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2013年01月15日(火)

万能鑑定士Qの事件簿 VI 

万能鑑定士Qの事件簿VI (角川文庫)万能鑑定士Qの事件簿VI (角川文庫)
著者:松岡 圭祐
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2010/10/23

評価〔A-〕 強敵出現。
キーワード:鑑定士、知識、雑学、アパレル、

MNC74発動したよーん こうご期待(本文より抜粋)


シリーズ6冊目、舞台を日本に戻し今度はアパレル業界の話です。とはいっても、ファッションや被服に詳しくなくても楽しめますのでご安心を。

経営の苦しいアパレル会社の社長・八木沢は、大口の注文を持ってきた若い女性・雨森華蓮と会います。怪しい話に八木沢は警戒しつつも、彼女の話を吟味していきます。最初から相手が分かっている倒叙ものです。犯人や真相がまったく分からないまま進むのとは、また違った良さがあります。雨森華蓮は今までの相手と違い、凜田莉子と同じような能力を有している天才詐欺師で、知識比べ知恵比べで莉子に勝るとも劣らない、いえ、見方によっては莉子を上回る凄い人物です。結構このキャラ好きです。

両者の知識に驚くとともに、物語の核となる「MNC74とは何か?」を推理するのが面白いです。やすやすとは華蓮の真の意図が解明できないのが面白いです。それにしても、著者の知識の量、もしくは取材の量には頭が下がります。単なる雑学でなく、物語に自然に散りばめているのは本当に上手いですね。

終盤の華蓮の策、莉子の推理は盛り上がります。どちらがどちらを上回るのかは、最後まで読まないと分かりません。毎度のことながら読後感は良いです。最後の封筒のトリックがにくい。このまま高い質を保ったまま続いてほしいですね。





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[ 2013/01/15 22:48 ] 小説 | TB(0) | CM(1)

2013年01月15日(火)

THE CHAT(アルファポリス文庫) 

THE CHAT (アルファポリス文庫)THE CHAT (アルファポリス文庫)
著者:椙本 孝思
出版:アルファポリス
発行:2006/10

評価〔B+〕 ネット絡みの怖い話です。
キーワード:ネット、チャット、ホラー

ナカツカ> 僕は インターネット の中に存在する 亡霊 です(本文より抜粋)


ネット上で一対一または多人数で文章を通じて即時に会話をするチャットは、距離を気にせず楽しむことのできる便利な道具です。しかし、ネットで出会いお互い名前も知らない場合もあります。そんな関係の中、チャットメンバーたちの身に次々と恐ろしいことが起きたとしたら……。本書はチャットをテーマにした、ホラーサスペンスです。裏表紙では異色ホラーミステリーとありますが、サスペンスのほうがしっくりくると思います。

コンピュータ関連会社に勤める平岡は、いつものようにチャットルーム・『ヒュプノス・カフェ』で仲間と雑談していると、ネットの亡霊と名乗る人物が現れます。不可解な言葉を残して立ち去りますが、その後思いもよらない事件が現実世界で起きます。誰の仕業なのか? 自分を知っている者なのか? チャットという相手の顔が見えない状況を上手く利用して書かれていて、出てくる人物が誰も怪しく見えてきます。どの人物が誰なのかを推理しながら読んでいくと面白いです。

見えない敵と戦い、徐々に追い詰められていくのが結構怖くてハラハラします。展開も意外性があって面白いのですが、最後の最後(P270以降)、明らかにされるあれは恐怖感をあおるには良かったのですが、無理があるような気がします。読み返して伏線がまったくなかった訳ではないのですが、あの真相に気がついた読者は何人いるのでしょうか。うーん、しっくりきません。

時代に合った内容ですので読みやすいです。テンポも悪くないですしね。はじめてホラー小説を読むには、こういう小説がいいのかもしれません。




[ 2013/01/15 22:40 ] 小説 | TB(0) | CM(0)