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2012年06月10日(日)

ミネルヴァと智慧の樹―始原 

ミネルヴァと智慧の樹―始原(ウロボロス) (電撃文庫)ミネルヴァと智慧の樹―始原(ウロボロス) (電撃文庫)
著者:浅生 楽
出版:アスキーメディアワークス
発行:2010/07/10

評価〔B-〕 錬金術と大学生
キーワード:現代、SF、ファウスト、錬金術師、

「あなたは『梟』」
「……はあ」
「そして、わたしはミネルヴァ」
「……」
(本文より抜粋)


効率良く平穏に人生を歩もうとする大学生の森本慧は、アルバイト先の図書館で和服の美女・天乃理(あまのみち)と出会います。彼女と知り合ってから、にわかには信じられない出来事に巻き込まれていく、一風変わった新たなボーイ・ミーツ・ガールです。僕はあまり恋愛ものっぽく感じませんでしたが、表紙折り返しにボーイ・ミーツ・ガールと書いてあるのです。

高校生が主人公であることが多いライトノベルですが、本書は大学生です。また、登場する超常現象もファンタジーRPG風ではなく、歴史上実在した錬金術師に関するものなので、どこか硬いイメージです。西洋史、ゲーテのファウスト、そして心理学を絡めた文章は、ライトノベルっぽくありません。マルガレーテの性格など、ところどころはいかにもラノベなのですが、全体的にはそうでもないんじゃないのかな。ラノベと歴史物の中間くらい。知識を試そうと実践する理の姿がなんだか面白いです。笑いの構図のズレの話が好き。

前半の緩やかな日常生活と、後半の場所を移動してからの怒涛の展開の違いが大きくて、しっくりきませんでした。あれもこれもと詰め込んだらまとまりがなくなって、完成度が落ちてしまった感じがします。もう少しすっきりしていたら、印象も変わったのになあ。

おすすめ!と言い切れず、だからと言ってつまらないとも言えない、評価に困る本です。一風変わったライトノベルが読んでみたいなら、やや難しめですが本書はいかがでしょうか。




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[ 2012/06/10 18:48 ] ライトノベル | TB(1) | CM(0)

2012年06月10日(日)

笑えぬ童子~108の業~1 

笑えぬ童子~108の業~1(ゼノンコミックス)笑えぬ童子~108の業~1(ゼノンコミックス)
著者:真野 真
出版:徳間書店
発行:2011/03/22

評価〔B〕 幸か不幸か運命の二択
キーワード:オカルト、現代、人生、

「私は座敷童子。そなたの不幸を払う者。」(本文より抜粋)


しばらくの間、童子をドウジと勘違いしていました。正しくはわらし、座敷わらしのわらしです。不幸にして殺された赤ん坊、すなわち座敷童子が成仏するために108つの煩悩を集めるというお話で、一話完結のオムニバス形式となっています。

人の煩悩に触れるため、不幸に直面した人間に“不幸の宿替え”を持ち掛けます。彼もしくは彼女は、打って変わって運に恵まれ幸せな人生を得るのですが、それは代わりに誰かが不幸になることで成り立つのを知ります。自分の幸福を選ぶのか、他人の幸福を選ぶのか。各話の主人公が決断する時の緊張感が良いです。

不幸を取り扱っているので、どうしても暗くシリアスになりがちです。こういった閉塞感のある不幸は、読んでいて気持ちが沈み辛くなってきますね。『エンマ』など似たような漫画がありますが、それらよりも深刻な雰囲気を強く感じました。

このタイプにはめずらしく、巻末には本編とは違った選択をしたらという別バージョンが収録されています。それはそれで、ははぁなるほどねと感慨深いです。

108の業(カルマ)とありますが、3巻で完結なので全部の業は見られないでしょう。それでも色々な欲に関するエピソードを見せてくれると思います。




[ 2012/06/10 18:42 ] 漫画 | TB(1) | CM(0)