評価〔C-〕 途中までは面白いのに。キーワード:ホラー、ミステリー、
「このミーティングは自称・犯人たちの集まりなんだよ」(本文より抜粋)
恋人・リエを殺したリョウは、連行された先はとある会議室。尋問が始まるのかと思いきや、先に室内にいた6人の男女とともにリエについて告白をすることになります。しかし、ミーティングが進むにつれ、それぞれの自白に食い違いがあることが分かります。本当のことを言っているのは誰なのか、真犯人は誰なのか?
矛盾した証言から事件の全貌を推理していくわけですが、長めの自白が中心になるのでまるで群像劇を見ているかのようでした。ある人物の知っている被害者・リエは他の人から見ると違って見え、次の自白ではまた違った一面を知ったりと、彼女がどのような人物だったか、どんどん明らかになるのが面白いです。伏線を回収するかのように、うまく一つにまとまるのが上手いですね。読みやすく、読者を引き込む力もあると思います。また、ホラー文庫ですが、サスペンスのような感じであまり怖くはありませんでした。
ですが、結末がどうも良くありません。ここまで見事にリエを描写して、つじつまが合うように進んできたのに、どうしてこのような終わり方なのか。かなり不満です。アイディアは良く、6人目の自白まで面白かっただけに惜しいです。うーん、推理物ではなくホラーとしてみればあり、なのかなぁ。
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