2012年06月29日(金)

退出ゲーム(角川文庫) 

退出ゲーム (角川文庫)退出ゲーム (角川文庫)
著者:初野 晴
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2010/07/24

評価〔B+〕 青春ありユーモアあり謎解きあり
キーワード:青春、謎解き、コミカル、恋愛、

「聡が遺したパズルで、これだけがどうしても解けないの」(本文より抜粋)


部員の少ない弱小吹奏楽部に入部した、フルート担当の穂村チカと、彼女の幼なじみで同部員の上条ハルタに大小様々な出来事が起きる青春ミステリです。

雰囲気は明るくコミカルです。主に日常の謎を扱っていて、部室から消えた劇薬の行方を追ったかと思えば、演劇部と即興劇対決をし、また、誰も知らない謎の色を考えたり、解けないパズルに挑戦したりもします。幅広く感じました。時折、重いところもあって、軽いと物足りなく感じる人も満足すると思います。学園ものとして手に取ったのですが、謎もテーマも予想よりしっかりしていました。ちょくちょく入る吹奏楽のネタも面白いです。

題名にもなっている『退出ゲーム』はよくできたゲームだと思います。演技がうまい人や頭の回転が速い人が実演したら、かなり面白いものが見られそうです。見てみたい。

チカの恋愛が前面に出過ぎていないのが良かったです。あまり主張が激しいと違う種類の小説になってしまうからね。本書は“ハルチカ”シリーズの一冊目だそうで、既に続編が出版されています。コミカルで適度に重いこの感覚で、次も読みたいです。




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[ 2012/06/29 18:55 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2012年06月29日(金)

残念博士1 

残念博士 (1) (角川コミックス・エース・エクストラ 29-1)残念博士 (1) (角川コミックス・エース・エクストラ 29-1)
著者:瀬野 反人
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2011/12/02

評価〔C〕 落ち着いたギャグ漫画
キーワード:SF、現代

「私は博士。本名はありますが、博士としか自己紹介しないから博士と呼ばれてます」(本文より抜粋)


4コマ漫画だと思って買ったら4コマではなかったギャグ漫画です。いや、4コマの部分もあったのですが、普通の部分のほうが多いです。

発明する才能はあるがどこか残念な博士と、比較的まともな眼鏡の助手がおりなす日常ものです。どう残念なのかというと、頭が良すぎて馬鹿っぽく見える、あんな感じです。ドジっ子と天然を足して割ったぐらいでしょうか。博士は感情表現が乏しいので、冗談でしているのかそうでないのか分かりづらいのが、本書の持ち味です。

裏表紙に博士は美少女と書かれていますが、もう美少女って年齢でもないような……いや、まあ、年齢が分からないから保留にしておきます。

人によって笑えるか笑えないかハッキリわかれそうです。個人的には、終盤絵柄が少し違うあたりから面白かったです。それまでは、んー、もっと残念であって欲しかったかな。




[ 2012/06/29 18:33 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2012年06月26日(火)

感性の限界 

感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書)感性の限界――不合理性・不自由性・不条理性 (講談社現代新書)
著者:高橋 昌一郎
出版:講談社
発行:2012/04/18

評価〔S-〕 より哲学的に
キーワード:哲学、不合理性、アンカリング、自由意志、不条理性、

哲学史家「人間の愛がいかに「不合理」なものか、自由だと勝手に信じている人間が実際には「不自由」なのではないか、なぜ人間は生まれて死ななければならないという、「不条理」に遭遇しているのか?どれも非常に興味深い大問題ですな……」(序章より抜粋)


様々な考えを持つ登場人物たちが架空のシンポジウムで討論する、「理性の限界」「知性の限界」に続く限界シリーズの3冊目です。2冊目の時も思ったんですが、続きがでるとは予想していなかっただけ、書店で見つけた時は驚きとともに嬉しかったです。

今回は先の2冊のように論理がメインではなく、主観が絡む感性、例えば自由や意識などの概念や観念に重点を置いた内容となっています。人間そのものについて考えることが多くなった気がします。3冊目でもう書くことがないのではと思っていたのですが、まだまだ知的探求のテーマは残されていました。

章は全部で3つあり、行為、意志、存在がテーマです。脳内化学物質で感情を表現しようとする行動科学、合理的判断の難しさが分かる認知的不協和とフレーミング効果、遺伝子の命令に逆らうロボットの叛逆、世界の不条理に対処するカミュの形而上学的反抗と、どれも考えてみると不思議で興味深いものでした。読んでいて、カミュの異邦人に興味を持ちました。今度読んでみようかな。心理学の実験でいくつか知っているものがあったのですが、それを差し引いても面白いです。また、知りたかったドーキンスの『利己的遺伝子』にも触れられていて、得をした感じです。

