2016年03月30日(水)

監禁探偵2 ~狙われた病室~ 



著者:我孫子 武丸 (著), 西崎 泰正 (イラスト)
発売日: 2012/12/22

評価〔B-〕 1巻より楽しめました。
キーワード:監禁、推理、殺人事件、病院、

「・・・だってここ―――幽霊病院だよ」(本文より抜粋)


事故で入院することになったアカネは、病院で不気味な噂を聞きます。単なる噂なのか、それとも何か理由があるのか。病院に慣れてきた頃、ある出来事が起きます。アカネは病院の謎、そして自身の事故の真相を解き明かすことができるのか?

監禁ではなく入院して、再度安楽椅子探偵となります。あとがきにもありましたが、また監禁では芸がないですしね。本書で完結するので長く濃密、という訳にはいきませんが、なるほどと思う真相で楽しめました。映画を観た後に読んだ1巻とは違って知らない話なので、新鮮な気持ちで読めました。

きちんとまとまっているけれど、どこか物足りない感じがしました。人物に個性を、謎めいた雰囲気を、意外な結末を期待していると、一冊の分量では足りないのかもしれませんね。本書は上下巻にしてじっくり読んだら、感想も変わったかも。また、髪型が変わってしまったせいか、外見はアカネっぽくありませんでした。色っぽさも控えめでしたし、なんか残念。

1巻よりは良かったけれど、やはり最初に見た映画版が良かったかな。個人的には、映画版、2巻、1巻の順で面白かったです。



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[ 2016/03/30 21:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年03月30日(水)

社内失業 企業に捨てられた正社員 



著者:増田 不三雄
発売日: 2010/11/17

評価〔B+〕 将来に対する不安が強いみたいです。
キーワード:企業、仕事、雇用、社会問題、

社内失業者にたいして、狡猾に仕事を他人に押し付けて開き直っているイメージを持っていた方も多いのではないか。そうした方には、彼らが仕事をしていないことで苦しんでいるというこれらの姿は、驚きかもしれない。(本文より抜粋)


景気が良くないので、失業やニート、解雇などは前からよく耳にしていましたが、社内失業という言葉は最近になってから初めて聞きました。社員であるのに失業している? どういうことなんだろうと思って調べてみたら、解雇されていないのに仕事がない状態のことを指すとありました。なぜそのような社員が生まれてしまったのか、実態はどうなっているのか、新しい社会問題に迫ります。

就職できない人が大勢いる中で、正社員で仕事をしなくてお金がもらえるのは羨ましいと思うの方がいると思います。しかし、当人たちは若く仕事をする意欲もある人が多いようです。だから、仕事をさせてもらえず成長することもできず、転職するのも難しい状況に陥ってしまった人の苦悩が書かれています。

原因は彼らが無能だからではなく、企業の厳しい経営状況や上司たちの教育する余裕のなさなどが主なようです。即戦力ばかり求めて社内教育を後回しにしてしまった結果が、社内失業となって若い世代へ押し付けられてしまったと言えるでしょう。

本書で挙げられている人たちは、本人ではなく会社や上司に問題がある事例ばかりです。やる気うんぬんの問題ではありません。経済的な理由から、余剰社員を解雇するより自主退職するように仕向けることは知っていますが、新卒や未経験の人を採用したならきちんと教育すべきなのではないでしょうか。

社内失業は本人たちの人生はもちろん、企業側も人材を遊ばせて賃金を払っている状態なので大きな損失です。些細なことでも良いので、教えて育てていく姿勢が大切だと感じました。仕事がないのは探さないからだ、本人のせいだ、と仰る方には、本書を読んでいただきたいものです。



[ 2016/03/30 21:16 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2016年03月24日(木)

連続殺人鬼 カエル男 



著者:中山 七里
発売日: 2011/2/4

評価〔B+〕 色々考えてしまう結末でした。
キーワード:殺人事件、刑法、

今朝もテレビのニュースキャスターが怯えるように言っていた。カエル男は誰なのか。カエル男は何処に潜んでいるのか。そして、カエル男が次に狙うのは誰なのか。(本文より抜粋)


