2015年04月29日(水)

Fランクの暴君 1 ―堕ちた天才の凱旋― 

Fランクの暴君 (1) ―堕ちた天才の凱旋― (電撃文庫)Fランクの暴君 (1) ―堕ちた天才の凱旋― (電撃文庫)
著者:御影 瑛路
出版社:アスキー・メディアワークス
出版日:2013/04/10

評価〔B〕 能力が可視化された知恵比べ
キーワード:学園、現代、知恵比べ

神楽坂エリカは孤高のライオンであり。藤白カンナが目指すのもまた、孤高のライオンだ。そして、ライオンは二匹もいらない。(本文より抜粋)


厳しい階級制度で管理された高校で、最下層の生徒として入学した天才生徒が頂点を目指すお話です。同じ著者の「空ろの箱と零のマリア」シリーズが好きだったので、新しい作品も読んでみたいと思い手に取りました。

主人公の藤白カンナが正義感溢れる好青年ではなく、周囲の人間を巧みに操り自分のランクを上げようと色々と企てるなかなか悪い人物なのが大きな特徴です。性格悪く外面は良い彼が学園のトップと言ってもいい人物を相手に下剋上を試みますが、学園の階級制度が大きな障害となります。立場が上の者から下の者へはある程度命令できるとか、ランクを上げることができるレイティングバトルは上のものが選べるとか、制約が多い中彼がどう動くかが見所です。各生徒の能力が頭脳Dや体力Cと評価され、誰でも知ることができるのがRPGのようで面白いです。

レイティングバトルは盛り上がりましたし、結末もはっきりしていて良かったと思いますが、「零のマリア」と比べると落ちるかな? いえ、あちらとは方向性が違うのは分かっていますが。ストーリーが二転三転するところは良かったのですが、人物がより印象に残るような、例えばエリカが圧倒的な能力を見せつけるようなシーンがもっとあっても良かったんじゃないのかな。

1巻だけでもきちんと終わりますが、続き物です。次も読むつもりです。


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[ 2015/04/29 21:33 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2015年04月22日(水)

Q.E.D.証明終了 38 

Q.E.D.証明終了(38) (講談社コミックス月刊マガジン)Q.E.D.証明終了(38) (講談社コミックス月刊マガジン)
著者:加藤 元浩
出版社:講談社
出版日:2011/02/17

評価〔A-〕 天元術という言葉が格好良い。
キーワード:推理、謎解き

「これ、ひょっとして・・・・・・“算額”じゃないかな」(本文より抜粋)


映画プロディーサー宅で起きた事件を追う「虚夢」と、ある神社に残された古いお堂の秘密に迫る「十七」の中編2つです。前者はよくあるパターンの話でしたが、トリックが意外でした。分かっていてもなかなか実行できないトリックではないでしょうか。

印象に残ったのは後半の「十七」です。テーマは昔の日本の数学である和算と、その問題や解答を神社に奉納する算額です。そう言えば少し前にテレビで紹介されていました。数学を絡めた話はこれまでいくつかありましたが、それらに勝るとも劣らぬ出来だと思います。謎解きよりも物語性を重視しているので、推理を楽しみにしている方には物足りないかもしれませんが、夢のある秀逸な中編でした。こういう人物がいたかもしれないと思うとワクワクします。




[ 2015/04/22 21:10 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2015年04月22日(水)

魚舟・獣舟 

魚舟・獣舟 (光文社文庫)魚舟・獣舟 (光文社文庫)
著者:上田 早夕里
出版社:光文社
出版日:2009/01/08

評価〔B-〕 硬すぎずラノベっぽくもなく
キーワード:SF、短編集、

茸に寄生されて死ぬと幽霊になる。お祓いも効かず、成仏できないまま、死んだ場所にしばりつけられるそうだ――。そんな噂が急速に広がっていった。(くさびらの道より抜粋)


久しぶりにSFを読みました。表題作をはじめとする5つの短編とひとつの中編からなる短編集です。

想像もつかないような遠い未来の話はなかったと思います。今より少しだけ科学が進んだ社会で、悩みを抱える主人公が生きていくといった話が多いかな。どの話もどこか物悲しい雰囲気に覆われているのが特徴でしょうか。悲惨とか過酷とかではなく、やりきれなさみたいなものがあるからかな。

解説では冒頭の短編「魚船・獣舟」が高く評価されていますが、個人的には絶賛するほどではなかったかなあ。中編の「小鳥の墓」は、著者のデビュー作「火星ダーク・バラード」の前日譚だそうです。終盤近くまでは良かったのですが、結末がいかにも続くって感じで終わるのでもやもやします。外伝だと知っていたなら先に本編を読んでいたのに。

しかし、寄生茸の恐ろしさを描いた「くさびらの草」は上記の2つに比べると派手ではないけれど面白かったですし、昔の思い出でに浸る「ブルーグラス」はSFらしからぬ感傷的な物語で新鮮でした。SFは意外に幅広いジャンルなのですね。

ネットで本書を調べてみたら、概ね良い評価でした。生粋のSFファンは本書のようなSFが好きなのかな?



