2016年01月27日(水)

血骨の謝肉祭 



著者:うぐいす 祥子
発売日: 2015/2/2

評価〔B〕 意外性があります。
キーワード:ホラー、短編集、

「そうだ!今から行ってみないかい? あの秘密基地へ!」(本文より抜粋)


『死人の声をきくがよい』のひよどり祥子の別名名義でのホラー短編集です。どうやら電子書籍のみ販売されているようです。

調べてみたところ、2006年から2008年と少し前の作品集なので、現在の絵柄と比べるとやや古い感じがします。ホラー少女漫画のイメージどおりです。内容はどれもありきたりと思いきや、意外な展開に少々戸惑うこともありました。これで良いのか?と思うような終わり方もあり、それはそれで良かったと思います。

上記の台詞を引用した「ふたりの秘密基地」が面白かったです。裏の裏をかくような感じが好きです。「這い寄る足」も描写は気持ち悪いのですが、結末が予想外で良かったです。

どうしても比べてしまうのですが、全体的には『死人の声』のほうが質が上のように感じました。あ、でも、気味の悪さでは本書のほうが上かも。本書を読んだ後に『死人の声』を読んだら、感想もまた違っていたかもしれませんね。




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[ 2016/01/27 21:33 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年01月27日(水)

図解 ギリシア神話 歴史がおもしろいシリーズ 



著者:松村 一男
発売日: 2011/1/10

評価〔B-〕 聞いたことのある神々が多く登場します。
キーワード:神話、ギリシア、伝承、宗教、

神々は、自らの掟と階級を持つ社会を作り上げ、最高位には偉大な12の男女の神々がいました。(第3章より抜粋)


外国の神話を聞いて連想するのは、おそらくギリシア神話をあげる人が多いのではないでしょうか。ゼウスやアテナなど名前くらいは知っていましたが、どのような逸話があるのかまでは詳しく知らなかったので、ちょっと興味を持ち読んでみました。

アポロン、ヘルメスと多少は知っている神々はもちろんですが、パンドラ、ヘラクレス、ピュグマリオン、エコーなどもギリシア神話の登場人物とは知りませんでした。トロイアの木馬まで含まれているとは驚きです。それと、ゼウスはずっと創造主だと思っていたのですが、読み始めてすぐに勘違いしていたことに気がつきました。全知全能とかどこかで聞いたことがあったので、てっきりそうだとばかり・・・・・・。世界はカオスと呼ばれる混沌から始まったとされています。有名なオリュンポス12神が出てくるのは、少し後です。

神々は色恋沙汰が多いですね。一目惚れしたり、嫉妬に狂ったりと人間味にあふれています。特にゼウスは女性が好きで、次から次へと表現して良いほど遊んでいます。もっと堅苦しい神だと思っていただけに意外でした。

全体的に大まかな流れが分かるように、説明は簡略化されています。興味を持ったら詳細は他の本で、というスタイルなのでしょう。概要をざっくりつかむには分かりやすくて良いと感じました。



[ 2016/01/27 21:15 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2016年01月24日(日)

六花の勇者 6 



著者:山形 石雄
発売日: 2015/7/24

評価〔S〕 挨拶と愛が好きなあの方が大活躍。
キーワード:ファンタジー、ミステリー、

「・・・・・・そうだ。愛は必ず奇跡を起こすんだ」(本文より抜粋)


テグネウの計画、黒の徒花編も、ついにクライマックスを迎えます。

4巻5巻の終盤で徐々に明かされていったテグネウの謀略。ようやく本書で全貌が明らかになります。展開が遅いかなとか、なんか都合のいい設定だなあと思うことも少々ありましたが、それらが気にならないほど盛り上がり面白かったです。テグネウの陰謀、六花の勇者たちの策と奮戦、そして繋がる一本の糸・・・・・・。Amazonの書評でも書いていた方がいますが、ここで終わってしまっても良いかも、と思ってしまうくらい秀逸でした。目立ったのはテグネウの知能と用意周到さです。5巻の終わりでもすごいと思いましたが、それをさらに上回った印象を受けました。

今まで各巻で登場人物たちの過去や内面が詳しく紹介されてきましたが、この6巻ではなんとテグネウにスポットライトが当たります。どのような出来事を経て現在のような凶魔となったのか。単に人間には理解できない敵とせず、性格や信条を丹念に解説しています。物語の途中で撤退するかどうか迷う場面があるのですが、過去を読んだ後だと、あの決断は説得力があって良かったです。

