2012年05月28日(月)

絶対☆霊域1 

絶対☆霊域(1) (ガンガンコミックスJOKER)絶対☆霊域(1) (ガンガンコミックスJOKER)
著者:吉辺 あくろ
出版:スクウェア・エニックス
発行:2011/01/22

評価〔C〕 怖くない幽霊4コマ。
キーワード:幽霊、ギャグ、4コマ

「私は幽霊よ!?わかってんの!?」(本文より抜粋)


部屋に憑いている少女幽霊・ひな子と少女が好きな青年・後藤が同居生活するゆるいギャグ4コマです。幽霊と言っても怖い雰囲気はまったくなく、ほのぼのした感じです。

怖がらせるほうの幽霊が怖がりで、怖がるほうの生きている人間が全然嫌がらない、通常とは逆の立場なのがポイントです。ひな子の可愛らしさと後藤のさっぱりした言動のせいか、明るく和やかです。幽霊がツッコミ担当なのが個性的で良いと思います。登場人物も多過ぎず、2巻への引きもあって過不足なく出来ている感じです。

しかし、面白かった!とはそれほど思いませんでした。つまらなくはないですし悪くもないのですが、うーん、好みの問題でしょうか。後藤は変態変態と連呼されているけれど、かなりエッチなだけで手がつけられない程でもありませんし、ロリコンとしては並なんじゃないのかな。いや、それとも、アレだと既にかなり酷いのでしょうか。漫画でたくさん酷いキャラを見ていると、基準がよく分からなくなってきます。(笑) そもそもひな子の年齢って何歳なんだ。小学5年生くらい?

余談ですが、幽霊が出てくる4コマ漫画というと、どうもWEB漫画の『2K 庭付き 幽霊憑き』のほうが頭に浮かびます。

Amazonで評判が良かったので読んだのですが、やはり期待しすぎるのはよくないということですね。でも、嫌いではないです。





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[ 2012/05/28 22:36 ] 4コマ漫画 | TB(1) | CM(0)

2012年05月28日(月)

不道徳教育講座 (角川文庫) 

不道徳教育講座 (角川文庫)不道徳教育講座 (角川文庫)
著者:三島 由紀夫
出版社:角川書店
出版日:1967/11

評価〔B+〕 悪いほうから世の中を見る。
キーワード:随筆、道徳、

「」(本文より抜粋)


一般的に不道徳とされることを推奨する、三島由紀夫の独創的なエッセーです。まだ一冊も三島の本を読んだことがなかったので、試しに読んでみようと思ったのがきっかけです。

目次を見ると「友人を裏切るべし」「女から金を搾取すべし」「空お世辞を並べるべし」となにかと問題のありそうな題の章が69もあり、大丈夫なんだろうかと思ってしまうかもしれません。読むと酷いことを言うものだと思い笑ってしまうのですが、笑って終わりにはできない物事の本質がそこにはあり、社会や人間の真理を含んでいると思います。一般的に悪いとされていることを考えることによって道徳を説く、逆説的な本です。

著者は悪と表現しているのは人の持つ欲望で、それらを否定せず、肯定しにくい時もあっさり肯定してしまう点が本書の良さであり面白さだと思います。著者の鋭い観察眼と皮肉と捻りのきいた文章で、硬くなり過ぎず分かりやすく語っています。外国の文化と言葉に明るく、当時の一般の人より広い視野を持っていたのも見逃せません。

「美人の妹を利用すべし」「できるだけ己惚れよ」「言葉の毒について」「死後に悪口を言うべし」等は感心し面白かったです。何事にも良い点と悪い点があることを再認識しました。他人の視点や意見は興味深いです。また、ユーモアの感性もあり、「小説家を尊敬するなかれ」では、人生相談で小説家が他人にできる正直な解答は『小説を書きなさい』のみで、でも小説は才能がないと書けないから解答は無価値だ、との見解に笑ってしまいました。新年に「賀正、ばかやろう、くたばってしまえ」との年賀状を未知の読者からもらった等のエピソードも面白いです。こうした逸話もあって飽きなくて良いです。

現在よりも男性中心の社会だった30年以上前に書かれたので、女性に不快なことも書かれているので注意が必要です。野球の長嶋や石原裕次郎がでてくるあたりに時代を感じます。文庫版の初版が昭和42年ですからねえ。

