2013年02月28日(木)

羅生門・鼻 (新潮文庫) 

羅生門・鼻 (新潮文庫)羅生門・鼻 (新潮文庫)
著者:芥川 龍之介
出版:新潮社
発行:2005/10

評価〔C+〕 人間味あふれる短編集です。
キーワード:文学、近代、短編集

禅智内供の鼻と言えば、池の尾で知らない者はない。長さは五六寸あって、上唇の上から顎の下まで下っている。(鼻より抜粋)


「王朝物」と呼ばれる平安時代を題材とした歴史短編小説集です。表題作の「羅生門」と「鼻」を含む全8編が収録してあります。今昔物語を出典としたものが多いです。昔、教科書で読んだ羅生門はどのような感じだったかなと思い、読むことにしました。

「羅生門」は視覚的に強いイメージの残る作品でした。下人がどうしてあの最後の行動に至ったか、その理由を忘れていたので、読んですっきりしました。

印象に残ったのは、「鼻」「好色」と「俊寛」でしょうか。前者2つは時代を越えて通じるものがあると思います。ま、これは他の短編にも言えることなのですが、この2つが強くそう思いました。そして、「好色」の範実の主張する平中の功徳は、僕が大人になってから「こういう見方もあるよね」と思っていたことと同じだったので、驚きと共感を覚えました。また、「俊寛」は島流しにされた者の話ですが、彼らの暮らしは案外このようなものかもしれないと思わせてくれます。しかし、他の短編もそれほど面白いとは思いませんでした。一番長い「邪宗門」も未完で、これからというところで終わってしまいますし。これがきちんと完結していれば、本書の評価も違っていたかもしれません。

注釈の多さが少々煩わしく感じました。もっと話に入り込みたいのに、後ろの注釈を確認するたびに読むテンポが損なわれるのが残念でした。ちなみに、解説・あとがきは、三好氏より吉田氏のほうが分かりやすくて良かったです。



スポンサーサイト
[ 2013/02/28 22:18 ] 小説 | TB(0) | CM(1)

2013年02月28日(木)

生徒会役員共8 

生徒会役員共(8) (講談社コミックス)生徒会役員共(8) (講談社コミックス)
著者:氏家 卜全
出版:講談社
発行:2013/02/15

評価〔B〕 安定感あります。
キーワード:4コマ漫画、学校、ギャグ、下ネタ

「ナウい格好しなきゃね」(本文より抜粋)


ゆるく明るい卑猥な言葉が飛び交う学園4コマです。

久しぶりに新キャラ登場が登場します。表紙を飾る桜才高校OGの古谷さんです。この漫画に登場する人物にしては、まともな方だと思います。それにしても、これだけ女性キャラクターを出しておいて、特徴をダブらないようにするのは感心してしまいます。全体的な質や雰囲気はいつもどおりです。本当にいつもどおり。ひどいギャグも慣れてしまうと、あまりひどくないかなと思ってしまうのが怖いです。

この巻もDVD付きの限定版もあります。オリジナルアニメが見たい方はそちらをどうぞ。




[ 2013/02/28 22:09 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2013年02月20日(水)

ひぐらしのなく頃に 第三話 祟殺し編 (下) (講談社BOX) 

ひぐらしのなく頃に 第三話~祟殺し編~(下) (講談社BOX)ひぐらしのなく頃に 第三話~祟殺し編~(下) (講談社BOX)
著者:竜騎士07
出版:講談社
発行:2008/01/08

評価〔C+〕 圭一の計画のゆくえは……
キーワード:サスペンス、田舎、昭和、

でも…耐えててくれ…。…にーにーが、……必ず助けてやるから…。(P50より抜粋)


祟殺し編の下巻です。上巻よりも薄いです。最善を尽くした圭一たちでしたが、状況を打破することはできません。そして、沙都子を救出するために、圭一はある決心をします。計画実行日を綿流しの日と定め、彼は孤軍奮闘します。

綿流しの日がクライマックスのように見えますが、このシリーズらしいのはむしろその後です。圭一の身の回りに不可解なことが次々と起こります。怖さもありますが混乱と驚きもあり、鬼隠し編と綿流し編の中間のような読後感です。

アニメで見たはずなのに、真相が分からない覚えていない箇所があって、もどかしいです。はじめて見た時の気持ちを少しだけ思い出しました。この情報で推理するのは難しいですよねえ?