殺人現場に稚拙な文章を残し、いつしかカエル男と呼ばれるようになった犯人。動機も目的も声明文の意味も分からないまま、次々と事件は起き発展していきます。

中盤まではよくありあそうな推理ものでしたが、終盤の事件の構造が明らかになるにつれ驚かされました。犯人の動機は理解できないわけではありませんが、その手段が酷いです。犠牲となったあの人の人生を考えるとなかなか辛いものがあります。最後の最後で明らかになる主題も興味深かったです。また、余韻というには強烈な、今後何が起きるか予測できる結末がインパクトがありました。登場人物たちの過去や人生をふまえたうえで、物語終了後に起きる事件を想像すると、モヤモヤした何とも表現しにくい気持ちになりました。あのような終わり方は、巧みだと思います。

あ、犠牲者の意外な共通点は明かされる前に気がつきました。先に分かったのが少しだけ嬉しい。

しかし、警察署のあの大事件や終盤暗闇でのあの場面は、冗長だったように感じました。さらりと流してくれればあまり気にならなかったのですが、結構長かったです。著者が書きたいものだったのかもしれませんが、盛り上げるのなら他の演出にしてほしかったかな。このあたりは好みの問題なので、合うかどうかは読んだ人次第でしょう。



[ 2016/03/24 22:33 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2016年03月24日(木)

浄土真宗の信心がこんなにわかりやすいわけがない 



著者:石田 智秀
発売日: 2015/11/24

評価〔B-〕 信じる心、ではありません。
キーワード:宗教、仏教、浄土真宗、信心、

「これだけわかりにくい信心をわかる日が、いつか来るのだろうか・・・・・・?」(本文より抜粋)


お寺に生まれなのに信心がよく分からなかった著者の体験談です。信心って信じる心、つまりは信仰心のことだと解釈していたのですが、少なくとも浄土真宗では違うそうです。では信じる心でなるとすると何なのか。その1点に絞った本です。

子どもの頃から疑問に思い、仏教系大学にも通って着実に歩みを進めても、肝心なところで確信が得られないのはなかなか辛いと思います。しかし、妥協せず分かったふりをせず、真摯に求めたからこそ答えに辿りついたのでしょう。疑問、悩み、救済と、なんとも宗教らしいお話です。謙虚に書いていますが、布教使という伝える立場になれたのですから、かなり真面目に修行したのではないでしょうか。

本書の題名を見て、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を連想した方は、多分それで間違っていないと思います。著者はオタクだそうで、各段落の見出しがアニメやラノベ、ゲームのパロディになっています。あとがきで「攻めている」と表していますが、若い読者にも気軽に読んでほしいという配慮だと思います。おそらく。・・・・・・単に趣味かも。

短いのでお手軽に読めます。え、違うの?と思った方は試しに読んでみてはいかがでしょうか。




[ 2016/03/24 22:22 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2016年03月16日(水)

死人の声をきくがよい 3 



著者:ひよどり祥子
発売日: 2013/12/20

評価〔B+〕 多種多様なホラーです。
キーワード:ホラー、霊感、

「・・・・・・手伝ってくれる? いつも悪いね」(本文より抜粋)


ここが地獄だ!!編。前の巻同様、副題がインパクトあります。

一話完結のホラーに慣れてきて、そろそろ飽きてしまわないか少々心配だったのですが、そんなことはなく面白かったです。あの祭りの掛け声(?)のようなコミカルなところもありますし、はっきりと原因が分からないまま進むサスペンス風の話もあり、手を変え品を変え読者を楽しませてくれます。

早川さんの身振り手振りも感情豊かになってきたような気がします。幽霊らしくない動きに笑ってしまいます。違和感なく受け入れている岸田君もすごい。次回も面白いホラーを期待しています。



[ 2016/03/16 21:49 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年03月16日(水)

反省させると犯罪者になります  



著者:岡本 茂樹
発売日: 2013/5/17

評価〔A〕 自発的に省みるのが大切です。
キーワード:反省、反省文、問題行動、犯罪、しつけ、刑務所、

反省文は、ある意味、「お手軽」な方法であるとともに、「りっぱな反省文」を読めば誰でも納得するからです。しかし、それでは問題を悪い形で先送りさせているだけです。(第2章より抜粋)


