2016年02月26日(金)

黄昏乙女×アムネジア 9 



著者:めいびい
発売日: 2013/6/22

評価〔B〕 ついに謎が・・・・・・。
キーワード:オカルト、幽霊、ホラー、コミカル、学園

「わたしたち、庚の血筋がなすべきことは―――」(本文より抜粋)


過去編の続きです。夕子と紫子の二人に何が起きたのか、どのような経緯で現在に至ったかが明らかになります。

閉鎖的な環境と人命がかかった話ですので、重苦しい雰囲気で物語は進みます。黒を多用した、恐ろしげな描写がグッド。村の噂、神社、そして祟り。いかにもホラーな感じがします。若い姉妹と言い伝え。ホラーゲームの零シリーズを思い出しました。

幽霊になった理由は、予想していたものとは少し違いましたが、かと言ってあっと驚くものでもありませんでした。登場人物たちの現在を見れば、ある程度予想はつきますしね。

謎が解明した今、残されたのは夕子と貞一の結末です。あれで終わってしまうのか、それとも・・・・・・。次の10巻で終わりですので、綺麗に終わることを望んでいます。

後ろに特別編が収録されています。主役二人のほのぼのとしたやり取りが好みの方は、いつもの二人も見れますのでご安心を。



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[ 2016/02/26 22:15 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年02月26日(金)

ヒューマン なぜヒトは人間になれたのか (角川文庫) 



著者:NHKスペシャル取材班
発売日: 2014/3/25

評価〔S-〕 内面から人の歴史を振り返ります。
キーワード:人類、心、進化、テレビ番組、

『全宇宙の生命を脅かすモノ―― 災いの渦』(本文より抜粋)


人類の進化を生物学や遺伝子学から紹介した書籍は珍しくありません。しかし、本書では従来とは違った角度から、ヒトの内面である心を軸として人類の起源と歩みの解明に挑みます。第10回パピルス賞を受賞。

時間をかけ丹念に調べ、多くの専門家にインタビューをし、新しい説を紹介している非常に読み応えのある本となっています。人類と言えば「二足歩行・道具・言語」が特徴ですが、それ以外でヒトと猿の違いとは何なのかを探っていくのが面白いです。実験や原始的な民族の研究から、普段私たちが何げなく行っていることが、実は他の生物と決定的に違うことを教えてくれます。ヒトがどのようにして血縁関係を超えた集団を形成したのか、わりに合わない農耕生活はなぜ始まったのか、都市の出現とある発明の関係性、平等の心と欲望の心。DNAが、海馬が、なんて話が苦手な人でも興味深く読むことができます。

また、太古と現在では意味が違かったかもしれない物・概念も興味深いです。例えば、おしゃれ。考古学の見地から導かれた自己顕示欲、贅沢品以外の意味は、理にかなっていて唸ってしまいます。それと宗教も意外でした。単に神秘的なものを敬うだけでなく、他にも重要な意義があったとする説はかなり説得力があります。

人間の歴史は戦争の歴史、なんて言いますが、本書を読むと、予想していたよりもヒトは昔から協調性がある生き物だったみたいで少々驚きました。でも、だからこそ、過酷な自然を生き抜いて繁栄できたのでしょう。

話があちこちに飛んだり、本筋が分かりにくいところもありましたが、全体をとおして見ると確かに心について語っています。この環境ではこうした心境だったのだろう、あのような状況ではあのような気持ちかも、と当時の人々の内面を想像しやすいのが良いですね。心という面では、数万年前からほとんど変わっていないと思っています。

著者名から分かるように、NHKの番組を書籍化したものです。それにしても、「人間はどこから来たのか、どこへ行くのか」といい「女と男」といい、NHKの書籍は内容の濃くて興味深い本が多いと感じました。今後も質の高い面白い本を期待しています。



[ 2016/02/26 22:10 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2016年02月18日(木)

黄昏乙女×アムネジア 8 



著者:めいびい
発売日: 2012/11/22

評価〔B-〕 ようやく本筋がクライマックスです。
キーワード:オカルト、幽霊、ホラー、コミカル、学園

「行こう。旧校舎に。」(本文より抜粋)


七不思議も残すは1つ。貞一の、そして夕子の決断はいかに。

8巻にして、ようやく本筋である夕子の過去が語られます。いやー、ここに来るまで長かった。夕子と貞一のほのぼのとした話も良いですが、それよりも記憶の謎のほうが気になっていましたので、ようやく本題に入ってくれて良かったです。まだ全てが明かされた訳ではありませんが、だんだん見えてきました。次の巻で全貌が明らかになりそう。