しかし、前の2冊と比べて少々まとまりがないように感じました。議論があちこちにとんで、どの方向に向かっているのか分からなくなる感覚でしょうか。3章に分かれていますが、似ている部分や重なっている部分もあるように感じたので、そのせいかもしれません。また、ある登場人物が言っているように芸術についても論じて欲しかったかな。

難しい内容をここまで易しく分かりやすく書かれているのは、相変わらず素晴らしいです。時々起きる討論の脱線も、良い息抜きとなってましたし。様々な学問が絡み合い皆で難問に挑む様子は、きっと読者の知的好奇心を満たしてくれるでしょう。出色。




[ 2012/06/26 22:01 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2012年06月23日(土)

デジカメに1000万画素はいらない  

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)
著者:たくき よしみつ
出版:講談社
発行:2008/10/17

評価〔B+〕 より良いデジカメ生活のために
キーワード:デジタルカメラ、撮影、実用

デジカメの世界にはびこる最大の「嘘」は、「高画素=きれいな写真」という公式です。嘘というよりは「思いこみ」というべきでしょうか。(本文より抜粋)


かつて初めて購入したデジタルカメラは、200万画素が最高画素でした。写真現像に足りる画素になったので思い切って買ったのを覚えています。そして、その後もコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)も進化を続け、いつのまにやら1000万画素を超え、今では1600万画素で撮影できるものも出ています。でも、画素数が上がると画質もあがるのでしょうか。本書は、題名のとおり否定し、200~500万あれば十分と解いています。

画素数と画質の説明からはじまり、コンデジの選び方、さらには上手く撮るコツ、パソコンでの画像編集の仕方まで内容は幅広いです。まったくのデジカメ初心者、またはただ漫然とデジカメを使っていた方には、ためになると思います。実際に撮った写真がカラーで収められているので、かなり役に立ちます。個人的には、露出の調節がとても参考になりました。今度使うときは、調節してみよう。

2008年出版と少し前の本なので、画素数に対する本書の主張が今でも正しいのかは分かりません。すでに弱点を補強する新技術が完成しているかもしれませんので。Amazonの書評の中には、『CMOSが主流になりつつある今は、そろそろこの本の内容も古くなりつつあります』としているものもありますしね。また、著者が経験豊かとはいえ専門家かでも専業カメラマンでもないのは、少々気になるところです。

実は、出版当初に最初の部分を試しに読んでなるほどと思い、後で買って読もうと思っていたのですが、ずっとほったらかしにしていました。最近になって久しぶりにこの本のことを思い出し、手にとったという訳ですがなかなか実用的で良かったと思います。でも、あくまで初心者向けです。写真が趣味の人には物足りないでしょう。





[ 2012/06/23 21:19 ] 実用 | TB(1) | CM(0)

2012年06月20日(水)

アラクニド3 

アラクニド(3) (ガンガンコミックスJOKER)アラクニド(3) (ガンガンコミックスJOKER)
著者:村田 真哉
出版:スクウェア・エニックス
発行:2011/03/22

評価〔A-〕 沖以上の強敵登場
キーワード:殺し屋、現代

「悪は「正義」によって裁かれなければならない」(本文より抜粋)


裏社会と関わってしまった高校生・アリスの暗殺者バトルアクションの3巻です。

どうにか沖を退けることができたアリスは、沖に組織との仲介を頼みます。今回は、沖の上司である新キャラ・響がメインとなります。響ももちろん虫の能力を持つのですが、それが何かは見てのお楽しみです。虫の解説は、相変わらず興味深いです。2巻よりも戦闘シーンに重点が置かれ、激しいバトルが熱いです。終盤、あの技の見開きページは凄い。

響の必殺技を始め、突っ込みたくなるようなシーンや設定もありますが、それはそれで面白いです。面白くて突っ込みどころがあると、なんか人と話したくなります。昔のドラゴンクエストのようだ。

3巻でも例の台詞がでてきますが、さすがに連発はしなくなりました。でも、あの台詞がないと物足りなく感じてしまうのは、だいぶはまっているのかな。大いに盛り上がったので満足です。