悪いことをしたら反省するのは当たり前、それが犯罪ならただちに反省すべき、そう思っている方は多いと思います。そんな常識的ともいえる考えに一石を投じたのが本書です。刑務所で受刑者の更生支援を行っている著者が、反省文の効果を考察し、新しい厚生の方法を提示します。

受刑者との面接や自身の失敗談から、問題が起きた直後に反省だけさせるのは良くないと力説しています。形だけの反省は確かに意味がありません。反省文が上手に書けていればしっかり反省しているとみなすのは、問題があります。反省していなくても文才がある人は上手く書けますし、反省していても表現力や語彙力がない人は反省していないと見える可能性があります。反省文やその場の態度のみで良しとせず、何が根本的な原因となっているのか明らかにしていくことが重要だと説いています。

まず厚生の第一歩として、加害者の言い分を聞くとあります。否定的感情をあらわにすることで問題点が浮かんできて、本当の意味での反省へ繋がるとも書かれていて、実践するのは難しそうですが納得できるやり方です。学校や厚生施設でも取り入れてほしい手法ですね。

子供の厳し過ぎるしつけは、反省文と同じように害になると説いています。我慢や自立を強く求めすぎず、子供は子どもらしさを大切にする、人とつながることの重要とあります。孤立が問題行動の原因になっていることが多いようなので、こうしたことも上記のこと同様、親である人々には知っておいてもらいたいことだと感じました。



[ 2016/03/16 21:46 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2016年03月08日(火)

最後のレストラン 4 (再読) 



著者:藤栄道彦
発売日: 2013/11/9

評価〔B+〕 質が変わらず面白いで安心して読めます。
キーワード:料理、偉人、歴史、グルメ、

「この矛盾を解決する料理が、君にできるかね?」(本文より抜粋)


現代にとどまる有名人や、園場のライバルとなりそうな人物の登場で、どんどん賑やかになっていきます。

某スポーツ選手は名前だけ知っていてあまり良く知らなかったので、興味深く読みました。注文された料理に対する園場の答えは、その人物の人生と最期もあってか、なかなか深くて、かつ前向きになれるようなものだったと思います。他の偉人のように国や世界を変えた人ではありませんけど、良いお話でした。園場は怠け者で悲観的な性格ですが、料理に関しては腕も良くて、きちんとお客さんと向き合っているのが良いです。

どこぞの書評でも同じことを言っている方がいましたが、ジャンヌの「イングランド野郎――」発言に笑ってしまいました。ときどき彼女の根底が表に表れてくるのが面白いです。

絵や人物のパロディも相変わらずです。特に説明もありませんし、このあたりは分かる人にだけ分かれば良いってことですかね。




[ 2016/03/08 22:12 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年03月08日(火)

人は、誰もが「多重人格」 誰も語らなかった「才能開花の技法」 



著者:田坂 広志
発売日: 2015/5/19

評価〔C〕 知らなかったらB以上です。
キーワード:人格、才能、自己啓発、人間関係、

誤解を恐れずに言えば、「ある人格を演じる」ということと、「ある人格を育てる」ということは、同じことなのです。(第三話より抜粋)


人は自分の中に多重人格のように幾つもの人格を持っていて、適切に切り替えることができるなら、色々な才能が開花していくというのが主旨です。人格の切り替えを上手に行うための、「多重人格のマネジメント」を紹介しています。人は誰しも多重人格になる可能性があるのではなく、あたかも多重人格者のように振る舞うという意味です。

相手や状況によって、人格を変えるように言い方や考え方を変えるのは、確かに有効だと思います。適切な態度を表に、つまり相手に分かるよう示すことで、円滑に物事が進むこともあるでしょう。この切り替えは無意識的にも行われていますが、意識的に行うとより効果的なのではと感じています。さらに、幾つもの人格を育てて、現時点以上の才能を開花させるという意見も理解できます。

概ね肯定的なのですが、実は過去に同じような内容の本を読んだことがあり、ほとんど再確認に終わってしまったのが残念です。しかも、既読の本でもモードという言葉を使っていたと思うので、印象は良くありません。終盤のエゴに対する対策も、別の本で同じことを主張しているのを見ましたしね。