大きな区切りがつき、エピローグで新たな動きを見せ始めました。次はどのような物語が待っているのか。非常に楽しみです。



ネタばれ話はつづきにて↓
[ 2016/01/24 20:06 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2016年01月20日(水)

監禁探偵 



著者:我孫子 武丸 (著), 西崎 泰正 (イラスト)
発売日: 2011/1/29

評価〔C〕 映画の方が良かったし好みです。
キーワード:監禁、推理、殺人事件、

「ねぇ、もっと詳しく話してみなさいよ。もしかして犯人の手がかりあったかもしれないよ」(本文より抜粋)


監禁された若い女性・アカネが、自分を監禁した男・亮太から話を聞いて真相解明に挑みます。推理のジャンルとしては、安楽椅子ものっていうんでしたっけ? この感想書くために調べるまで、原作は小説だと勘違いしていました。本書がオリジナルで、2013年に映画化されています。映画は鑑賞済み。

探偵が部下を使って情報を集め推理するのがよくあるパターンですが、立場の弱いアカネが監禁した亮太を動かしていくのが新鮮で面白いです。絵柄も暴力的な場面では怖く、女性を可愛く見せるシーンでは色っぽく描いていて、作品に合っていると感じました。

しかし、映画と比較するとだいぶ落ちると思います。まったく同じではなく、少しずつ違います。アカネを監禁する理由、犯人の動機、事件の背景および真相・・・・・・。監禁して推理するのは同じでも、映画の方が複雑で、説得力があり、面白いと思います。特に、亮太は映画版のほうが好感が持てて良かったです。漫画は1冊に収めるために、複雑な部分はそぎ落として分かりやすくしたため、面白さも減ってしまったのかもしれません。

漫画を読んで映画が気になった方は、映画も試しに見てみてください。



[ 2016/01/20 20:07 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年01月20日(水)

ナナマルサンバツ 9 



著者:杉基 イクラ
発売日: 2014/12/26

評価〔B〕 大きな大会へ向けて。
キーワード:クイズ研究会、学園、部活、早押し

「SQ全国のでっかい舞台で、派手に戦おうや!」(本文より抜粋)


高校生の競技クイズの大会、SQに向けて、各学校の準備が整いつつあります。

今まで少ししか出番がなく、クイズが強いらしいとしか情報がなかった天満兄弟ですが、今回彼らのクイズの実力が明かされます。実力もそうですが、彼らの特徴が凄いです。実際にいるクイズに強い人も、あれができるのでしょうか。だとしたら、とても素人が太刀打ちできるレベルではありません。なんかもうプロフェッショナルです。お金は稼いでいないけど。

文蔵高校以外の高校、例会で競い合った高校もぞくぞくと出場チームを決め、熱を帯びはじめてきました。例会でも存在感を見せつけた宮浦が熱いです。

全体的に9巻以降への準備といった感じでした。合宿自体が次への練習だからしかたないですが、その分SQは盛り上がってくれることでしょう。

巻末のペーパークイズは50問中18問正解でした。あー、難易度はそれほどでもなさそうですが、詳しくない分野なので分からない問題ばかりでした。読者の平均点ってどのくらいなんだろう?




[ 2016/01/20 20:05 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年01月14日(木)

秘書綺譚―ブラックウッド幻想怪奇傑作集 (光文社古典新訳文庫) 



著者:アルジャーノン ブラックウッド (著), Algernon Henry Blackwood (原著), 南條 竹則 (翻訳)
発売日: 2012/1/12

評価〔D〕 こうしたジャンルは好きなんですが。
キーワード:ホラー、ファンタジー、怪奇、オカルト、短編集

そう言ったのは隣の部屋の男で、ノックの音は、じつはショートハウスの部屋ではなく、空部屋だと思っていた隣室のドアを叩く音だったのだ。(「壁に耳あり」より抜粋)


幻想怪奇傑作集の文字にひかれて読んでみた一冊です。怪奇からイメージするのは不気味や恐怖だったのですが、辞書で調べてみると意味は『説明のできないふしぎなこと』でした。オカルト、超常現象のほうがよく耳にする言葉かもしれませんね。

