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2014年02月12日(水)

納得しないと動かない症候群 

納得しないと動かない症候群 (Forest2545Shinsyo 76)納得しないと動かない症候群 (Forest2545Shinsyo 76)
著者:松本幸夫
出版社:フォレスト出版
出版日:2012/12/30

評価〔D+〕 年配者からみた若者論。
キーワード:仕事、若者、世代論、

「納得しないと動かない症候群」というフィルターを通して「若者」を眺めることで、これまで無意識レベルでしか認知できなかった問題がはじめて顕在化し、対処できるようになるのも確かなことです。(はじめにより抜粋)


企業向けの研修で不可解な言動をとる若者が増えてきていることを危惧し、どうしたら若者たちを理解しうまく対応することができるのかを説いたビジネス書です。若い部下をもつ社会人向けを対象にしています。

若者を理解する本だと思っていたのですが、価値観の違いまでしか語られてなく、深い考察はほとんどありませんでした。用件のみの会話は言語道断と怒り、スポーツカーを買いたがらないのに驚き、異性・お金・出世に意欲がないと嘆くのですが、根本的な理由を考えないので理解できない、嘆かわしいと感想を述べただけで終わってしまうことが多かったです。物事の優先順位や求めるものの違いでしかないのに、著者の考えのほうが当然のことのような書き方は残念でした。人材育成コンサルタントとして同世代よりもはるかに多く若者たちと接してきた人でも、この程度しか理解していないのかと、正直落胆しました。後半の対処法は分析よりは良かったですが、応急処置的なものが多かったと感じました。もっと相互理解に努め、根本的な解決があっても良かったのでは、と思ってしまいました。

悪い点ばかりあげてしまいましたが、著者は本当に社会を憂えているからこそ本書を執筆した訳で、その熱意は立派だと思います。本書で述べているように、行動力のない若者にはない素晴らしさです。また、人気講師として活躍しているだけあって、説得力のある教訓もありました。

本来は上司世代が若者を知るための本なのですが、逆に若者が上の世代の考え方を知るために読むのも良いと思います。どちらの世代が読んでも世代間の差を感じることでしょう。

言葉は悪いのですが、著者がはじめにで記述しているように、『飲み屋のオヤジがワーワー騒いでいる』ような本でした。僕は30代で本書の対象者でしたが「納得しないと動かない症候群」よりの価値観なので、著者の意見に賛同できるところが少なかったのが残念でした。著者と同じ50代半ばくらいの方々には、かなり共感を得られそうですね。




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[ 2014/02/12 22:05 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2014年02月12日(水)

すベてがFになる (講談社文庫) 

すベてがFになる (講談社文庫)すベてがFになる (講談社文庫)
著者:森 博嗣
出版社:講談社
出版日:1998/12/11

評価〔C+〕 理系ミステリーのシリーズ1冊目
キーワード:理系、研究所、情報科学、推理、コンピュータ、SF、

「すべてがFになる?」犀川が口にしたので、山根が画面を覗き込んできた。(本文より抜粋)


理系ミステリーといえばこれ!のような記述をどこかで読んだのを思い出し、読んでみました。第1回メフィスト賞受賞作。

孤島で密室殺人が起き、理系の助教授・犀川創平と工学部の学生・西之園萌絵が事件に巻き込まれる推理小説です。研究者たちの浮世離れに近い生活や、刊行当時ではまだまだ目新しかったコンピュータやネットを描いていて、理系ミステリーと呼ばれるのも分かる気がします。事件の真相解明において科学的であることを重視している点が特徴的です。

Fが何を意味するか?は当たりませんでしたし、トリックは予想外で良かったと思います。しかし、解明にいたるまでが冗長だと思います。最初の事件が起きるまでそうとうかかりますし、起きてからもミスリードのためか展開は遅いです。テンポの悪さはかなりの欠点だと感じました。また、心理描写が少ないので共感・感情移入しづらいです。物語に没頭するには淡々としすぎているのかもしれません。

うりである先進的な研究施設の描写も発刊した1998年の時点では珍しかったとは思いますが、2014年現在を基準として見るとそれほど驚きません。この点では、もっともっと早めに読むべきでした。残念。

動機や葛藤よりもトリックのみ重視して読まれる方にはおすすめかもしれませんが、登場人物の個性や世界観などを含めると面白かったとは言えませんでした。




[ 2014/02/12 21:09 ] 小説 | TB(0) | CM(0)