2012年11月29日(木)

罪と罰10(アクションコミックス) 

罪と罰(10) (アクションコミックス)罪と罰(10) (アクションコミックス)
著者:落合 尚之
出版:双葉社
発行:2011/04/28

評価〔B+〕 新たな弥勒の旅立ち。
キーワード:シリアス、漫画化、

猥雑で、残酷で、だから世界は美しい。(本文より抜粋)


ついに最終巻となり、表紙は再び弥勒へと戻ってきました。

物語の終盤に現れた2つの道は、弥勒に多大な影響を与えた首藤とエチカによって示されたものでしたが、この巻の前半でようやく弥勒が決断します。決めた後の、彼の行動が良かったです。弥勒の葛藤から始まり、刺激、発案、苦悩と色々ありましたが、あぁこうなったのかーという感想です。この決断って原作と同じなのでしょうか。少々気になります。

最後のなのでまとめみたいな感じの巻でしたが、首藤の結末には驚きました。最初から最後まで、強烈な個性を持った彼らしいと言えば彼らしい結末でした。さらりと書かれていますが、弥勒の母についても、ちょっと驚きました。

物語全体としては、弥勒の迷いや葛藤の描写が上手かったのですが、罪の意識や自責の念はもう少し大げさでも良かったのでは、と思いました。彼以外の描写は、上記の2人が印象深かったです。首藤にしてもエチカにしても存在感があり過ぎて、主役の弥勒がしばしば目立たなくなったこともありましたが、それはまあそれで良かったのかも。

シリーズ全体の評価もB+くらい、かな? 原作を読んでいてなくても、この作品を楽しむのには支障はありませんでした。原作と比べてしまうことがないため、返って良かったのかもしれません。原作に興味があるけど難しそうだと躊躇している方は、まずこの現代日本版の罪と罰を読んでみてはいかがでしょうか。






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[ 2012/11/29 21:31 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2012年11月26日(月)

平等ゲーム(幻冬舎文庫) 

平等ゲーム (幻冬舎文庫)平等ゲーム (幻冬舎文庫)
著者:桂 望実
出版:幻冬舎
発行:2012/04/12

評価〔B+〕 限りなく平等に近い社会。
キーワード:平等、格差、個性、

「鷹の島では、社会主義でも資本主義でもない、理想の仕組みを作りました。四年毎に仕事が変わっていけば、既得権的なものは発生しなくなりますし、平等です。」(第一章より抜粋)


誰もが平等で豊かに暮らせる社会と言ったら、どのようなものを想像しますか? 本書では、そんな理想郷が、極めて小さな規模ではありますが、存在します。その場所は、鷹の島。究極のユートピアを目指した三組の夫婦からはじまり、賛同者が集ってできた平等の社会です。全てが住民投票で決まり、生活に不自由はなく、仕事も抽選で決まるという徹底振りで、なんか感心してしまいました。

その理想郷で生まれ育った30代の芦田耕太郎は、島がユートピアであることを強く信じています。彼は勧誘係として働いていて、まったく違う環境で育った人々と会うのですが、彼もしくは彼女たちの反応や価値観が様々で興味深いです。完全な平等とはどういうことか、個性とは何なのか、また競争や差はあってはならないものなのか、と社会制度や生き方について考えさせられます。

後半、ある出来事から島の現状を知った耕太郎が、動き出します。鷹の島があったら実際に起こりそうだな~と思えるのが、リアリティがあって良いです。でも、これもやはりワクワクドキドキというよりは、興味津々的な面白さです。

また、彼が理想郷育ち特有の精神の持ち主であることも、印象深いです。本当にそうなるのでしょうか。少なくとも島は自由恋愛で、恋愛には競争の要素もあるからあのようには……んー、でも個人差があるから、なんとも言えないのかな。

現在ではできなさそうなことを小説として書く点では、SFと言えるかもしれません。はたして鷹の島はユートピアなのか、それともディストピアなのか。どの人物に共感するかで、自分の今の価値観が分かりそう。知的に面白い小説でした。





[ 2012/11/26 22:24 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2012年11月26日(月)

負け方の王道 

負け方の王道 (マイコミ新書)負け方の王道 (マイコミ新書)
著者:谷岡 一郎
出版:毎日コミュニケーションズ
発行:2011/03/26

評価〔B-〕 負けを認め、次に活かそう。
キーワード:人生論、自己啓発

勝負をする限り負けることは、よくあることであるし、無い方が不自然ですから、それ自体は何の問題もありません。問題は負けたあとに、それをどう受け止めるか、そしてどう学ぶかということでしょう。(第1章より抜粋)