怪奇の名のとおり、幽霊の話や不思議な能力を持つ人の物語など不可思議な出来事を扱ったものばかりです。そして全体の雰囲気はホラー小説に近いと思います。すぐに話を進めず、ジリジリと読者の恐怖心を煽っているかのような文章です。それに加えて、異様な現象にスポットを当てた話なんかもあり、種類も豊富でした。

しかし、原文か訳文かどちらか分かりませんが、どうも焦らすような描写が合いませんでした。映画で言うならすぐに驚かさず焦らしている場面も、恐怖や好奇心よりもじれったい気持ちが大きくなって、度々読む意欲が失われました。また、結末も意外なものというよりは、余韻を残すような雰囲気重視のものが多く、物足りなく感じたのも確かです。

でも、こうした文体が合うかどうかは好みの問題なので、気に入る人もいると思います。テンポが良ければ感想も違ったものになっていたかも。




[ 2016/01/14 21:07 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2016年01月07日(木)

独立国家のつくりかた 



著者:坂口 恭平
発売日: 2012/5/18

評価〔C〕 魅力的な面もありますが・・・・・・。
キーワード:社会、人生観、生き方、レイヤー、

それは「変える」というよりも「拡げる方法論である。生き方は無数にあるということを気付く技術。(プロローグより抜粋)


土地は本来誰のものでもないのになぜ家賃を払わなければならないのか?など、根本的な疑問、文中の言葉で表現するなら『子どもの質問』を真剣に考え、行動し解決していく著者の姿・生き方が紹介されています。ちなみに題名の独立国家は、領土や国民のいる国家ではなく有志連合みたいな集団を指します。僕はNGOやNPOを連想しました。

視点を変え常識的なものを疑い、解決のため試しにやってみる。法律等の既存のシステムは壊さずに、著者はレイヤーと呼ぶ個人の世界(または価値観や視点)を多くの人と交流させることで、世の中や人生をより良くしていくのは良い発想だと感じました。他人と助け合い、自分の生きたいように自由に振る舞ってもなんとか生きていけるとも説いています。

しかし、著者のように欲の極端に少ない人なら可能性はありますが、大部分の人には難しいと思います。見栄や欲の強い人、競争や順列によって人生をはかる人もいます。それに加えて、著者は文明の発達に興味がなさそうですが、不便を受け入れられない人もでてくるでしょう。皆が好きなようにいきたら、現代の大部分は失われてしまうでしょう。著者はそれでも良いと反論しそうですけど。

また、各個人のやりたいことや得意なことなんてどうでもよく、これをするために生まれてきたと使命感を持って生きようと主張していますが、素直に賛同できません。個人の生き方の話をしていたのに、個人の自由を否定しているようでなんか受け入れられないなあ。

批判ばかりしてしまいましたが、共感した考えもありますし、一つの生き方としては魅力的だと思います。でも上に書いたように、皆が同じようにできるかと言ったら至難の業でしょう。ただ、著者にはこの生き方を貫き通してほしいです。




[ 2016/01/07 21:33 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2016年01月07日(木)

くまみこ 5 



著者:吉元 ますめ
発売日: 2015/10/23

評価〔B+〕 やはり主役はまちだったか。
キーワード:田舎、神道、現代

こんなにも口をついて言葉がでてくる・・・。やればできるんだ!(本文より抜粋)


アニメ化決定、おめでとうございます。いつから放映するかは、まだ決まっていないようですね。始まったら観る予定です。

4巻はあまり面白くなかったので心配していたのですが、再びいつものメンバーたちの日常に戻ったら、とたんに面白さが復活したので安心しました。

序盤のナツの活躍もありましたが、やはりまちが面白かったです。本書でも大事件はなかったように思えますが、それでも笑わせてくれるとはさすが主役です。災厄の巫女っぷりも会話術のなさも、光っていました。それと、名称だけで登場しないかと思われたあの集団の正体が・・・・・・かなり意外でした。でも、あれならナツが苦手なのも分かります。

この調子でゆるゆる突っ走ってもらいたいです。



[ 2016/01/07 21:05 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年01月03日(日)

最後のレストラン 2 (再読) 



著者:藤栄道彦
発売日: 2012/6/8

評価〔B+〕 重過ぎず軽すぎず。
キーワード:料理、偉人、歴史、グルメ、

「ここでマスターから食事をいただき、幸福を知ると良いでしょう」(本文より抜粋)