過去の夕子が、今の夕子と違って凛とした雰囲気で少々驚きました。妹を思う姉としての彼女は新鮮です。妹さんは夕子にあまりにていないかも・・・・・・霧江のほうが似ているかもね。

前回(7巻)を読んだのはいつだったか調べてみたら、なんと約2年前でした。ここからは止まらず最終巻まで読みます。



[ 2016/02/18 21:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年02月18日(木)

最後のレストラン 3 (再読) 



著者:藤栄道彦
発売日: 2013/3/9

評価〔A〕 ためになって面白い。
キーワード:料理、偉人、歴史、グルメ、

「私には、あなたが本当の贅沢をご存知のようには見えませんの」(本文より抜粋)


料理と歴史の漫画というよりは、歴史と偉人を見せるために料理を使っている、そんな漫画です。

この巻では贅沢がテーマの回があります。この回はちょっと違った方法で偉人を納得させるのですが、その時のジャンヌの台詞に驚き強く心を揺さぶられました。こうした考え方を彼女が語ったからこそ、本当にそう信じていそうで説得力がありました。良い台詞と人選です。このシリーズを自分で集めようと決めたのも、ここを始めて読んだ時でした。

こうした少し教訓めいた価値観や人生論は、重過ぎても疲れます。しかし、本シリーズは軽く、でも偉人との会話なのでそれなりに深みのある言葉となっています。人によっては鼻につくかもしれませんが、結構気に入っています。

偉人以外の新しい人物も登場し、今後も増々面白くなりそうです。



[ 2016/02/18 21:17 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年02月10日(水)

神を見た犬 (光文社古典新訳文庫) 



著者:ディーノ ブッツァーティ (著), 関口 英子 (翻訳)
発売日: 2007/4/12

評価〔B+〕 宗教色が強いものもありますが面白いです。
キーワード:イタリア文学、短編集、

入院患者はカースト制度のように、画然とした七つのグレードに分けられていた。(「七階」より抜粋)


幻想文学の鬼才と称されたイタリアのブッツァーティの短編集です。

著者の文章力か翻訳者の能力か分かりませんが、翻訳本に見られる文章の硬さ、違和感がなく、外国文学ではありますが読みやすかったです。一つひとつは短いですが、読み応えがありました。印象に残ったは、皮肉の利いた「秘密兵器」、人の心理を上手く描いた「1980年の教訓」「この世の終わり」、著者の考えが透けて見える「病院と言いうところ」「マジシャン」などです。「七階」は一つのルールがある病院が舞台で、こういう病院も主人公も実在しそうだ、と感心しながら読みました。戯曲化、映画化されるだけあります。なかなか怖いです。

様々な種類の短編がありますが、全体に共通する雰囲気のようなものがあります。皮肉や不安という言葉が近いかもしれませんが、もう少ししっくりくる言葉がありそうです。人生の上手くいかないところ、不条理さとでも言うのでしょうか。幻想文学と評されていますが、本書を読む限りでは、かなり現実的で普遍的なことを綴っている、というのが感想です。

もう一つの特徴として、宗教色の強い短編があることです。イタリアなので、キリスト教カトリックです。神や司祭、日本では聞きなれない聖人も登場します。ただ、盲目的な信仰ではなく、あくまで物語の一役として出ている感じなので、宗教が苦手な方でも楽しめるでしょう。



[ 2016/02/10 21:34 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2016年02月10日(水)

傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 



著者:夏井睦
発売日: 2009/6/20

評価〔A〕 新しい治療法にせまります。
キーワード:消毒、湿潤療法、創傷治療、

消毒薬による傷の消毒とは、言ってみれば「傷の熱湯消毒」と変わりないのである。(本文より抜粋)


数年前、テレビ番組で傷口をサランラップでグルグルまいている様子を見ました。なんだか痛そうだなーと思ったのを覚えています。あの傷を綺麗に洗い流してグルグル巻きの治療法――湿潤療法と、傷を消毒してはいけない理由を、著者の実体験とともに紹介しています。

