 
| 著者:ソウマトウ (著) 発売日: 2015/8/26
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評価〔B+〕 ラブコメっぽくなってきましたが、やはり尿意がメイン。キーワード:尿意、トイレ、ギャグ、学園、恋愛、ラブコメ、
「私の学校の文化祭の入場パスあげるから、ハナちゃん誘ってきてよー」(本文より抜粋)
マンネリに陥りそうな内容なのに、そうはならず面白いです。斬新な展開ではありませんが、おそらく見せ方が巧みなので読者が退屈しないのだと思っています。「できるかな!?」のシーンは声に出して突っ込みを入れてしまいました。よく思いつくものです。
3冊目ともなると少し変化がでてきて、ラブコメの要素が強くなってきました。とはいえ、ギャグ漫画ですので恋愛だけに偏ることなく、両方のバランスがうまく取れていて読みやすいです。
タイトルどおり、3巻もアウトの回があります。セーフにしてあげようという気配は見られず、どうにかして面白くアウトにしてあげようと、著者が意気込んでいる気がしてなりません。(笑)
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| 著者:ヘミングウェイ (著), 小川 高義 (翻訳) 発売日: 2014/9/11
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評価〔C〕 思っていたよりも読みやすかったです。キーワード:海、漁師、アメリカ文学、
みごとな変わり者だと言ってやりたいが、年寄りなのかどうか見当がつかない。こんなに我慢するやつ、偏屈なやつは初めてだ。(本文より抜粋)
著者や題名は聞いたことがあるけれど、読んだことのない文学作品を読んでみようと思い手に取った本です。長い間魚が連れず、今日こそはと意気込んで漁に出た老練な漁師のお話です。
沖での漁や困難な状況でも諦めない老人の心境が、分かりやすく描かれていて、堅苦しさはあまり感じませんでした。文学小説や翻訳ものは聞きなれない表現や単語が多く、すんなりと頭に入ってこないことがありますが、本書はそういうことはなかったです。原文の文章が良いのか、訳者の腕の良さなのかは分かりませんが、読みやすいのは良いことです。
老人の苦境に立ち向かう姿や勇敢さは良かったのですが、激しく心を打たれることもなく終わってしまったというのが、正直な感想です。心理描写や自然の情景も、特に目新しいわけでもないと思いますし・・・・・・文学に対する感受性がないのでしょうか、それとも、もっと若いときに読んでいれば違う感動があったのかもしれませんね。思い返すと、娯楽小説を読むような気分で読んでいたのが良くなかったのだと思います。
今回の読んだ評価は高くありませんでしたが、主人公の老人と同じくらいの年齢になった時に改めて読めば、何か気づきがありそうな予感がします。名作は読むたびに感想が変わるって言いますからね。
 
| 著者:ひよどり祥子 発売日: 2014/12/19
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評価〔B〕 多種多様なホラーです。キーワード:ホラー、霊感、オカルト、
「占いのお客さんにもらったの。有名な画家の作品なんだって」(本文より抜粋)
怖いし気持ち悪い場面もあるのですが、なんか読んでしまいます。そして、早川さんの表現豊かなゼスチャーにちょっと笑ってしまいます。
最後の「ゴーストリンク」は、実写化したら怖そうな不気味なお話です。後に続きそうな雰囲気だったので、何らかの形でまた出てくるのでしょうか。そうだとしたら、段々エスカレートしていきそうな予感がします。
また、某アイドルといわくつきの家を訪れる「悪霊館にて」は怖くて良いのですが、最後は蛇足のように感じました。窓をパーンと割ったあたりで終わりなら、切りも良くてよかったのになあ。それにしても、先生の新作には何が書かれているのでしょうか。見てみた・・・・・・いや、どうかな、迷います。
 
| 著者:ひよどり祥子 発売日: 2014/7/18
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評価〔B+〕 終盤の霊道の話がなかなか怖いです。キーワード:ホラー、霊感、オカルト、
「あれが“おかえりさんの穴”。崩れやすいから近づいたらダメだって言われてる」(本文より抜粋)
一話完結が基本ですが、終盤に3話で完結する連作があります。登場人物が多くなり、また複雑なものを書こうとすると、自然と長くなってしまうのでしょうか。でも、ただの引き伸ばしではないので、怖さも増していると思います。
恐怖の原因が消えた亡くなった結末以外のものも増えました。余韻を残したり、バッドエンドのようなものもあったりと、変化があって飽きません。ときどき緊張感をほぐすような場面があるので、疲れなくていいですよね。
巻末に収録されている読みきりの「ユミちゃん奇譚」も、短編ではありますが、著者の描くホラーの雰囲気が存分に出ています。実写化したら面白そうです。
 