また、多様な人格・豊かな人間像を育てるために映画が勧められていますが、素直に賛成できません。映画は時間が短いので、本に比べると少し物足りなかったり駆け足になってしまうことが多いからです。純文学ではない娯楽本でも演劇でも奉仕活動でもいいから何か自分に合う方法を探して、人生経験の幅を広げていけば良いのではないでしょうか。

個人的に不満な点を挙げましたが、主旨は良い本です。対話形式でかなり読みやすく分かりやすいですので、この考え方を知らない方には読んで損はないと感じました。




[ 2016/03/08 22:08 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2016年03月02日(水)

アラクニド 14 (完) 



著者:村田 真哉、いふじ シンセン
発売日: 2016/2/22

評価〔B+〕 ダラダラ続くよりは良いと思います。
キーワード:殺し屋、昆虫、現代、バトル

「教えてやろう。「ボス」の正体は・・・」(本文より抜粋)


13巻の感想で『次の巻が最終巻でもおかしくない』と書いたら、本当に14巻で終わりとなってしまいました。最終巻です。強い敵が次から次へと登場し、もうアリスに対抗できるような敵がいなくなってしまったのでは?と感じていたので、ダラダラ続けるよりは潔くて良かったのかもしれません。

最後ということで、存在するのかしないのか不明のボスの正体も明かされ、組織の成り立ちやボスの目的なども語られています。バトルは少なめで物足りないと思う方もいると思いますが、意外性もあり、なんかこう味のある幕引きで良かったと思います。

昆虫の生態・能力と戦闘を合わせた、分かりやすく読みやすい漫画でした。筋書きは単調に感じましたが、昆虫の解説は面白く、個性ある蟲たちも結構好きでした。シリーズ全体としてはB+くらいかな。次の漫画も期待しています。



ボスについてちょっとだけネタばれ話↓

[ 2016/03/02 18:53 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年03月02日(水)

黄昏乙女×アムネジア 10 (完) 



著者:めいびい
発売日: 2013/11/22

評価〔B+〕 良い感じの終わり方でした。
キーワード:オカルト、幽霊、ホラー、コミカル、学園

「・・・・・・だって、寂しいじゃないですか」(本文より抜粋)


最終巻です。夕子はどうなったのか、その結末とは。

謎も消えて盛り上がる要素はないんじゃないのかなーと思っていたのですが、予想以上に上手くまとまって終わりました。静かに終わっていくのかななどと漠然と思っていただけに、この結末は良かったです。後半のエピローグも、怪異調査部の面々の元気な、霧江にいたっては元気過ぎる姿が見られて楽しませてもらいました。エピローグ1の最後のページの彼女の表情が秀逸。

おまけのページに書いてありましたが、この漫画の企画案ではヒロインの魅力が第一で、ホラーはあくまでサブだったようです。事実、本編もそうなっています。しかし、僕は基本的にホラーでラブコメの要素もある漫画とずっと誤解、もしくは期待していました。どうりで二人のイチャついているシーンが多いはずですよ。まあ、それでも、ホラーの部分もきちんと決着をつけてくれたので安心しました。需要と供給の齟齬?があったので、シリーズ全体の評価はB-~C+くらいかな。

絵が綺麗で、漫画の見せ方も手馴れているので、今度は恋ラブコメはなく違うタイプの漫画を見てみたいですね。



[ 2016/03/02 18:51 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年03月02日(水)

2016年2月の読書メモ 

他人をほめる人、けなす人 (草思社文庫)〔C〕
傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学〔A〕
神を見た犬 (光文社古典新訳文庫)〔B+〕
最後のレストラン 3 (再読)〔A〕
黄昏乙女×アムネジア 8〔B-〕

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか (角川文庫)〔S-〕
黄昏乙女×アムネジア 9〔B〕


以上、7冊でした。段々忙しくなってきたので、2月は少なめでした。

1月と同じくらい評価がばらつきましたね。S-からCまであります。評価S-の「ヒューマン」は、時間と手間と資金を惜しみなく費やして作られた贅沢なドキュメンタリー、ノンフィクションだと思います。感想にも書きましたが、NHKの取材したものをまとめた本は質が高く興味深いです。

来月は漫画が多くなりそうな予感。



[ 2016/03/02 18:49 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)