ネタばれ、響先輩にひと言。↓
[ 2012/06/20 21:39 ] 漫画 | TB(1) | CM(0)

2012年06月20日(水)

燃えよペン(サンデーGXコミックス) 

燃えよペン (サンデーGXコミックス)燃えよペン (サンデーGXコミックス)
著者:島本 和彦
出版:小学館
発行:2002/11/19

評価〔B+〕 勢いがすごい
キーワード:漫画家、熱血、ギャグ

すべてのマンガ家がこうだと思ってもらいたい!(第1話より抜粋)


近頃はめっきり熱血という言葉を聞かなくなりました。しかし、その言葉が生きて、いやその言葉に満ち溢れている本がこの燃えよペンです。漫画家・炎尾燃の普段の様子を紹介している漫画家漫画です。1991年に竹書房から出版された、バンブー・コミックスの同名タイトルを再出版したものらしいです。

作中では否定していますが、どうみても著者自身の投影である炎尾の熱血ぶりがすごいです。その気迫に溢れる仕事ぶりは、真剣であるがゆえに笑ってしまいます。喜劇王・チャップリンの言葉「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」を思い出します。1話と2話が好き。大ゴマ、ギザギザのふきだし、断定口調とここまで勢いのある漫画は、あまり見かけなくなりましたね。時折理不尽とも思える炎尾の叫びによって、彼の感情が伝わってきます。迫力ではなく熱血。

出版されたのがもう21年前なので、少々絵柄が古く感じるのが難点といえば難点でしょうか。それと、前バージョンにあったらしい実写シーンがなかったのが心残りです。大人の事情というやつなのかな。

ときどきネットで取り上げられて、どんな内容か気になっていたので、こうして読むことができたので良かったです。続編の『吼えろペン』は、これ以上なのでしょうか。興味がでてきました。




[ 2012/06/20 21:32 ] 漫画 | TB(1) | CM(0)

2012年06月16日(土)

しあわせの理由 

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)
著者:グレッグ イーガン
出版:早川書房
発行:2003/07

評価〔B〕 アイデンティティーのSF短編集。
キーワード:外国SF、短編集、

それはぼくが意外と強い心をもっていたからでも、いつのまにか大人になっていたからでもない。自分の運命を悔やむことが、物理的に不可能だったのだ。(表題作より抜粋)


現代から遠い未来まで、様々な状況や出来事を描いたハードSF短編集です。

作中に登場する高度な科学技術はどれも専門的で、その設定はどのくらい現実的であるのか判断できませんが、いかにもSFといった感じです。しかし、その科学の部分は現実味を出すためであって、本当のテーマは哲学的なものばかりです。愛情、道徳観、宗教、幸福感……解説ではアイデンティティー(自我同一性)とされている概念。なので、読んだ後は、面白いや怖いではなく、何か考えてしまうような気持ちになります。

死の概念が変わってしまった世界を描くローカス賞受賞の「ボーダー・ガード」や、化学や技術と感情の繋がりを書いた表題作が気に入っています。妻が驚くべき方法で夫を救おうとする「適切な愛」は、少し先の未来に本当に起こりそう。「道徳的ウイルス学者」のユーモアもなかなか。

けれど、解説にもありますが、粗筋は設定ほど斬新でなければ興味深いものではありませんでした。発想は面白いのに、なんか勿体無いと思いました。魅力あるストーリー性や人物は期待しないほうが良いかもしれません。

海外のハードSFはなんだか難しそうなイメージがありますが、この本はまさにそのイメージにぴったりでした。きちんと理解できているのか怪しいです。いかにもありそうな世界で、人の持つ本質を垣間見たような気分になりました。面白さを十分に堪能しきれていないかもしれないので、後でまたじっくり読んでみたいです。






[ 2012/06/16 20:41 ] 小説 | TB(1) | CM(0)

2012年06月10日(日)

ミネルヴァと智慧の樹―始原 

ミネルヴァと智慧の樹―始原(ウロボロス) (電撃文庫)ミネルヴァと智慧の樹―始原(ウロボロス) (電撃文庫)
著者:浅生 楽
出版:アスキーメディアワークス
発行:2010/07/10

評価〔B-〕 錬金術と大学生
キーワード:現代、SF、ファウスト、錬金術師、

「あなたは『梟』」
「……はあ」
「そして、わたしはミネルヴァ」
「……」
(本文より抜粋)


