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2015年12月21日(月)

カーニヴァル化する社会 



著者:鈴木 謙介 (著)
発売日: 2005/5/19

評価〔D〕 まだまだ一つにまとまっていない感じでした。
キーワード:社会、夢、祭り、現代、

私たちの生きる社会は、上述してきたような「祭り」を駆動原理にし始めているのではないか、と私は考えている。(はじめにより抜粋)


現代の社会構造や社会問題を、祭り、すなわちカーニヴァルを軸として読み解こうとする社会論です。カーニヴァルとは地域の特定の祭りではなく、一種の躁状態のことを指すらしく、それが現代社会人に深く影響を及ぼしていると指摘しています。

あちこちに話が飛ぶので、議題の中心が何なのか分かりづらかったです。若者の労働、監視カメラによる監視社会、携帯電話によるコミュニケーションを例を挙げていますが、全体として見ると上手く繋がっていなく、強引に結びつけた感じです。

残念なのは、専門家では常識であろう人物や用語を、あまり説明せずさらりと使っている点です。言葉を正しく使おうとすると、専門用語が多くなるのは分かりますが、新書なので分かりやすさを重視して欲しかったです。特に重要な「再帰」は、始めは分かったつもりでしたが、考察が進むにつれ理解しづらく変化していきました。これは僕の読解力不足かもしれませんね。結論や重要な部分は言葉を変えて説明するなど、努力しているのは感じました。

全体として見るとよく分からなかったというのが正直な感想ですが、個々の内容はなるほどと思う箇所もあります。若者の労働に対する心理状態や、監視カメラは監視する者が監視されている再帰的な状態になっていることは興味深いです。

おそらく著者独自の新しい概念・考え方だと思うので、まだ発表するにはやや早い段階だったのではないでしょうか。さらに研究を重ねて一つの結論に達したら、その時改めて新書で世に広めてもらいたいです。




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[ 2015/12/21 22:02 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2015年12月21日(月)

独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫) 



著者:平山 夢明 (著)
発売日: 2009/1/8

評価〔D〕 読後感が良くないです。
キーワード:ホラー、短編集、文庫化、

私は小は道路地形から大は島の位置まで網羅した単なる地図なのでございます。(本文より抜粋)


面白い推理小説を求めて買ってみたら、そうではなくSF要素のあるホラー小説短編集だったのが本書です。「このミステリーがすごい!」2007年版で第1位。表題作が日本推理作家協会賞を受賞しています。

なんと表現したらいいのか、不快や嫌悪を感じる物語が多かったです。単に怖いだけならばよいのですが、読んでいて辛くなるような展開や救いがなさそうな結末はいただけません。こうした残忍なものにもう少し耐性があるかと思っていましたが、そうでもなかったようです。気味の悪さ、やるさなさ、不快などがごちゃまぜになって読後感が良くないのも、印象が悪い原因の一つだと思います。

しかし、アイディアは豊富で迫力があります。「Ωの聖餐」や「オペラントの肖像」はSF小説に近く興味深かったです。グロテスクな表現を省けばまさにSFといった内容。また、評価の高い「独白するユニバーサル横メルカトル」は、地図が一人称で喋る独特の物語ですが、展開や結末はそれほど良くはなかったかな。

だいぶ人を選ぶ本です。Amazonの書評で『怖いもの見たさ』と書いている方がいましたが、結局最後まで読んだのは、そういうことなのかもしれませんね。



[ 2015/12/21 21:25 ] 小説 | TB(0) | CM(0)