死の直前、偉人が現代のレストランに現れたら何を頼むのか。料理・歴史漫画の2巻です。

本人に関する逸話を紹介しつつ、料理の豆知識もうまく絡めて、明るく読みやすく描かれています。一話完結だから読みやすいですよね。読み返す時もあまり順番を気にせずよいですし。偉人達の業績はともかく、性格や気性まで厳密に描くのは難しいと思います。しかし、イメージを損なわない程度に、かつ人間味のあるように描写しているのは、やはり著者のうまさなのでしょう。真珠を持った某は確かに魅力的です。

偉人たちは人生について語るので、自然と生き方や価値観、哲学のような話になりがちです。説教くさいと感じる方もいるかもしれません。ジャンヌが園場に「本当に悪い方なのですか?」と尋ねた後の答えとか。個人的には、適度な軽さと真面目さが良いと思っています。

2巻も良い感じで時代も国も分散しているので、今後も偏りなく偉人を登場させて楽しませてほしいです。



[ 2016/01/03 21:19 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2016年01月03日(日)

0歳児がことばを獲得するとき―行動学からのアプローチ 



著者:正高 信男
発売日: 1993/06

評価〔A-〕 行動学って観察が大変そうです。
キーワード:新生児、ことば、声がわり、クーイング、母親語、

赤ちゃんは高さのより高い音によって、より強く注意を喚起されるのだと考えられる。これはヒトの乳児に、生まれながらに備わっている感覚器官としての聴覚の性質であるらしい。(第五章より抜粋)


生まれたばかりの新生児がどのようにして言葉を習得していくのかを、行動学の視点から研究・考察した本です。外国語を習得する過程などは研究成果がある程度でているようですが、言葉を知らない赤ちゃんがいかにして言葉を理解していくのか、その初期段階に注目した珍しい新書だと感じました。

周囲の大人やテレビの音などを真似しているうちに喋れるようになる、とボンヤリ思っていたのですが、実は様々な段階を経て成長しているのが分かります。授乳のタイミングやおうむ返しなども目を引きますが、特に印象に残ったのは文脈のメロディーについてです。話している内容よりも、相手が何を伝えたいのか感情表現を重要視して意思疎通をしているのが興味深いです。外国人と話していてまったく理解できなくても、困っているか感謝しているかくらいは分かるのと似ていると思いました。内容よりも伝える意欲や意思が大切です。

また、新生児ののどの形態を声がわりと結び付け、行動学だけでなく生物学・解剖学の見地からも考察をしていて面白いです。声を出しながら物を食べることができる動物がいることは知っていましたが、新生児もそれに似たのどを持つとは驚きです。それと、言語獲得の過程が日本人・日本語だけの特性かどうか確認するために、外国の研究者と共同実験をしているのも良いですね。

あくまで0歳児の話なので、言葉をきちんと理解し発音するところまではたどり着きませんけど、初期段階の学習の仕方が分かってきただけでも凄いと思います。相手に質問できず回答も得られないのに、ここまで分かったのですから。結構かたい内容ですが、親になる大人には役立つかもしれません。




[ 2016/01/03 21:00 ] 言語 | TB(0) | CM(0)

2016年01月01日(金)

2015年12月の読書メモ 

あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

先ほど数えたのですが、どうやら9年目に突入したようです。いつの間にやら、と時の流れを実感しています。12月まとめは今年も年が明けてからにしました。

ふしぎの国のバード 1〔B+〕
日本人のしつけは衰退したか〔A-〕
詭弁論理学〔B+〕
アイであそぶ〔A-〕
ギリギリアウト 1〔B+〕

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫)〔D〕
カーニヴァル化する社会〔D〕
ギリギリアウト 2〔B+〕
最後のレストラン 1 (再読)〔B+〕
目の見えない人は世界をどう見ているのか〔A〕

六花の勇者 5〔A-〕


以上、11冊でした。漫画が半分ですが、それ以外は新書、小説、ライトノベルとバランス良く読んでいたようです。時間に少し余裕があったのでもう少し読めるかなと思っていたのですが、月末になって急に慌ただしくなって、結局いつもと変わらない数に落ち着きました。

AありDありと結構差のある結果となりました。ただし、Dは感想にも書きましたが良い点ももちろんあって、まぁ質よりは好みの問題なのかもしれません。褒めている方もいたと記憶していますので。



[ 2016/01/01 20:42 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)