著者を小説家で自決してしまったことくらいしか知らず、漠然と自分にも他人にも厳しい修行僧のような人かと勝手に思っていたのですが、この本を読んでユーモアと機知に富む人物だと分かりました。これを機に、小説のほうも読んでみたいと思います。




[ 2012/05/28 22:28 ] 随筆 | TB(1) | CM(0)

2012年05月23日(水)

万能鑑定士Qの事件簿 III 

万能鑑定士Qの事件簿III (角川文庫)万能鑑定士Qの事件簿III (角川文庫)
著者:松岡 圭祐
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2010/05/25

評価〔B+〕 知識で追い詰める
キーワード:鑑定士、知識、雑学、

「経営学の専門家ではありません。むしろまったく畑違いの人材といっていいでしょう。でもきっと、彼女なら力になってくれるでしょう」(本文より抜粋)


立地条件も良く人気店・ラブラドールが突然原因不明の不振となってしまい、記者の小笠原を介して万能鑑定士Qに原因究明の依頼がきます。また同じ頃、クラスで最下位の生徒が、教師の思惑に反して追試で驚くほどの好成績を収めます。不思議な事件に、凛田莉子が膨大な知識で挑むシリーズの第3巻です。

相変わらず莉子の鑑定力が凄い。すご過ぎ。彼女を試そうと思った人物も、用意した答え以上の返事をされ驚かされるシーンは見ていて面白いです。実際にこんな人に会ってみたい気もします。

事件の黒幕が陰謀を隠蔽しようと画策し、莉子はそれを見破ろうとします。応酬が続き、物語の展開も速く、飽きることなく最後まで読むことができるでしょう。悪巧みとは別に、黒幕の職業や業界の話も興味深いです。黒幕が単なる悪人でないところが味があり、最後の莉子との会話がなんとも言えず良いですね。

見抜くことや見破るといった意味ではミステリですが、読者が自分で推理するタイプではないので、そういうのが好きな方には勧められません。でも、前の巻のように雑学を楽しむ分には十分面白いでおすすめです。




[ 2012/05/23 23:27 ] 小説 | TB(1) | CM(0)

2012年05月23日(水)

罪と罰6(アクションコミックス) 

罪と罰 6 (アクションコミックス)罪と罰 6 (アクションコミックス)
著者:落合 尚之
出版:双葉社
発行:2009/07/28

評価〔B+〕 複雑に絡み合う主要人物たち
キーワード:シリアス、漫画化、

「この犯人は――『資格』を持った非凡人だったと思いますか?」(本文より抜粋)


表紙を飾る五位検事が本格的に動き出す巻です。弥勒のファンを自称する彼は、目加田を通じてついに弥勒と会います。弥勒と五位の対話は長くはありませんが緊張感があり、また弥勒の本心が伺える台詞もあって印象的です。

弥勒は再び会うこととなった英知香と二人きりになった時に、疑問と自説をぶつけます。そのうちの一つ「愛情は暴力」は、彼の人生を考慮すると興味深いです。英知香はイミ不明と言ったけれど、分かるなあ。ちょっと違うけど、『ファンダ・メンダ・マウス』のネーネを連想してしまいました。今回の計画によって徐々に変化が見え始めました。それが、姉・善乃と彼女の婚約者との食事の席で発した言葉なのでしょう。あの婚約者は意外だったなあ。もっと首藤のような人物だと思っていたんだけどなー。

後半に突入した本作品ですが、弥勒は今後どのように生きていくのか。五位は何を考え、事件はどう収束していくのか。楽しみです。



[ 2012/05/23 23:14 ] 漫画 | TB(1) | CM(0)

2012年05月20日(日)

扉の外 

扉の外 (電撃文庫)扉の外 (電撃文庫)
著者:土橋 真二郎
出版:メディアワークス
発行:2007/02

評価〔B-〕 ゲーム性溢れるラノベです。
キーワード:サスペンス、ゲーム、

「この部屋から外に出ることは自由です。しかし、いったん外に出たら、戻ってこられる保証はありません」
この部屋の外。外には何があるのか。(本文より抜粋)


