2015年03月31日(火)

人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 

人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)人はなぜ集団になると怠けるのか - 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)
著者:釘原 直樹
出版社:中央公論新社
出版日:2013/10/22

評価〔B+〕 意外と研究されているようです。
キーワード:集団、社会的手抜き、怠惰、

彼は、集団サイズが大きくなればなるほど集団全体のアウトプットと個人のアウトプットの合計の差が拡大することも明らかにしている。(第1章より抜粋)


テレビドラマや漫画で「力を合わせれば1+1が2でなく、3にも4にもなる!」なんて台詞をよく見たりします。しかし、研究によると集団で行っているぶん責任感がなくなり、むしろ2よりも小さくなってしまうそうです。各々が全力を出しているにも関わらず、です。この個人の能力の低下を社会的手抜きと呼び、様々な角度から解説しています。

綱引きをはじめとする分かりやすい例からはじまり、どのような作業の時に発生しやすいのか、個人の性格、集団のサイズ、性差、文化と実に多くの項目で研究がなされていることに驚きました。もっと簡単にまとめた本かと思っていたので。ブレーンストーミングの効果の調査や、一つの作業を複数人が確認する多重チェックの落とし穴は具体的で興味深く、いろいろと応用が利きそうです。

スポーツの手抜きとしてプロ野球の敵地での勝率の悪さ、国家の手抜きとして第二次世界大戦の真珠湾攻撃を例に挙げていますが、これらは社会的手抜きと断言できるか疑問が残ります。前者であればファンの目がなくても成績のために頑張るでしょうし、後者は手抜きというより油断なのではないでしょうか。関係なくはないけれど・・・・・・といったところです。

手抜きには罰を与える考えは一見良さそうなのですが、実は効果が期待できないそうです。集団の上に立つ人は、こういうことを頭に入れ人を動かしてほしいですね。




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[ 2015/03/31 17:33 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2015年03月24日(火)

ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える 

ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える (集英社新書)ナビゲーション 「位置情報」が世界を変える (集英社新書)
著者:山本 昇
出版社:集英社
出版日:2012/08/17

評価〔C-〕 歴史が中心なのがちょっと。
キーワード:ナビゲーション、地図、科学史、

ヨーロッパの大航海時代には、船から見た南北と緯度は、天体観測と、羅針盤により計測できたが、残念ながら、航海中、経度を計測する方法はなかった。(本文より抜粋)


携帯端末が発達する前までは、地図を持って現在地を確認し、目的地までの経路を模索するのが当然でした。しかし、今では端末とGPSのおかげで、道に迷うことはかなり少なくなりました。本当に便利になりました。方向音痴なので助かります。本書ではその現在地から目的地まで効率的に人や物を運ぶこと、つまりナビゲーションがどのように発達してきたか、また今後どうなりそうなのかを紹介しています。

将来のナビゲーションについて色々と語ってくれるのかと思いきや、半分以上は過去の話でした。主に大航海時代から戦後あたりです。わくわくするような将来の新技術が知りたかったので残念でした。求めるものと内容が合っていませんでしたね。科学史として見るならば、楽しめるのではないでしょうか。また、事実が淡々と並び、専門用語も結構多く、どこか学校の授業や講義のような雰囲気で、面白みに欠けると思いました。著者が経営が専門のためか、技術そのものの説明はあっさりしています。これは主観的な問題なので、気にならないし面白いと感じる方もいると思うので参考までに。

コロンブスの時代では地球が丸いことが常識だったことや、大西洋を単独横断したリンドバーグの航法は、分かりやすく印象に残りました。こうした本筋とは少し外れても面白い話をもっと読みたかったです。歴史ももっと古い時代から紹介してくれればよかったのに。

ひとつの技術がどのように進化したかに興味がある方にはお薦めですが、その先を知りたい方にはあまりお勧めできません。




[ 2015/03/24 20:53 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2015年03月24日(火)

ナナマルサンバツ 3 

ナナマル サンバツ (3) (カドカワコミックスAエース)ナナマル サンバツ (3) (カドカワコミックスAエース)
著者:杉基 イクラ
出版社:角川書店(角川グループパブリッシング)
出版日:2012/03/02

