだ」(第二章より抜粋)
幼いころの記憶をなくした百﨑日向が、帰郷中に不思議な世界に迷い込むホラー小説です。第24回日本ホラー小説大賞読者賞受賞作。 特殊な環境ではなくよくありそうな舞台だけに、想像するのが容易で、しかしどこか訳のわからない怖さもあって物語に引き込まれます。怖いシーンと対になるように、主人公・日向の恋人の様子も描かれていますが、そのバランスもちょうどよく、お互いに引き立てあっていると感じました。 結末はおぉっと少し驚きました。この一連の出来事で一番可愛そうなのは誰なのか、意見が分かれそうですね。 怖いことは怖いのですが、圧倒的というほどでもなく、また全て説明されている訳ではないので、その点が不満が残りました。ホラーだから論理よりも雰囲気重視なのは分かりますが。個人的にはもう少し派手なほうが良かったかな。
2018年06月29日(金)
| 著者:るーすぼーい、古屋庵 発売日: 2018/1/22
| 評価〔B+〕 はやくも転機が・・・・・・。キーワード:能力者、学園、サスペンス、アクション 「もう逃げられないよ」(本文より抜粋)
2巻は厚めでしたが、この3巻は明らかに厚いです。1巻完結ものくらいの分厚さです。 当初は余裕を持って任務を遂行していたナナですが、次第に危機に陥ることが多くなります。ニコニコ笑っている顔が少なく、必死な表情を浮かべることも多くなりました。それだけ人類の敵が強いということでしょう。いや、強い敵から倒しにいっているのかな。 探偵役のキョウヤも大きく動きます。私が思っていたよりも早かったですが、彼が推理する場面は盛り上がりました。彼の能力は普段はあまり目立たないけれど、探偵役としては便利な能力ですよね。 終盤まったく予想しなかった展開となり、物語は大きな転機を迎えました。ナナがどのように奮戦するのか、次も楽しみです。 ちょっとだけネタばれ↓
【ここからネタばれ】 探偵役キョウヤについてです。不老不死の不死の部分ばかり目立っていますが、彼の最近の言葉に疎いところや、ナナのことを年頃の娘さんと言うところを見ると、見かけよりもずっと年上なのではないでしょうか。これ、2巻を読んだころから疑っていたのですが、3巻を読んでも変わりませんでした。彼の冷静さや洞察力は経験からくるものだと考えれば、それなりに説得力がありそうです。彼の不老は、いつか明かされる時がくるのでしょうか? それとも見かけどおりナナたちと同年代なのでしょうか・・・・・・。
また、新キャラ、橘ジンがナナの正体を暴こうとプレゼントを使ったのは良かったです。彼女の能力をキョウヤでさえも疑っていないのは少々不自然で、誰か確かめようとしないのかなと思った読者もいるかと思います。結果はあのとおりですが、ナナも無策ではなかったと分かってなんだか安心しました。読者の皆さんも少しは納得したのでは。
【ネタばれここまで】
2018年06月17日(日)
| 著者:吉田 友和 発売日: 2012/11/16
| 評価〔B+〕 LCCの存在が大きいです。キーワード:海外旅行、週末、LCC、羽田空港、 時間がなくても海外旅行は可能だと僕自身は思っている。かれこれ何年も前からずっとそう声高に叫び続けてきたのだが、ここ最近になって急速に追い風が吹き始めた。(序章より抜粋)
週末海外旅行という言葉を初めて見たのは結構前のことでした。本書が出版されたのは2012年なので、おそらくその頃でしょう。格安航空会社(LCC)の登場と国際線が就航する空港の増加によって、海外へ行きやすくなったと聞きますが、実際はどうなのでしょうか。また、今どきの海外個人旅行はどうなっているのかを著者が経験を踏まえて、全般的に紹介しています。 旅の計画の立て方から始まり、航空券の探し方や取り方、マイレージ、宿泊先、電子機器まで読めばひととおりの知識を得られるようになっています。海外に行ったことのない方や個人旅行は初めての人には、かなり役に立ちます。初心者でなくても海外発券や賢いマイルの使い方など知っておいたほうが得な情報も書かれています。 世界一周航空券はどこかでちらっと見た記憶があるのですが、本書で詳しく説明してあって興味深かったです。思っていたよりも制約が多いですが、それでも安いのは魅力的です。いつか利用してみたい。 今年は2018年なので少々情報が古いですが、基本的には有益です。でも、そろそろ情報を更新した新しい本が必要かもしれませんね。世界の動きははやいので。
2018年06月17日(日)
| 著者:鈴木 大介 発売日: 2014/9/27
| 評価〔A-〕 想像していたより苛烈でした。キーワード:貧困、女性、性産業、 家を飛び出したのは「本人の選択」として「もうちょっと我慢すれば」というような言葉を軽々しく吐く者は、同時に加害者と変わらないと僕は思っている。(第三章より抜粋)
解決するのが難しい貧困問題の中で、知られていない若い女性たちの現状を記したドキュメンタリーです。 数多くの生の声が記されていて、その暮らしぶりに驚かされます。ある程度は覚悟して読んだのですが凄惨で、著者が取材はもう限界だと嘆くのも分かる気がします。専門家でも弁護士でもないので客観的な数字がないのが残念ですが、当事者たちの言葉はそれ以上に説得力がありました。 本書に登場する彼女たちのように、苦境に立っている人たちを自己責任の一言で切り捨てる人をネットで見かけます。しかし、実態を知らないから厳しい態度を取ってしまう人が多いのだと思います。具体的に助けることはできないかもしれませんが、非難するだけで終わらないようにしたいです。 印象に残ったのは、どんな学童保育だったら良かったのか?です。厳しい管理が彼女たちの足を遠ざけていることは、注目すべき点だと感じました。管理と居心地の良さを両立するのは難しいですが、もっと利用してもらえるよう何らかの対策が取られることを望んでいます。