効率良く平穏に人生を歩もうとする大学生の森本慧は、アルバイト先の図書館で和服の美女・天乃理(あまのみち)と出会います。彼女と知り合ってから、にわかには信じられない出来事に巻き込まれていく、一風変わった新たなボーイ・ミーツ・ガールです。僕はあまり恋愛ものっぽく感じませんでしたが、表紙折り返しにボーイ・ミーツ・ガールと書いてあるのです。

高校生が主人公であることが多いライトノベルですが、本書は大学生です。また、登場する超常現象もファンタジーRPG風ではなく、歴史上実在した錬金術師に関するものなので、どこか硬いイメージです。西洋史、ゲーテのファウスト、そして心理学を絡めた文章は、ライトノベルっぽくありません。マルガレーテの性格など、ところどころはいかにもラノベなのですが、全体的にはそうでもないんじゃないのかな。ラノベと歴史物の中間くらい。知識を試そうと実践する理の姿がなんだか面白いです。笑いの構図のズレの話が好き。

前半の緩やかな日常生活と、後半の場所を移動してからの怒涛の展開の違いが大きくて、しっくりきませんでした。あれもこれもと詰め込んだらまとまりがなくなって、完成度が落ちてしまった感じがします。もう少しすっきりしていたら、印象も変わったのになあ。

おすすめ!と言い切れず、だからと言ってつまらないとも言えない、評価に困る本です。一風変わったライトノベルが読んでみたいなら、やや難しめですが本書はいかがでしょうか。




[ 2012/06/10 18:48 ] ライトノベル | TB(1) | CM(0)

2012年06月10日(日)

笑えぬ童子~108の業~1 

笑えぬ童子~108の業~1(ゼノンコミックス)笑えぬ童子~108の業~1(ゼノンコミックス)
著者:真野 真
出版:徳間書店
発行:2011/03/22

評価〔B〕 幸か不幸か運命の二択
キーワード:オカルト、現代、人生、

「私は座敷童子。そなたの不幸を払う者。」(本文より抜粋)


しばらくの間、童子をドウジと勘違いしていました。正しくはわらし、座敷わらしのわらしです。不幸にして殺された赤ん坊、すなわち座敷童子が成仏するために108つの煩悩を集めるというお話で、一話完結のオムニバス形式となっています。

人の煩悩に触れるため、不幸に直面した人間に“不幸の宿替え”を持ち掛けます。彼もしくは彼女は、打って変わって運に恵まれ幸せな人生を得るのですが、それは代わりに誰かが不幸になることで成り立つのを知ります。自分の幸福を選ぶのか、他人の幸福を選ぶのか。各話の主人公が決断する時の緊張感が良いです。

不幸を取り扱っているので、どうしても暗くシリアスになりがちです。こういった閉塞感のある不幸は、読んでいて気持ちが沈み辛くなってきますね。『エンマ』など似たような漫画がありますが、それらよりも深刻な雰囲気を強く感じました。

このタイプにはめずらしく、巻末には本編とは違った選択をしたらという別バージョンが収録されています。それはそれで、ははぁなるほどねと感慨深いです。

108の業(カルマ)とありますが、3巻で完結なので全部の業は見られないでしょう。それでも色々な欲に関するエピソードを見せてくれると思います。




[ 2012/06/10 18:42 ] 漫画 | TB(1) | CM(0)

2012年06月06日(水)

お買い物の経済心理学 

お買い物の経済心理学: 何が買い手を動かすのか (ちくま新書)お買い物の経済心理学: 何が買い手を動かすのか (ちくま新書)
著者:徳田 賢二
出版:筑摩書房
発行:2011/09/05

評価〔B〕 売り買いは駆け引きだ
キーワード:お買い物、経済、心理学、買い手、売り手、

買おうと決心した瞬間の心の中では、支出というお金の喪失感を超える大きな満足感、高い値ごろ感を感じていることには間違いない。この「値ごろ感」とは何なのか?(第2章より抜粋)


何か購入する時、現品限りの商品にどうも弱いです。同じ品質なのに価格が低く、そしてこれを逃すとなくなってしまうことに、心が揺さぶられます。一方、おまけにはあまり魅力は感じません。あれば嬉しいですが、それが目的ではないので、それだったら本体を安くして欲しいなーと思います。社会で暮らすには、買い物は不可欠です。何かとお金をやりとりする買い物の経済ではなく、買い手と売り手の心理にせまります。