評価〔B+〕 皆で一つのボタンを押す団体戦です。
キーワード:クイズ研究会、学園、部活、早押し

「ボタンは各自持つが、得た解答権はチーム全員のものとなる・・・要するに、誰が答えてもいい」(本文より抜粋)


競技クイズは個人戦だけではなく、もちろん団体戦もあります。この巻では、3人1組のチーム戦が行われます。

個人の早押しは問題を先読みする技術が必要でしたが、団体戦では違う技術が必要なことが分かります。得意分野の分担はもちろん、劇中の人物たちが見せたチームワークなんかが好例だと思います。個人・団体どちらにも言えることですが、競技クイズの勝敗は、個人の持っている知識量だけでは決まらないのが面白いですよね。テクニックであったり勘であったり運であったり。

それとは別の話になりますが、後半では一問一答以外のクイズも紹介しています。多くの選択肢の中から正しい答えを選ぶ「多答問題」は、早押しとはまた違った能力が試されます。こうしたクイズがあることはもちろん知っていますが、主人公のおかげか、なんか新鮮な気持ちで楽しめます。

謎の少女の正体が明かされ、また新キャラが登場。クイズでも識の高校生活でも、これからも面白くなりそうです。巻末の必修ペーパークイズは、50問中21問正解。だんだん難しくなっていませんか、これ?



[ 2015/03/24 20:47 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2015年03月19日(木)

死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか 

死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか (ソフトバンク新書)死にたくないんですけど iPS細胞は死を克服できるのか (ソフトバンク新書)
著者:八代 嘉美、海猫沢めろん 他
出版社:ソフトバンククリエイティブ
出版日:2013/09/18

評価〔B〕 iPS細胞をよりよく知るために。
キーワード:生命、iPS細胞、ES細胞、生物学、遺伝子、

昔ならともかく、今なら生物学の最先端研究技術を使うことによって、生老病死にまつわるあらゆる障害を取り除くことができるんじゃないか?(まえがきより抜粋)


題名を見て「まったくだ」と思ったのは久しぶりです。作家の海猫沢めろんが死を克服する方法を、友人で生物学者の八代嘉美にあれこれ尋ねてみたのをまとめた生物学の入門書です。特にiPS細胞について掘り下げています。

二人の対話形式で進みますが、一人が素人でもう一人が専門家なので、分かりやすく読みやすいです。率直に疑問や願望をぶつける海猫沢めろんが清々しいです。生物学や医療の専門家には、希望の持てることを断言してほしいという意見は同感です。

自宅でできる遺伝子検査キットから始まり、ES細胞、iPS細胞と繋がっていきます。ESとiPSの違いがよく分からなかったのですが、違いと倫理上の問題点が明確に書かれていて良かったです。また、遺伝子を組み込むのにウイルスを使ったり、外国より日本のほうが研究の規制が厳しいことなども興味深かったです。

ただ、限定された領域での話ですので、生物学全体を語るには不十分です。専門的な知識を得たい方には、不満を感じる内容でしょう。あくまで入門書です。でも、これらの内容が研究や医療の根本あるいは土台なのかもしれません。




[ 2015/03/19 21:50 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2015年03月12日(木)

極黒のブリュンヒルデ 11 

極黒のブリュンヒルデ 11 (ヤングジャンプコミックス)極黒のブリュンヒルデ 11 (ヤングジャンプコミックス)
著者:岡本 倫
出版社:集英社
出版日:2014/10/17

評価〔B+〕 新しい章に突入します。
キーワード:SF、現代、魔法、宇宙人

「薬の心配はなくなったけど・・・もう一つ不安なことがある」(本文より抜粋)


ヴァルキュリア編も終わって、本書から新しい話が始まります。まずは、表紙を飾っている佳奈を中心に話は展開していきます。中盤の彼女の自己紹介シーンが良い感じ。

ひとまず危機は脱したのですが、またしても違う難題が立ちはだかります。その問題は、鎮死剤のように解決策が分かっているわけではないので、鎮死剤よりもやっかいです。どうなってしまうのでしょうか。まだ読者や魔女たちが知らない謎がありそう。