上巻よりは良かったです。出題編も残り1つ。読みきります。



[ 2013/02/20 22:27 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2013年02月20日(水)

ひぐらしのなく頃に 第三話 祟殺し編 (上)  (講談社BOX) 

ひぐらしのなく頃に 第三話~祟殺し編~(上) (講談社BOX)ひぐらしのなく頃に 第三話~祟殺し編~(上) (講談社BOX)
著者:竜騎士07
出版:講談社
発行:2007/12/04

評価〔C〕 家族の重い話です。
キーワード:サスペンス、田舎、昭和、

「……にーにーは兄々です。沙都子のお兄さんなのですよ。」(P45より抜粋)


ひぐらし3話目は祟殺し編です。タタリコロシって強烈なタイトルですよね。前原圭一、園崎姉妹の次は、トラップ少女の北条沙都子が中心となり物語は展開していきます。

またしても登場人物たちの詳しい説明は省いて、いつもの面子が遊んでいるあたりから始まっています。沙都子の
兄・悟史をはじめ、彼女の家庭環境や過去が語られます。そして、突然起きる不測の事態。危機に陥った沙都子を救うために悩みます。

アニメを視聴している時も思ったのですが、どうもこの祟殺し編はあまり好きではないんですよね。沙都子のせいなのか祟殺し編のテーマのせいなのか、よく分かりませんが。

佳境に入る前に上巻が終わってしまいます。終盤になってやっと盛り上がってくる感じで、そのテンポの遅さが残念です。前半の日常シーンが長いのですが、これないと終盤とのギャップが弱くなってしまうから、仕方がないのかな。



[ 2013/02/20 22:13 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2013年02月13日(水)

どこまでやったらクビになるか―サラリーマンのための労働法入門 

どこまでやったらクビになるか―サラリーマンのための労働法入門 (新潮新書)どこまでやったらクビになるか―サラリーマンのための労働法入門 (新潮新書)
著者:大内 伸哉
出版:新潮社
発行:2008/08

評価〔A-〕 分かりやすい労働法入門
キーワード:社会人、労働者、労働法、懲戒、解雇

ただ、実際に転勤命令が発せられたときに社員がそれに従わなくてもよいという場合があります。それは転勤命令が「濫用」といえる場合です。では、どうような場合に、転勤命令が濫用と判断されるのでしょうか。(5講より抜粋)


なかなか過激な題名です。読む前は、著者が実際にあれこれ問題行動を起こして、クビになるかどうか試した体験記かと思っていました。もちろん一人で数々の問題を全部実行できる訳ではないので、どこの職場でも起こりそうで問題になりそうなことを、裁判の実例と架空の例を挙げて解説しています。労働法入門です。

どの例も本当に自分の身に起こりそうな事例なのが有用です。上記の転勤をはじめ、残業手当、セクハラ、副業、内部告発など数多くのケースが書かれていて興味深いです。労働法入門と難しそうなわりには分かりやすい文章です。自分の不注意で怪我をした場合は、労災認定されるのか? 酔ったうえでの痴漢行為は懲戒解雇になるの? 産休はボーナスに影響するの?と身近な話が多くのが良いです。

何が問題となるのか何が争点となるのかを、法の観点から解説しているので理解しやすいです。また、一見クビとは関係なさそうな、私的な行動である社内不倫や喫煙問題も扱っていて、単に読み物としても面白いです。

サラリーマンのための、とありますが、雇用する側・雇用される側に関係なく読んでおいて損のない一冊です。これから就職する学生さんたちにも、役に立つと思いますよ。



[ 2013/02/13 21:59 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2013年02月13日(水)