突然理不尽なゲームに巻き込まれるのは、どういう気持ちなんでしょうか。

高校生・千葉紀之はふと気がつくと、クラスメイトと共に教室のような部屋に閉じ込められていた。ソフィアと名乗る人工知能は、自分に従っていれば命は保証はする言います。しかし、彼はその言葉を拒否してしまいます。ソフィアの言う仕事とは何なのか?この部屋の外はどうなっているのか?不可解な状況における人間の心理を描いたラノベです。第13回電撃小説大賞「金賞」受賞作。

この著者の作品は皆、緊迫したゲームのようなものが行われ、登場人物たちが様々な対応をするみたいですが、本書も同じタイプです。不安と好奇心を刺激され物語に引き込まれますが、以前読んだ『殺戮ゲームの館』と比較すると幾分落ちるような気がします。物語の展開の違いのせいなのか、それとも心理描写の差なのか。

他人の書評を見ると、主人公の紀之の評価が芳しくありません。まあ、確かに我侭ではありますけど、彼のようでないとあのように話が進まないしなー。女子生徒たちのほうが個性的でしっかりしているからか、彼の悪い点が際立ってしまいがちです。個人的には、彼の性格よりも放り投げてしまったかのような終わりのほうが問題です。どうしてあの結末なのか。2巻に続くそうですが、上下巻などと記載されていない以上、何らかの区切りはあると思っていたのですが……。本書だけで評価するなら、低い評価でも仕方ないと思います。

焦りや苛立ちなどの心の弱さの描写や駆け引きの場面は良いのですが、やはり本書の最後を考慮すると高評価とはいきません。ゲーム小説は好きですし、登場人物たちの違いも面白いですけどね。




[ 2012/05/20 19:37 ] ライトノベル | TB(1) | CM(0)

2012年05月20日(日)

少女には向かない職業 (創元推理文庫) 

少女には向かない職業 (創元推理文庫)少女には向かない職業 (創元推理文庫)
著者:桜庭 一樹
出版:東京創元社
発行:2007/12

評価〔B-〕 推理小説っぽくないです
キーワード:中学生、少女、現代、ミステリ風

用意するものはすりこぎと菜種油です、と静香は言った。また、くだらないことを言い出したものだなぁ、とあたしは思った。(一章より抜粋)


大人になっても子供の頃に何を考えていたかをはっきり覚えている人は、どれくらいいるのでしょうか。子供の気持ちを忘れてしまって、うちの子は全然勉強しなくて困るなどと言っている人は結構いると思います。思春期、さらに異性の気持ちとなったら、推し量るのはさらに困難です。僕にとって異性の子供、少女の心境を描いた小説です。

推理小説を読んでみたいと思って読んだら、全然推理小説っぽくなくて驚きました。確かにそれらしき出来事は起こるのですが、主として押し出されているのはあくまで少女の世界であり、微妙な年頃の子の姿です。トリックを期待して読んだのは間違いでした。

一方、友だちとのやり取りや、親との距離感、男の子との関係は、どの描写も説得力あります。家庭にある問題を抱えているが、中学生の身としてはすんなり解決することができない焦燥感が上手いです。どこか著者の他作品「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」に似ています。少女小説としては読み応えがあって良いと思います。

終わり方も読者に想像する余地を残しています。あれからどうなったか知りたい人もいるでしょうけど、悪くないと思います。余韻が良いので。



[ 2012/05/20 19:03 ] 小説 | TB(1) | CM(0)

2012年05月16日(水)

ジュリアス・シーザー (新潮文庫) 

ジュリアス・シーザー (新潮文庫)ジュリアス・シーザー (新潮文庫)
著者:シェイクスピア
出版:新潮社
発行:1968/03

評価〔B-〕 シーザーは主役ではないと思います。
キーワード:戯曲、シェイクスピア、イギリス文学、

ハムレット「お前もか、ブルータス? それなら、死ね、シーザー!」(第三幕 第一場より抜粋)


上記の引用で有名なシェイクスピアの政治劇です。僕のように粗筋をまったく知らなくても、この台詞くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。細かいですが、読む前まで「ブルータス、お前もか」だと思っていました。逆だったんですね。

ブルータスはキャシアスから権力者シーザーの暗殺をもちかけらます。迷った末に、共謀者たちと共に計画を実行するブルータスたち。権力は彼らの手にすみやかに移行するかに見えたが……という展開です。題名がシーザーだから、彼が殺害されて終わりなのかと思ったら、まだ半分くらい残っていて驚きました。読み進めると分かりますが、ブルータスが主人公と言っていい内容です。