| 著者:イアン エアーズ (著), Ian Ayres (原著), 山形 浩生 (翻訳) 発売日: 2010/6/10
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評価〔A+〕 人工知能とは違う近未来の力。キーワード:絶対計算、経済、近未来、統計、回帰分析、無作為抽出、
われわれはいま、馬と蒸気機関の競走のような歴史的瞬間にいる。直感や経験に基づく専門技能がデータ分析に次々に負けているのだ。(序章より抜粋)
映画の売れる脚本や裁判の判決をコンピュータが予測すると聞いたら、そんなのまだ早いと思うのが当然だと思います。しかし、前者は既にハリウッドで動き出していますし、後者は良い結果を出しています。データを集めて商売や危機管理に役立てているのは知っていましたが、創造性や複雑な判断にまでデータ分析が及んでいて、驚くとともに感心してしまいました。
本書では、それらの大量の情報を収集・解析するデータマイニングと、それを行う絶対計算者たちについて、専門家が具体例を交えて説明しています。ちなみに、英語の題名はこのデータ分析で決めたそうです。
計算による予測として回帰分析と無作為抽出の2大理論が、要点のみ分かりやすく書かれています。どちらも知っていたので、すんなり頭に入ってきましたが、数学に疎い方でも大丈夫だと思います。上記のように、様々な分野での実証例が挙げられていますので、それらも理解の助けになります。アメリカでの最先端の研究と、それを適用したビジネスの例が豊富なのが魅力です。
印象深いのは、専門家と絶対計算の比較の章です。人間は自分の予想に自信過剰である、複雑なものの重要要因を見極めるのが得意ではないとあり、おおむね賛成です。公平に偏見なく感情的にならずに物事を判断するのは、かなり難しいと思います。経験も時には邪魔になりますし。計算式によって導かれた確率は、それらには影響されずにすむのが強みです。皆、自分の分野ではデータ分析より人間のほうが勝っていると信じていますが、そうでないことを知ることができます。
全体的に分かりやすく書かれているとはいえ、興味のない話や込み入った話もありました。400ページ近いので、もう少し短くても良かったかもしれません。それと、理論の説明でもほとんど図や表がなかったと思うので、もう少し視覚的に分かりやすい説明が欲しかったです。入門書ならなおさら。
各章の最後にまとめがあるので、読み返す時に便利です。この感想文も、まとめを見て思い出しながら書いています。今後も、データ分析が社会に影響を与える機会はどんどん増えていき、避けられない流れだと断言しています。どのように利用すればよいのか知るためにも、一読するのもよいのではないでしょうか。
 
| 著者:FLIPFLOPs 発売日: 2016/5/6
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評価〔B〕 次のステージへ。キーワード:デスゲーム、現代、超能力、アクション、
あのGM、俺を一体どこへ飛ばしやがった!?(本文より抜粋)
相変わらずテンポよく進みます。この展開の速さが、読者を飽きさせない要因なのかもしれません。カナメが急に強くなったのに少々違和感を感じますが、そのほうが面白そうなので良しとしましょう。
中盤、新たなイベントが開始します。サンセットレーベンズを快く思わない勢力の暗躍、そして、それとは別の強力な人物の登場とますます盛り上がりそうです。アクション路線も面白いとは思いますが、力と力のぶつかり合いだけだと慣れて飽きてしまうので、今回は頭脳戦がメインになると良いなあ。
 
| 著者:深水 黎一郎 発売日: 2014/10/7
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評価〔B〕 難問に挑戦した物語です。キーワード:推理、トリック、
貴殿はミステリーの世界に残された、最後の不可能トリックというのを聞いたことがありますでしょうか?(P10より抜粋)
ある推理作家のもとに、自分のアイディアを買ってほしいと頼む手紙が送られてきます。そのアイディアは突拍子もなく、信じ難いものでしたが、作家は興味を持ち始めます。手紙の差出人の真意は?本当にアイディアは存在するのでしょうか?
作家の日常、手紙、手紙の覚書と3つの物語が交互に語られるので、少々ややこしいですが徐々に引き込まれていきました。しかし、最後の真相が腑に落ちない・・・・・・いや、「ほう」と思いますし分かるのですが、すっきりしないのです。上手に騙されたり、予想外の仕掛けがあるなら楽しめたのですが、どうもズルイと感じてしまうんですよね。伏線が張ってあったにも関わらず。
このトリックを書こうと挑戦したのは、良かったと思います。博士の実験シーンや結果の考察も、それ単体では興味深いし面白いです。それだけに、すっきりしない真相は残念でした。でも、今後もこうした意欲的な小説を出してほしいです。
 
| 著者:加藤 元浩 発売日: 2011/10/17
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評価〔B+〕 推理ツアーに行ってみたい。キーワード:推理、謎解き
「お客様には名探偵となって謎を解いていただきます」(本文より抜粋)
恋愛感情が絡み合う4人が容疑者の「四角関係」と、旅行代理店が考案した謎解きツアーの模擬体験でおきた事件を追う「密室 No.4」の2本です。後者は描き下ろし。
前者は、人が死なない日常系ミステリです。誰がどのような思惑で動いているのか、見抜かないと解けません。犯人の動機は珍しくすぐ分かったのですが、どのように犯行を行ったか?が分かりませんでした。すべてを見抜くのは難しい。
謎解きツアーのほうは、劇中の作られた謎を解くという面白い作りとなっています。しかし、可奈はともかく燈馬がいるので・・・・・・まぁこのあたりは、読者の想像するとおりの展開でした。ロウソクの説明が鮮やかで感心しました。この謎解きツアーが実際行われるのならば、参加してみたいですね。実際に現場を見て聞いて触って、いろいろ考えるのは楽しそうです。
ストレッチ 3
〔B〕極黒のブリュンヒルデ 14
〔B+〕人工知能は人間を超えるか ディープラーニングの先にあるもの
〔A-〕ストレッチ 4 (完)
〔B〕ふしぎの国のバード 2
〔B+〕面白いほどよくわかる! 見ため・口ぐせの心理学
〔B〕○○○○○○○○殺人事件
〔A-〕以上、7冊でした。6月も少なくなりそうでしたが、下旬はそれなりに読んだと思います。漫画の割合が多いのは先月と同じ。時間が少ないと、手軽に読める漫画が多くなりがちです。
『人工知能は人間を超えるか』は、迷いましたがA-にしました。質の高さが決め手です。『○○○○○○○○殺人事件』のほうは、インパクトが高評価の要因に。新鮮な驚きがありました。
今月は10冊を目標に読みます。