負けそのものを題材とした本です。勝負に勝つための本は膨大な数にのぼりますが、負けた時にどうすべきか書いた本はあまりなかったと思います。そんな上手い負け方のススメです。

資本主義社会では、勝負しない奴は駄目、そして勝負して負けた時にきちんと認めないと駄目と主張しています。前者を詳しく説明して欲しかったのですが、重点が置かれていたのは後者でした。ギャンブルを例に挙げ、勝負は負けるときもあるので、負けをきちんと認めよう、さらには負けから学ぼういう見解です。ギャンブルがいかに勝てないかは、他の本を読んで知っていたので驚きませんでしたが、儲けようと思って賭け事をしている人には厳しい内容です。

稀に読者を下に見るような雰囲気があったのが残念でした。以前読んだ「社会調査のウソ」ではそんなことなかったのに……。

負けを認めるのは自分で思っているよりも、かなり難しいことなのかもしれません。認めることに多くのページを使っていました。悪い負け方、見苦しい負け方のほうはだいぶ理解できたので、208ページの中華料理店の例のように、もっと具体的な例をたくさん挙げて欲しかったです。





[ 2012/11/26 22:20 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2012年11月22日(木)

大東京トイボックス4 

大東京トイボックス 4 (バーズコミックス)大東京トイボックス 4 (バーズコミックス)
著者:うめ
出版:幻冬舎コミックス
発行:2009/06/24

評価〔B〕 創作活動は大変です。
キーワード:ゲーム業界、社会人、新入社員

「どうもこのところG3の進捗が悪い気がして」(本文より抜粋)


SOUPの「デスパレートハイスクール」を開発中に起きたマサの事件でしたが、それも一段落し次のステップへと進みます。

再び順調にいくかと思われましたがすんなりと進まず、クリエイターの職場の描写に現実味があっていいです。ちょっとしたことで皆の気持ちがズレてしまったり、時間の制約も考慮しなければならなかったりと、社長である月山の気苦労は理解できます。

一方、仙水も上役に目をつけられながらも、自分の目的達成のため行動しつづけます。今回、ソードクロニクル4の開発話、そして彼と太陽の過去が語られますが、彼らの現状と比較してみると興味深いですね。ゲームクリエイターは芸術家ではないことがよく分かります。

雲行きが怪しくなってきた「デスパレートハイスクール」が、最終的にどのような形となるかが気になります。それと、モモが話の中心から遠ざかっているのが少々残念です。今後の彼女の活躍に期待しています。



[ 2012/11/22 22:49 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2012年11月22日(木)

惑星のさみだれ2 

惑星のさみだれ 2 (ヤングキングコミックス)惑星のさみだれ 2 (ヤングキングコミックス)
著者:水上 悟志
出版:少年画報社
発行:2006/09/27

評価〔C〕 やっと序盤が終わったくらいです。
キーワード:現代、SF、ファンタジー

「今のおれは、ただの正義の味方ファンさ。」(本文より抜粋)


突然トカゲの騎士に選ばれた青年・夕日と、彼の主人であり姫でもあるさみだれの、地球の存亡をかけた現代ファンタジーです。

1巻終盤で出てきた東雲半月に焦点を当てています。泥人形との戦いはすぐには激化せず、ゆるゆると日常と非日常を行ったりきたりしつつ、物語は進んでいきます。圧倒的な強さを見せる犬の騎士である彼は、夕日やさみだれに大きな影響を及ぼします。騎士としてもそうですが、一人の大人としても描かれていて、彼の語る大人論が格好良かったです。また、さみだれの胸のうちも明かされ、徐々にではありますがこの世界がはっきり見えてきます。

半月は良いんだけど、どうも主役の二人が好きになれないなあ。展開が遅いのも気になります。1巻よりは良かったのですが、それでもすぐに次の巻が読みたい!って程でもありませんでした。また、気が向いたら3巻を読むかもしれません。




[ 2012/11/22 22:46 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2012年11月17日(土)