2018年06月09日(土)
| 著者:後藤羽矢子 発売日: 2016/1/29
| 評価〔B+〕 飽きれるけど同時に笑えます。キーワード:アルコール、恋愛、同棲、 「本当に・・・嫌なのに・・・、くやしいっ・・・でもっ・・・」(本文より抜粋)
二人の馴れ初めがやや端折ってはいるものの描かれています。彼は今のような生活になるとは思いもよらなかったでしょう。 様々なお酒の楽しみ方が紹介されていて楽しいです。巻末のおまけ漫画や取材記や読むと、想像ではなく著者の体験をもとに書かれていることが分かります。興味があるのはお酒シャーベット。アイスに混ぜたことならありますから、あれと似たような感じなのでしょうか。夏になったら食べてみたいです。 また、おまけ漫画の「酒と私」も良かったです。あのように楽しく飲んでいるので、本書も楽しげな雰囲気なのだと納得してしまいました。次の巻も期待しています。
2018年06月09日(土)
| 著者:二宮 ひかる 発売日: 2012/6/16
| 評価〔B-〕 捉えどころのない感じ。キーワード:恋愛、結婚、重婚、不倫、 「ほら、もうすぐあるんでしょ改正で、重婚とか」(本文より抜粋)
題名どおり重婚が主題の恋愛ものです。 1巻完結の割には登場人物が多めです。未婚・既婚問わず色々な立場から、恋愛や結婚についてあれこれ語っています。深く語るには分量が足りないので、もう少し登場人物を減らすか次の巻に続くかすれば、もっと面白くなったのになと感じました。中途半端さが目立ちました。 迷うことの多い男性たちに対し、女性たちは素直で人生が楽しそうで魅力的です。女性から見た彼女たちはどう映るのでしょうか。ちょっと気になる。今度は1巻で終わらず少し長いのが読んでみたいです。
2018年06月02日(土)
| 著者:鶴 光太郎 発売日: 2018/2/2
| 評価〔B-〕 大人になってもまだ成長できます。キーワード:性格スキル、仕事、学業成績、自己啓発、ビッグ・ファイブ、 この研究は、「真面目さ」の重要性は仕事の種類や特徴にはあまり依存せず、広範な職業に影響を与えることも明らかにしている。(第2章より抜粋)
性格スキルとは心理学の非認知能力のことで、平たく言えば性格の個性やある要素のことだそうです。なぜスキルと呼ぶのかというと、固定的なものでなく学んで成長させることが可能だからと続きます。中でも重要な5つの因子「開放性」「真面目さ」「外向性」「協調性」「精神の安定性」、これらビッグ・ファイブが人生においてどのように影響するのかを事例を交えて解説しています。 性格スキルは性格のように各々が違うものを持っているのではなく、それぞれ程度の差こそあれ持っている、まさに技術(スキル)のようなもののようです。本書では性格スキルそれ自体の説明はほとんどせず、学歴や収入、犯罪との相関関係について深く掘り下げています。学校の成績や職業、人生で成功するためには何が必要かが多く語られていて、心理学の本というよりはビジネス書と呼んだほうがしっくりきます。 性格分類や身近な私生活での活用法を期待していたので、本書の内容とは少々ずれていたので残念でした。説明がいくつかの因子に偏っているのも不満です。しかし、思いがけず知った有益な知識もいくつかあります。大人になってからでも伸ばせる性格スキルがあることです。「協調性」が伸び続けるのは信じがたいですが、経験を積むと慣れてくるのでしょうか。 最後の章は著者が教育の場で、学生の性格スキルを伸ばす実践法と結果が書かれていて興味深かったです。このような例をもう少し読みたかったです。
2018年06月02日(土)
| 著者:藤栄道彦 発売日: 2017/1/7
| 評価〔B+〕 久しぶりに読んだけど面白いです。キーワード:料理、偉人、歴史、グルメ、 「あの、あなた毎日シャワーは浴びますよね?」(本文より抜粋)
あ、実写ドラマ化したのにまだ見てません。 原点回帰なのか、登場人物たちの個人的な話より偉人達に重点が置かれています。ヨーロッパの人が登場するとあまり驚きませんが、それ以外の地域の人は新鮮に感じられます。私の中で偉人と言えばヨーロッパなのだろうか。 ご存知のとおり、どの話も偉人たちが帰った後に、最期の場面が少しだけ描かれて終わるのですが、本書の最初の人の最期はかなり良かったと思います。どうなるのか知っていても迫力がありました。園場の感想もうなずけます。見習いたい。・・・・・・園場は次の話の終わりでもいいことを言っているのですが、堅苦しく感じないのは良いですよね。ほどよく力の抜けた漫画だ。 今回は巻末おまけの小料理屋はなしです。作者には悪いのですがあれより本編のほうが面白いので、次もおまけは4コマのみにしてほしいかなーと思います。
2018年06月02日(土)
大放言 〔B+〕無能なナナ 1 〔A-〕湯神くんには友達がいない 3 〔B〕青の数学 〔B〕決してマネしないでください。 1 〔B+〕サイコパス 〔A〕無能なナナ 2 〔A-〕賭博師は祈らない 〔B〕以上、8冊でした。ようやく数を読めるようになってきました。今月もまた5冊くらいになってしまうのかと思っていたけど、まあそれなりに読めて良かったです。ジャンルは漫画が多めですが、新書も創作も読めて満足。 無能なナナは買ってから何度も読み返しています。自分でもそんなに好きか?と思ってしまうくらいです。自覚している以上に気に入っているみたいです。 また、久しぶりにライトノベルを読んだような気がします。もっとなにかないか探してみようかな。
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