満足のいく得をした買い物とは、どういうことか? 相場を基準とした『得』と、個人の判断を基準とした『お得感』を数式化し、買い手のあやふやな心境を分かりやすく説明していて良かったです。買い手だけでなく売り手の心理も、セールや値引きを例に挙げて明らかにしていて、興味深いです。特にマクドナルドのハンバーガーの例は、感覚として理解しやすいと思います。それに、章の最後にまとめがあり、思考を整理する助けになります。

しかし、日常的な行動をテーマとしているだけに、斬新さや目新しさはありません。誰もが経験を通して知っていたことを言葉にし体系化したのみ、とも取れます。また、店に行き費やした時間を機会費用というコストとし、何も買わずに帰るのは単なるコストの浪費としている点は、実に経済学だな~と思うのですが、感情的には賛同できません。何も買わずに帰ることなんて結構ありますし、来たから買わなきゃ損って考え方は合わないなあ。

あくまで心理学がメインなので、難しい経済用語は知らなくても読めます。衝動買いして後悔してしまう人は、試しに読んでみるのも良いかもしれませんね。





[ 2012/06/06 22:09 ] 社会・歴史 | TB(1) | CM(0)

2012年06月03日(日)

ようこそ地球さん 

ようこそ地球さん (新潮文庫)ようこそ地球さん (新潮文庫)
著者:星 新一
出版:新潮社
発行:1972/06

評価〔B〕 機知に富むSFショートショート。
キーワード:SF、ショートショート

「まともにむかったら勝てる相手ではないだろうが、われわれ地球人にだって、数千年つちかわれた知恵がある。やつらをまるめこむことだって、できるだろう」(友好使節より抜粋)


子供の頃、生まれて初めて読んだショートショートが本書の作者・星新一でした。わずか数ページの物語にもかかわらず、分かりやすい筋書きとちょっと捻ったそのオチに感服したのを覚えています。僕が読書が好きになった要因の一つです。

宇宙や異星人、未来の技術が数多く登場して、読者の好奇心を刺激するとともに、独創的なアイディアとオチが面白いです。中には、現代社会の風刺であったり、人生の教訓めいたことであったり、楽しむだけでなく考えさせてくれる短編もあって深いです。個人的にどんでん返しのイメージが強い著者の短編ですが、本書は寓話のような深みのある物語が多く目立ちました。「処刑」「殉教」あたりがそれかな。「セキストラ」「テレビ・ショー」等の人の欲望に関する短編も、もしかしたらそうなるかもしれない未来を垣間見た感じで興味深いです。

ただ、捻ったオチを期待していただけに、短くスパッと終わる「不満」「悪をのろおう」等のどんでん返しタイプのものが少なめだったのが少々残念でした。 全体的に渋い。

ちなみに、新潮社発行の『人造美人』と『ようこそ地球さん』から、文庫本『ボッコちゃん』に載らなかった残り全てを収録したのが本書なので、既に前の2冊を持っている方はご注意ください。

先ほど調べてみたら、昔から現代に至るまで、国語の教科書に多くの短編が採用されていることを知りました。面白く、公にもその質が認められたショートショートの神様の作品。活字嫌いな方に読んでもらいたいです。






[ 2012/06/03 21:43 ] 小説 | TB(1) | CM(0)

2012年06月03日(日)

2012年5月の読書メモ 

ゲーデルの哲学〔B+〕
クラスメート、上村ユウカはこう言った。1〔C+〕
月見月理解の探偵殺人5〔B+〕
神と世界と絶望人間 00‐02 雷撃☆SSガール2〔B+〕
豊かさの条件〔C+〕

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)〔B-〕
少女には向かない職業 (創元推理文庫)〔B-〕
扉の外〔B-〕
罪と罰6(アクションコミックス)〔B+〕
万能鑑定士Qの事件簿 III〔B+〕

不道徳教育講座 (角川文庫)〔B+〕
絶対☆霊域1〔C〕

以上、12冊でした。ライトノベルと小説が多い感じ。新書が少ない……本当はもっと新書が読みたいのですが、経済的理由などによりうんぬん。お察しください。

今月は、BかCか迷った本が多かったです。読んだ時の僕の機嫌も影響しているので、やはり公平に書くのは難しいよね。評価を粗筋、人物描写、個人的に好みかどうか、などと細かく分ければ多少は客観的になりそうですが、そもそも個人の趣味のサイトなのでそこまでしなくてもいいかーと思っています。しばらくはこのような独断と偏見と個人的嗜好による評価で続けることにします。




[ 2012/06/03 21:39 ] 月別まとめ | TB(1) | CM(0)