[ 2015/04/22 20:45 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2015年04月15日(水)

十角館の殺人 (講談社文庫) 

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)
著者:綾辻 行人
出版社:講談社
出版日:2007/10/16

評価〔B-〕 トリックは良いけれど。
キーワード:孤島、推理、

怪訝に思って、オルツィは十角館のテーブルに歩み寄った。そして、そこに並べられているものを認めるや、粋を呑んでその場に立ち尽くした。(第三章より抜粋)


面白い推理小説や衝撃を受けた推理小説なんかでネットを調べると、必ずと言っていいほど挙げられるのが本書、十角館の殺人です。1987年にノベルスとして出版されてから30年以上たちますが、週刊文春の東西ミステリーベスト100の2012版、日本編で見事8位に輝いています。人気ありますね。本書は、文庫版のさらに新装改訂版です。

孤島の館に少人数のグループが集まり殺人事件が起きる――と書くと、よくある推理小説のようですが、当時は新鮮だったのではないでしょうか。次々に起きる事件に緊張感が高まり、最後は驚愕の真相が明かされます。驚愕の部分はたしかに上手かったのですが、期待し過ぎたためか、絶賛するほどではありませんでした。また、僕の読解力が足らないせいか、序盤は誰がどのような性格か把握するのに手間取りました。個性があまり強くなかったのかも。ネットで犯人の動機が弱いという書評も見かけましたが、そう書かれるのも分かります。

トリックは良いのですが、全体的に見ると少々物足りない気もします。やはり過剰な期待が良くなかったようです。こうした有名作品は、情報なしで先入観がない状態で読むのが一番なのかも。


追記
長門有希の100冊のうちの1冊でした。

[ 2015/04/15 22:01 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2015年04月15日(水)

ナナマルサンバツ 4 

ナナマル サンバツ (4) (カドカワコミックス・エース)ナナマル サンバツ (4) (カドカワコミックス・エース)
著者:杉基 イクラ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
出版日:2012/09/01

評価〔B+〕 変則クイズも面白い。
キーワード:クイズ研究会、学園、部活、早押し

「ようこそ麻ヶ丘例会へ・・・!!」(本文より抜粋)


麻ヶ丘例会へと練習に励む文蔵クイズ研究部の新入生たち。そして強豪たちが集まる例会がはじまります。

これまで様々なタイプのクイズが登場してきましたが、この例会でも趣向を凝らした変則早押しクイズが登場します。単に知識量や反射神経だけではうまくいかないのが面白いところでもあり、難しいところでもあります。クイズの面白さの見せ方が巧みです。「角行」が格好良かった。

また、あの人の過去話や違うあの人物の活躍など、主人公以外の人物が際立つ場面があり、物語として面白くなっていると感じました。脇役も個性があって良いよね。

最後の彼のあの行動にはどのような意味があるのか。次も面白そうです。毎度お馴染み巻末の例会ペーパークイズは、50問中18問正解でした。難しい。もうクイズ得意だっていうのやめようかな。(笑)



[ 2015/04/15 21:22 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2015年04月08日(水)

日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 

日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 (光文社新書)日本人はこれから何を買うのか? 「超おひとりさま社会」の消費と行動 (光文社新書)
著者:三浦 展
出版社:光文社
出版日:2013/04/17

評価〔C〕 題名が合っているようないないような。
キーワード:世帯、将来予測、おひとりさま、統計、コミュニティー

しかし今後は、20代、30代の一人暮らし世帯は減る。代わって増えるのは45歳以上である。(本文より抜粋)


かつて一人暮らしといえば、結婚する前の若者というイメージでしたが、最近では死別または離別により一人となった世帯が増えているようです。近い将来おとずれるであろう、そうした一人暮らし世帯が主流となる「超おひとりさま社会」について、現時点でのアンケート結果から予測・考察していきます。

アンケートから年代別性別で6つの集団に分け、それぞれの傾向を具体的な数字とともに説明しています。でも、大まかな説明なので、時々結果だけで原因の考察が浅いものがあり少々もったいない、もしくは惜しかったです。数字を使って根拠を示したのはいいが、数字が多いために面白みが薄れた感じ。もう少し突っ込んだ分析をすれば、より面白く社会の動向が分かったのに。年齢性別に関係なく、同じような指向を持ち始めているのが興味深かったです。