ローファイ・アフタースクール―五十嵐藍短編集 

ローファイ・アフタースクール―五十嵐藍短編集 (BLADE COMICS)ローファイ・アフタースクール―五十嵐藍短編集 (BLADE COMICS)
著者:五十嵐 藍
出版:マッグガーデン
発行:2012/05/10

評価〔B〕 様々な雰囲気の青春。
キーワード:短編集、現代、ギャグ、シリアス

小高いところに立っているこの場所は、小さなこの町を全部見渡せる。丘の上から町を傍観する神様ごっこ、ということらしい。(神様ごっこより抜粋)


「鬼灯さん家のアネキ」の著者が、同人誌や商業誌で発表した短編を集めて一つの本にした短編集です。表題作をはじめ、8つの短編が収録されています。

主人公が皆、高校生くらいなので青春のイメージが強いです。シリアスなものからギャグまで様々ですが、明るい活発なものよりも、どこか気だるいもしくは物憂い雰囲気のある作品のほうが印象的でした。話の展開を楽しむのではなく、その雰囲気を楽しむ漫画だと思います。

静かな世界で佇む「神様ごっこ」や、ポップだけれど実は軽くはない「暗黒さん」が好きです。短いせいか、何回も読んでしまいます。著者が青くさい作品を評している「アオ」も結構良いと思います。それにしても、ラリ美さんのキャラはあれで良いのでしょうか。色々と心配です。

「鬼灯さん」を分解すると、こうした短編集になるのかなーと思いました。逆か?短編集を一つにすると、「鬼灯さん」になるのかな? しんみり落ち着いた、すっきりした読後感の味わえる漫画でした。



[ 2012/11/17 18:53 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2012年11月17日(土)

M.G.H.―楽園の鏡像 (徳間デュアル文庫) 

M.G.H.―楽園の鏡像 (徳間デュアル文庫)M.G.H.―楽園の鏡像 (徳間デュアル文庫)
著者:三雲 岳斗
出版:徳間書店
発行:2006/06

評価〔B〕 近未来宇宙ミステリー
キーワード:SF、近未来、宇宙ステーション

「有り得ない。無重力状態の宇宙ステーションで、墜落死なんてね」(本文より抜粋)


宇宙旅行と言えば映画やSF小説の中だけの話でしたが、少し前に企業が民間人向けの宇宙旅行を企画して話題になりました。とはいっても、とてつもなく高価で、内容も弾道飛行による無重力体験で終わるものですが、それでも宇宙も近くなったなあと思わずにはいられませんでした。本書は、そんな現在よりももう少し先の未来、宇宙ステーションで起きた不可解な事件を追う物語です。SF推理もの。第1回日本SF新人賞受賞作品で、2000年に徳間書店から出版された同名の単行本を文庫化したものです。

材料工学の研究者・鷲見崎凌は、従姉妹の森鷹舞衣と共に宇宙ステーション「白鳳」滞在中に、遺体の第一発見者となります。遺体の様子は、まるで数十メートルの高さから落ちたかのようでした。無重力状態の白鳳で、どうしたらこのような事態になるのか? 二人は真相を探り始めます……という粗筋です。

ライトノベルのレーベルであろう徳間デュアルから出ていますが、もともと一般書籍だったためか、それほどライトノベルっぽくありません。そう思うのは、きっとイラストのせいでしょう。

「白鳳」の描写も良いのですが、ネットから発展したミラーワールド、人格を複製できるプログラムのアプリカントも興味深く、まるで本当に未来を見ているかのようで面白いです。こうしたSFの部分と推理の部分のバランスが良くて、違和感なく楽しむことができました。また、主人公たち二人の過去も絡んで、単なる推理もので終わらせません。

でも、もう少し何かこう、もう一捻り欲しかった気もします。圧倒的完成度、大どんでん返しって感じではありません。理系科目の知識がなくても楽しめますが、あったほうがさらに楽しむことができるでしょう。SFですしね。

ちなみに、著者の他作品・少女ノイズとどちらが好きかと問われれば、SFは好きですが少女ノイズのほうが好みです。




[ 2012/11/17 18:51 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2012年11月13日(火)

万能鑑定士Qの事件簿 V 

万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫)万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫)
著者:松岡 圭祐
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2010/08/25

評価〔B+〕 Q、フランスへ
キーワード:鑑定士、知識、雑学、フランス

「じゃなくて、個人旅行。ルーヴルとかオルセー美術館の展示品をこの目で見たいって、ずっと前から思ってたの」(本文より抜粋)