テーマは友情と政治です。こういった権力争いは、何百年たってもあまり変わりません。時を越えて教えてくれるのが古典の良いところです。暗殺後、ブルータスとシーザーの味方であるアントニーが、大衆に向かって語りかけるのですが、ここが一つの山場となっています。どうすれば民衆の支持を得ることができるかが、両者の演説を比較することで分かってくるのではないでしょうか。また、友情については、ブルータスの心の揺れが目立っていたと思います。キャシアスとの友情観の違いも興味深いです。

長くなく、話の展開も複雑ではないので、予想していたよりすんなり読めました。できれば、シーザーの性格や強大さが分かる場面や、演説以外の政治劇をもう少し見てみたかったです。次は何を読もうかな~。




[ 2012/05/16 21:35 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2012年05月12日(土)

豊かさの条件 

豊かさの条件 (岩波新書)豊かさの条件 (岩波新書)
著者:暉峻 淑子
出版:岩波書店
発行:2003/05/20

評価〔C+〕 具体的な解決策が欲しいです。
キーワード:社会問題、現代、資本主義、NGO

いま人々の暮らしの中から、にじみ出てくる共通の不安は、「不安定な労働と生活」「老後や万一に対する生活保障」「教育と子供の未来」だろう。(はじめにより抜粋)


現代の日本社会は、労働環境や社会保障制度の問題で閉塞感が漂っています。経済が優先され、個人の生活はあまり重視されない状況で、人間らしく豊かに生きるにはどうすべきか、社会や政治はどうあるべきかを改めて問う本です。生活経済学が専門で、長くNGO活動に携わってきた著者が、データと実体験を元に社会問題を掘り下げていきます。

正社員と非正規社員の格差や画一的な学校教育の問題は、どのメディアも関心を寄せていて、まったく知らない人はあまりいないと思います。初版が2003年なので、その当時はまだ注目度が低く意義のあることだったかもしれませんが、今となっては情報の目新しさはありません。このあたりは仕方ないことです。学校については、ドイツの個性を重視した教育が紹介されていて、意欲や自主性がかけているように見える日本の学校には良さそうです。

NGOの活動や生活共同組合の歴史を通して、互助の精神を奨励しています。ユーゴスラビアでの活動やユーゴの子供たちとの触れ合いは素晴らしいし立派だと感じました。でも、その互助や共同が今の資本主義社会の構造を変革できるかと言えば、相当難しいと思います。心が同じ方向を向いている私的な慈善活動と、様々な価値観を持つ巨大な社会では差があります。果たしてその抽象的とも思える意見で変わるのでしょうか。実際、本書の発行から約9年経っていますが、改善されてきたとは思えません。

分析も目指す未来像も良いのですが、解決策が……。僕は自分で理想主義だと思っていますが、ドイツの幾つかの例以外は、本書の提案は現実的ではないように感じられました。残念です。





[ 2012/05/12 21:57 ] 社会・歴史 | TB(1) | CM(0)

2012年05月11日(金)

神と世界と絶望人間 00‐02 雷撃☆SSガール2  

神と世界と絶望人間 00‐02 雷撃☆SSガール2 (講談社BOX)神と世界と絶望人間 00‐02 雷撃☆SSガール2 (講談社BOX)
著者:至道 流星
出版:講談社
発行:2010/02/02

評価〔B+〕 世界を裏側から見る経済ラノベ
キーワード:経済、経営、ライトノベル、社会、

「目には目を、歯には歯を。独裁者には暗殺を、仇なす敵には絶望を。」(Chapter 3より抜粋)


スタンフォード大学で社会科学の研究をしている桜井海斗は、久しぶりに会った父・啓司からペンダントをプレゼントされます。しかし、まもなく啓司は亡くなってしまいます。父の死を不審に思い調べていくうちに、海斗も大きな事件へと巻き込まれていきます。

SSガール2と銘打たれていますが、リンを始めとする前回の登場人物たちの出番はありません。まったく新しいキャラクターたちの、しかしやはり経済や社会の仕組みをテーマとしたライトノベルです。前半はややゆっくりめでサスペンス風に、後半は前回と同じように疾走感ある経済小説となっています。勢いや新鮮さで言ったら1巻のほうが上ですが、社会批判の書としては本書のほうが勝ります。あと、こちらのほうがシリアスで重めです。