今まで同様、テンポよく話が進むので飽きません。新しい登場人物も多かったせいか新鮮でした。記者の二人はどこまで真相に近づけるのかが気になるし、九の後任も・・・・・・なかなかの強烈な個性の持ち主です。当面の敵はあの人になるのでしょうか。

危機に陥った彼女は、どのようにして切り抜けるのか。次回も楽しめそうです。



[ 2015/03/12 21:37 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2015年03月12日(木)

生徒会役員共 11 

生徒会役員共(11) (講談社コミックス)生徒会役員共(11) (講談社コミックス)
著者:氏家 ト全
出版社:講談社
出版日:2015/02/17

評価〔B〕 いつもどおりで安心
キーワード:4コマ漫画、学校、ギャグ、下ネタ

「自分の内面を磨きたいですね」「協力するよ」(本文より抜粋)


11巻まできましたが、いつもどおりの4コマです。同じようなギャグを繰り返しているにも関わらず、笑えるのはすごいよね。

変わったことと言えば新しい人物が登場しますが、終わりのほうですし性格もまともなので、はっきりいって目立ってませんでした。個人的には、男女比が極端に偏っているので、男性キャラでも良かったんじゃないのかなーと思いました。誰かの兄弟とか、あ、先生でも可。

ウオミーの出番が多かったように感じました。なんかこの人、結婚式の話からずっと出番多いよね。かわりに出島さんの登場頻度が落ちています。それと、コトミが一人だけ方向性が違うので印象に残ります。このままずっと突っ走って欲しいものです。



[ 2015/03/12 21:17 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2015年03月05日(木)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫) 

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)
著者:歌野 晶午
出版社:講談社
出版日:2015/01/15

評価〔A-〕 今回も前回とは少し違います。
キーワード:推理、ミステリ、アリバイ、密室

斬新なトリックで人を殺したい。そして人を驚かせたい。密室殺人ゲーマーはさらに一線を踏み越える。(本文より抜粋)


推理合戦を頭の中だけでなく、現実に実行して出題するという非情な密室殺人ゲーム。シリーズ3冊目です。著者によると外伝的位置づけだとか。そろそろノベルスで買おうかなーと思ってたら、いつの間にか文庫化していました。ファンなので嬉しいです。

前の2冊と同じく5人でゲームをするのですが、今回も少しだけ捻った感じです。あまり変わらないなと思いつつ読んでいたので、結末になかなか驚きました。1冊目の終わり方よりも好みです。しかし、ゲームの出題数が少なくあっさりした感じなので、物足りないと感じる方も多かったのではないでしょうか。過去の2冊は個々の出題だけ見ても唸るような事件があったので、今回もそのような問題がもう1題くらい欲しかったですね。ネットで本書の感想を調べてみたら、前の2冊に比べたら落ちると感じた方が多いように感じました。そう思うのも分かります。

個人的には2.0が一番面白く、次は1冊目、ただし構成と結末は本書のほうが上でしょうか。

著者が「現実が小説を追い越してしまった」ようなことをどこかで書かれていましたが、昨今のニュースを見ているとなんか納得してしまいます。うーん、3冊の中では本書が一番現実味があるんじゃないのかな。未だに4冊目の3(?)は出ていませんが、本シリーズが大好きなので何年後でも良いから書いてほしいものです。気長に待ちます。




[ 2015/03/05 19:16 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2015年03月05日(木)

2015年2月の読書メモ 

慟哭 (創元推理文庫)〔C+〕
センゴク外伝 桶狭間戦記 5 完〔B+〕
ナナマルサンバツ 1〔B+〕
迷惑行為はなぜなくならないのか? 「迷惑学」から見た日本社会〔B+〕
赤村崎葵子の分析はデタラメ 続〔B+〕

ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム〔B+〕
青い象のことだけは考えないで!〔B+〕
ナナマルサンバツ 2〔B+〕
アラクニド 12〔A-〕


以上、9冊でした。漫画も活字もそれなりに。欲を言えば、もう1冊くらい新書と小説かラノベを読みたかったです。時間とお金の関係で断念しました。

来月上旬までやや忙しいので、時間が取れたら何かまとめて読んでみたいですね。まとめて、というと漫画になってしまいそうですが、小説でも何でもいいかな。



[ 2015/03/05 19:06 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)