万能鑑定士Qシリーズも5冊目、今度の舞台はフランスのパリです。莉子が楽しみに練っていたパリ旅行だったのですが、彼女が一人で旅行すると聞き、同行を申し出たのはなんと高校時代の担任・喜屋武(きやん)。しかも、彼が用意した宿は、彼女の同級生だった楚辺のいるアパートでした。二人は現地に到着後、ゆっくり観光しようとしていた矢先に、楚辺を巻き込んだ大きな事件が発生します。彼女は、友人のため、事件解決へと行動を起こします。

異国の地でも、莉子の鑑定は衰えません。次々と真相を見抜く様は、何度見ても爽快です。今回のテーマは、フォアグラです。高級食材のあれ。読み進めていくと、精肉工場やレストランがいかに注意してお客へ提供しているかが分かります。一流と呼ばれるには、それだけの理由があるってことでしょうか。大変だ。日本の食品業界も品質管理・衛生管理は厳しそうですが、どれくらいのレベルなんだろう。

喜屋武先生の言動が印象に残りました。莉子の変貌に驚いたり、思わぬ一面が見れたり。活躍もしますが、特に終盤の絵葉書のシーンがさすがでした。先生、格好良かったよ。




[ 2012/11/13 21:15 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2012年11月13日(火)

あなたが泣くまで踏むのをやめない! 

あなたが泣くまで踏むのをやめない! (電撃文庫 み 8-8)あなたが泣くまで踏むのをやめない! (電撃文庫 み 8-8)
著者:御影 瑛路
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2011/07/08

評価〔C+〕 どうしてこうなった、御影瑛路
キーワード:ギャグ、学園、

「あなた、あたしの養分になりなさい」(本文より抜粋)


題名と絵と粗筋を見て、昨今流行にのって書くジャンルを急転回したのか?と、正直面食らってしまいました。戸惑いながらも、まぁこの著者の作品だからと読んでみることに。著者が題名でどん引きされる自覚がありつつこの言葉を選んだのは、勇気ある決断だと思います。

表紙から連想できるように、表紙の我侭な、いえ捕食系幼女のアリスが、主人公の高校生・岩下寿也と同居して、彼をあれこれ振り回すコメディです。寿也は両親の関係を見て、男らしい亭主関白的な男を目指しているのですが、好き勝手で毒舌なアリスに手を焼くという、よくありそうな展開です。でも、御影瑛路らしくそれだけではなく、後半は意外とシリアスになってギャグだけでは終わりません。

ギャグとシリアスのバランスは良いのですが、毒舌や傲慢なギャグが目立ち、人によっては不快に感じると思います。良かったのは寿也の同級生、黛千代子でしょうか。自虐系少女である彼女の言動は、なんか笑ってしまいます。

悪くはないのですが、今までの作品に比べると落ちると思います。もうちょっと驚きや意外性、インパクトがあればなあ。つまらなくはないけれど……といったところです。





[ 2012/11/13 21:10 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2012年11月10日(土)

感情力―自分をコントロールできる人できない人 

感情力―自分をコントロールできる人できない人感情力―自分をコントロールできる人できない人
著者:フランソワ ルロール、クリストフ アンドレ 他
出版:紀伊國屋書店
発行:2005/08

評価〔A〕 自分と他人の気持ちを知るために
キーワード:感情、心理学、自己啓発

怒り、羨望、喜び、悲しみ、羞恥、嫉妬、恐怖、恋愛……人は誰しも日々さまざまな感情を抱く。だが、これほど扱いに困るやっかいなものはない。いったいどのようにコントロールすればよいのか?(表紙折り返しより抜粋)


突然腹が立ったり、妙に恥ずかしくなってしまった経験はないでしょうか。理由が分からないままに、感情に振り回されることはあると思います。本書では、どの感情にも起こるのにも原因があり、どの感情にも長所と短所があることを教えてくれます。感情を上手にコントロールし、自分の人生と他者との関係を豊かにする力を「感情力」と名づけ、どのようにしたらそれを高めることができるかを論じています。

感情とは何か、気持ちや気分とはどう違うのかから始まり、7つの基本感情と恋愛を加えた8種類を解説しています。同著者の他作品でもそうですが、身近にありそうな例を多く挙げ、心理学の専門家でない人にもかなり分かりやすくなっています。翻訳であることを意識するのは、著名人や映画を取り上げるときぐらいです。外国(フランス以外)の事例も結構紹介しているので、興味深いです。