傷の消毒はしなくてはいけないものではなく、むしろ消毒はしてはいけないと、従来とは逆の主張をしています。その生物学的説明、実践した結果、消毒に代わる適した治療法である湿潤療法が分かりやすく書かれていて、医学的知識がない方でも大丈夫です。例えば、傷を乾燥させても治る根拠を、口の中の傷は乾かせないけれど治りますと説いていて、説得力があります。何より痛みが軽減され、早く綺麗に治るのが良いですね。また、なんでもかんでも湿潤療法で治るわけではなく、適していないので病院に行ったほうが良い事例も記述しているのが、誠実または謙虚で好感が持てました。

医学の歴史から消毒が常識となった理由、傷が化膿する仕組み、生物の進化と細菌、今までの常識が変わるパラダイムシフトと、治療そのものだけでなく関係する周辺のことも興味深いです。生まれたばかりの新生児に皮膚常在菌を与えるため、母親に抱っこさせる育児法(カンガルーケア)があることを初めて知りました。

著者が医学の問題を解決策を探る方法として、医学より高次の生物学や化学の研究書を読んでいるそうです。従来とはまったく違う価値観は、こうした姿勢や考え方から生まれるのでしょう。感服しました。

あとがきでも、医学界に喧嘩を売りまくる本と書いてありますが、出版当初は風当たりが強かったと思います。湿潤療法で検索すると、多くのサイトで取り上げられていました。本書が出版された当時よりは、普及しているようです。湿潤療法は火傷にも効果的らしいので、もし大やけどを負ったら痛くないこの方法でお願いしたいです。火傷の消毒は相当痛いらしいので。



[ 2016/02/10 21:20 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2016年02月02日(火)

他人をほめる人、けなす人 (草思社文庫) 



著者:フランチェスコ・アルベローニ (著), 大久保昭男 (翻訳)
発売日: 2011/4/12

評価〔C〕 エッセイにしては硬い文章かな。
キーワード:エッセイ、人間関係、短編集、

こういうタイプの人びとは、自分の日常生活の出来事のなかから多くのことを学びとる。あれこれ出来事を観察し、対比し、判断し、辛抱強く関連づけることによって学びとる。(「真の教養がある人」より抜粋)


世の中には色々な人がいます。ほめない人、冒険できる人、先入観にとらわれない人。観察と洞察によって、短い文章で人の本質に迫ります。

一項目4~5ページでどの項目から読んでも大丈夫なので、読みやすいです。ただし、簡潔に書かれてはいますが、抽象的な単語や婉曲的な表現を使っているので、分かりやすくはないと思います。また、理解しやすい流れではないのが、読みづらさを感じました。例えば、題名のような人物を最初から説明するのではなく、逆のタイプの人物の考察から入ったり、全然関係ない話題が長く続く場合もあるので、何について話しているのか良く分からなくなってしまった時もありました。

良かったのは、自分の考えと同じでも反対でもなく、まったく違った見方をしていることを知ることができた点です。こういう見方は考えたことなかったなぁと思うこともありました。例えば、「困惑させる人」は単なる意地悪や気晴らしではなく、他人を利用するために行動している、というのはなるほどと思いました。なかなか合わないタイプの人を理解するための、より良い人間関係を築くための助けとなるかもしれないですね。

序盤に好ましくないタイプが固まっているのも良くなく、始めは読んでいてあまりいい気分ではありません。しかし、徐々に見習うべき人物が出てくるので、途中で読むのをやめないほうが良いです。



[ 2016/02/02 21:36 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2016年02月02日(火)

2016年1月の読書メモ 

0歳児がことばを獲得するとき〔A-〕
最後のレストラン 2 (再読)〔B+〕
くまみこ 5〔B+〕
独立国家のつくりかた〔C〕
秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集〔D〕

ナナマルサンバツ 9〔B〕
監禁探偵〔C〕
六花の勇者 6〔S〕
図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ〔B-〕
血骨の謝肉祭〔B〕


以上、10冊でした。漫画が少なくなるかもと思っていたのですが、昨年と同じような感じですね。

評価の方はだいぶ賑やかです。S、A、B、C、Dと揃ったのは初めてではないでしょうか。評価Sの「六花の勇者 6」は、ライトノベルにこんなに熱中して読んだのは久しぶりでした。ラノベも最近はあまり読んでいませんが、探せば面白い作品がもっともっとありそうです。一方、評価Dですが、これは感想にも書きましたが好みによると思います。あのような雰囲気、演出が好きな方もいますので。

来月は29日までしかありませんし、時間も今月程は余裕がないので少なくなるかもしれません。



[ 2016/02/02 21:33 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)