何を買うのかについては、物よりもサービスそしてケアが必要とされていることが分かり、そのためには人と人の繋がりを重視するコミュニティーが軸となると話は展開していきます。このコミュニティーが著者が一番言いたかったことのようで、買い物よりも一人暮らしでも豊かに生きていける方法・手段が考察されています。個人的には買い物そのものを深く掘り下げてほしかったのですが、新しい社会の仕組みのほうに重点が置かれてしまって、題名とは少しずれてしまった感じです。

もともと同著者の「これからの日本のためにシェアの話をしよう」「第四の消費」「東京は郊外から消えていく!」の続編として書かれたものだから、そちらを先に読むべきだったのかもしれませんね。



[ 2015/04/08 21:22 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2015年04月08日(水)

ヒト喰イ 4 

ヒト喰イ 4 (裏少年サンデーコミックス)ヒト喰イ 4 (裏少年サンデーコミックス)
著者:太田 羊羹
出版社:小学館
出版日:2013/09/18

評価〔C〕 そして新展開。
キーワード:ホラー、サスペンス、現代、

「お前にも・・・教えてやるよ。俺の求めた・・・力の終着点・・・俺の、能力を!」(本文より抜粋)


ヒト喰イとは何なのか、そして研修医・佐々木に隠された秘密とは何なのか、に迫っていきます。

あるヒト喰イの巣がはられ山場を迎えます。これが1巻から3巻までの流れの大詰めで、ようやく一区切りついた感じでした。まあ、こうした展開は半分くらい予想はしていましたが、意外と早かったですね。あっさりと言いますかなんというか。そして、表紙の彼女。表紙を見た時「誰?」と思いましたが、後半はこの新しい登場人物を絡ませつつ、新たな謎が発生し物語は進んでいきます。

しかし、今までに比べるとどこか物足りない気がします。絵も内容も今までと同じくらいの質なのですが、圧倒的な緊張感がなくなってしまったからでしょうか、次を読みたいと思わせる力が弱い・・・・・・のかな。5巻ではまた最初の頃のようにハラハラドキドキしながら読みたいですね。



[ 2015/04/08 20:48 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2015年04月02日(木)

自称分析官ヴィルヘルムの迷推理 

自称分析官ヴィルヘルムの迷推理 (メディアワークス文庫)自称分析官ヴィルヘルムの迷推理 (メディアワークス文庫)
著者:十階堂 一系
出版社:KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
出版日:2014/06/25

評価〔B-〕 勢いが弱まっているような。
キーワード:分析、謎解き、

「知りたいことを知りたいように知るのが私の信条だからね!分析家を自称するからには当然だね!」(本文より抜粋)


面白そうなものは何でも分析したがるテルこと葵子が、仲の良いカモトキ君と一緒に身近な出来事をどんどん分析していきます。推理ではなく分析なので、きちんと正解が出るとは限らないのがポイントです。彼女は自分の面白いほうへと導くのが得意なのですから。題名からピンときた方もいらっしゃるでしょうが、電撃文庫の「赤村崎葵子の分析はデタラメ」シリーズの続編です。

一見もっともらしく聞こえる説明も、実は違う意図が隠されていることが多く面白いです。これは真実ではないなと思っていても、テルの分析を聞くと妙に納得してしまいます。このあたりは「分析はデタラメ」同様です。また、巻末に某登場人物による裏分析があります。本編で隠されていた部分がこれによって明らかにされます。裏の裏を推理しましょう。これもシリーズ共通ですね。

ただ、高校時代のトレードマークだった帽子を止めて外見が普通っぽくなったせいか、内容も「分析はデタラメ」よりも落ち着いた雰囲気です。ライトノベルっぽさが抜けて良くなったと評する方もいますが、僕は前のほうが好みです。分かりやすさと面白さは前のほうが上だと感じました。事件のインパクトが弱いと言いますか、地味でパッとしないような・・・・・・。もう少し大きな事件があっても良かったんじゃないのかなー。裏分析も唸るほどではありませんでしたし。

だんだんと勢いが弱まっているような気がしますが、このシリーズのファンなので次も期待しています。




[ 2015/04/02 21:01 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2015年04月02日(木)

2015年3月の読書メモ 

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)〔A-〕
生徒会役員共 11〔B〕
極黒のブリュンヒルデ 11〔B+〕
死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか〔B〕
ナナマルサンバツ 3〔B+〕

ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える〔C-〕
人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学〔B+〕


以上、7冊でした。先月に比べたら時間はあったのですが、忙しさから解放されてからゲームにはまったり、友人から借りた漫画を読みふけったりしていました。予定より漫画が少なめで、ライトノベルがなし。小説は一冊しか読まなかったのか。4月はライトノベルを読もうかな。

密室殺人ゲーム・マニアックスは迷ったのですがA-です。シリーズ1冊目の王手飛車取りは、再評価して良いならA-かAくらいですね。結末が好みではありませんが、印象に残る出題が複数あったので。



[ 2015/04/02 20:55 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)