似ているが上手く説明できない感情も、もう一歩踏み込んで考察してあります。羞恥と困惑の違い、恐怖と不安の違い、幸せとは何か……今までぼんやりと理解していたものが、前よりはっきりとしました。恋愛を3要素、恋・穏やかな愛・誓いに分け、様々な恋愛の形があることを浮き彫りにしているのは、なんかも知的好奇心を刺激され面白いです。

個人的には、羨望の章が参考になりました。近頃は友人と会うと、自分より人生が順調そうでなにかと落ち込むことが多かったのですが、これは抑うつ的羨望だと気づかされました。羨望を否定せず、劣等感がないかを考え、むやみに落ち込まないようにしたいです。

気になったのはコラム欄です。どの章でも背景色を変えて書いているのですが、本文の縦書きとは違って横書きなので、少々読みづらいです。また、数が多めなので、本文に集中したい時は少し鬱陶しく感じました。混乱しやすいのかも。それが残念な点です。

感情表現によって失敗してしまう人にはもちろん、そうでない人にも新たな発見があるかもしれないのでお薦めです。自分の知らない感情に気づき、より良き人生を送るのに役に立つと思います。




[ 2012/11/10 11:36 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2012年11月02日(金)

変身(新潮文庫) 

変身 (新潮文庫)変身 (新潮文庫)
著者:フランツ カフカ
出版:新潮社
発行:1952/07/30

評価〔B-〕 なるほど。理不尽です。
キーワード:近代、理不尽、不合理

ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の床で一匹の巨大な虫に変わっているのを発見した。(本文より抜粋)


冒頭からいきなり変身しています。理由は説明されないまま、淡々と虫になったグレーゴルや彼の家族の様子が描写されていく、カフカの代表作です。今更ではありますが、2012年新潮文庫の100冊です。手元にある本の表紙とは、上のAmazonの書影とは違います。

学校に通っていた頃、同級生が本書について「あれ何でいきなり虫なんだよ。訳分かんねぇ」みたいなことを言っていましたが、確かに物語の筋だけを追うとグレーゴルの運命は理不尽や不合理だと感じます。しかし、娯楽作品ではなく文学作品であることを考えると、「虫」は何かの象徴であることが想像できます。それでは何の象徴なのか?事情があって家から出られない人? 解説にも書かれているように、専門家でもはっきりと断言できないようです。僕も著者が何を言いたかったのか、明確には分かりません。何か言いたいことだけは分かりますが、もやもやした感じです。

グレーゴル自身の心境の変化よりも、彼の家族の変化のほうが印象に残りました。特に結末が。あれで良いのでしょうか。怖くもあり、明るくもあるあの終わり方も、理解できるようなできないような感じです。虫になった後、もっと見世物のようなものになるのかなと思っていましたが、よく考えるとあの内容のほうが現実的なのでしょう。

分からない、いや分からなくはないが、んー、やはりよく分からない。何が理解できたのかなんだか自分でもあやふやになってくる小説です。これがシュルレアリスムなのか。




[ 2012/11/02 07:23 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2012年11月02日(金)

2012年10月の読書メモ 

ひぐらしのなく頃に 第二話 綿流し編 (下) (講談社BOX)〔B+〕
アクセス(新潮文庫)〔C-〕
小説家の作り方 (メディアワークス文庫)〔B+〕
それでもドキュメンタリーは嘘をつく (角川文庫)〔B+〕
アラクニド5〔B+〕

罪と罰9(アクションコミックス)〔B〕
丘ルトロジック  沈丁花桜のカンタータ〔B-〕
付喪堂骨董店〈7〉―“不思議”取り扱います〔B+〕
女と男 ~最新科学が解き明かす「性」の謎~〔A-〕


以上の9冊でした。しばらく一ヶ月10冊以上読んでいたのですが、10月は残念ながら届きませんできした。漫画ならば読めたのですが、感想を書くのが追いつかないので断念しました。時間の取れない一ヶ月でした。

先月、評価が甘いかもと書きましたが、甘いのではなくハッキリ区別するようになったのかも。今までのB-ならC+に、B+ならA-と。どちらにせよ、満足したかどうか素直につけていきます。




[ 2012/11/02 07:20 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)