誘爆発作1 

誘爆発作(1) (シリウスコミックス)誘爆発作(1) (シリウスコミックス)
著者:岡村 星
出版:講談社
発行:2011/07/08

評価〔B+〕 緊迫感溢れるシーンが良いです。
キーワード:サスペンス、現代、超常現象

「なぜこんなに胸が痛いの? なぜあなたと話してるの!?」(本文より抜粋)


若い女性整備工・真咲と心臓病の初老の男性・武藤が、20年前に起きた失踪事件に関わっていくサスペンスです。ちなみに、本書は著者のデビュー作だそうです。

2人がある日突然、感覚を共有することになります。序盤は主役たちの混乱が描かれ、説明が続くので落ち着いて読んでいましたが、後半、上記の失踪事件に関するある事を知ってしまってからが、かなり面白くのめりこみました。サスペンスとは言っても推理ものの謎解きではなく、緊張感やスリルを楽しむタイプの漫画です。真咲が見る幻覚のような不思議な光景を見るシーンが凄い。特に、中盤の「知ってた?」は秀逸です。怖すぎ。

漫画はたいていアニメと相性が良いと思いますが、この作品は実写化したほうが雰囲気が出て良さそうです。うまく映像化できたら見てみたい。

デビュー作とは思えぬつくりで驚きました。果たして事件は無事解決するのか、また2人の身に起きている現象の原因は明かされるのか。このままの質で、次の巻でもハラハラドキドキさせて欲しいです。






[ 2013/02/13 21:47 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2013年02月03日(日)

僕らはどこにも開かない 

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)僕らはどこにも開かない (電撃文庫)
著者:御影 瑛路
出版:メディアワークス
発行:2005/05

評価〔C+〕 どこか不気味な青春小説。
キーワード:学園、現代、サスペンス

――がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。次第に俺は、その音が元々何の音だか分からなくなった。(谷原雅人[1]より抜粋)


ある事件を契機に、個性的な高校生たちが各々の思惑とともに動きだす青春群像劇、でいいのかな。青春と書くとまぁ明るいイメージですが、本書は、どこか暗く不気味な雰囲気です。油断ならないとでも言いますか。サスペンス風です。

登場人物たちが一筋縄ではいかないのが、このラノベの特徴でしょうか。他人の理解することに非常に長けていて主体性が弱い人物。自称魔法使いの生徒。殺人願望を持つ者。そして自分が正しいと狂信する人。上にも群像劇と書いたように、それぞれの主観が入れ替わりで物語が進みます。同じシーンを違う視点から見られるのが好きです。他の人物が、内心どのように思っているのかが分かるのが良いです。

電撃文庫から出ているのが違和感があるくらい、一般小説っぽかったです。この雰囲気は、ありそうでない感じです。斬新と評している人がいるのも、分かります。ですが、著者の他の作品と比べると質は落ちると思います。似たような雰囲気なら「神栖麗奈」のほうが、どんでん返し等の娯楽性なら「零のマリア」のほうが上なのではないでしょうか。読んだ順番がこれが最初なら、評価も違っていたかもしれません。

同じようなパターンのライトノベルに飽きてきた方は、一度読んでみてほしい本です。




[ 2013/02/03 22:13 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2013年02月03日(日)

2013年1月の読書メモ 

快適睡眠のすすめ〔B+〕
妄想ジョナさん。〔B+〕
大東京トイボックス5〔B+〕
THE CHAT(アルファポリス文庫)〔B〕
万能鑑定士Qの事件簿 VI〔A-〕

殺竜事件〔B〕
人間について (新潮文庫)〔B-〕
舞面真面とお面の女〔C+〕


以上、8冊でした。ライトノベルを含め小説が多い一ヶ月でした。漫画は1冊ですが、これは漫画を読んでいないのではなく、既に持っているものを読み返していることが多かったから。

評価もAとCが一つずつで、それ以外はBです。特に良くもなく、悪くもなく。

2月は日数が少ないので、まあ1月と同じくらい読むことができればいいかなと思っています。




[ 2013/02/03 22:08 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)