とてもスケールの大きい話ですが、経済や政治を扱っているのでこれくらいでもあまり違和感を感じません。00-02とあるように舞台は2000年~2002年で、過去の事件や出来事をうまく利用して描いています。こういうのってどこからが真実でどこからが創作なのか分からなくなります。結構面白いです。

注意すべき点がひとつあって、本書だけでは物語は完結しません。SSガール3に続きます。知らずに買ってしまった。今のところ、1巻と似たような流れになってきているので、今度は違う結末が見てみたいです。なるべく早いうちに3巻も読むつもりです。忘れないうちにね。



[ 2012/05/11 20:55 ] ライトノベル | TB(1) | CM(0)

2012年05月04日(金)

月見月理解の探偵殺人5 

月見月理解の探偵殺人 5 (GA文庫)月見月理解の探偵殺人 5 (GA文庫)
著者:明月 千里
出版:ソフトバンククリエイティブ
発行:2011/06/16

評価〔B+〕 探偵殺人三昧の最終巻。
キーワード:殺人ゲーム、サスペンス風

「教えてやろう……この俺様の前では、お前の言う『真実』なんて、何の役にも立たないということをな!」(本文より抜粋)


ついに最終巻となったこのシリーズ。4巻の続き、グラウンド・ゼロ主催の探偵殺人ゲームの後編です。

最終巻だけあって、主要人物が一堂に会します。メインの敵はやはりグラウンド・ゼロではなく、彼女の後継者のあの人物と、2巻から因縁のあるドッペルゲンガーこと花鶏。危機感を演出するためのルール変更がありますが、このシリーズの題名どおり探偵殺人ゲームですべての決着がつきます。理解の生かされている本当の理由も明らかにされます。決勝戦はテンポが良いのですが、様々なことを詰め込んだためか駆け足気味に感じました。しかし、予想とは違った駆け引きが面白かったです。

後継者の《災禍の中心》はいったい何なんだと思っていたら、前の巻の最後で書かれいた能力そのままだったのでちょっと驚きました。確かに凄いといえば凄いけれど、すべてを統べるって感じではないような気がします。《災禍の中心》の能力は面白いので、これ1冊しか語られないのは惜しいです。

上記の2点より、もう少しじっくり読んでみたかったですね。月見月家のゾディアックたちのなんかも番外編で見てみたい気もしますし。

優勝者の願いは実にその人物らしい願いで、この物語にあっていると思います。綺麗に終わりました。物寂しいですが、ダラダラ続くより良いかと前向きにとらえておきます。さて、著者の次の本は既に出版されていますが、こうしたゲームものではないみたいです。でも、こうしたゲーム性のある話もまた書いてくれないかなと心待ちにしています。



ちょっとネタばれ意見を続きにて↓
[ 2012/05/04 21:42 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2012年05月04日(金)

クラスメート、上村ユウカはこう言った。1 

クラスメート、上村ユウカはこう言った。(1) (ガンガンコミックスONLINE)クラスメート、上村ユウカはこう言った。(1) (ガンガンコミックスONLINE)
著者:桜井 慎
出版社:スクウェア・エニックス
出版日:2011/12/22

評価〔C+〕 ただの学園ラブコメではなさそうですが
キーワード:SF、現代

「おかしいのはこの世界なのよ。「キミを含めて」…………ね」(本文より抜粋)


ありふれていてつまらない高校生活を送る白崎修士は、気まぐれでクラスメートで変人の上村ユウカに話しかけます。退屈な毎日が変わればと思う彼でしたが、事態は彼の予想とは違った方向へ流れていきます。裏表紙曰く、電波×SF×ラブコメストーリー。

ユウカは自己主張が強い女の子で、冷めている修士を引きつれ何かと問題を起こす……と思いきや起こさない。学園ものにはならないのです。誰かの書評に、出だしは『涼宮ハルヒの憂鬱』のようだが展開は違うとありましたがそのとおりでした。二人が置かれている状況は特殊なもので、ユウカは何か知っているようですが本書ではまだ明かされません。SFサスペンスっぽいです。

謎があって緊迫した雰囲気は良いのですが、何か足らない感じがします。日常のシーンと異常なシーンの転換やバランスがよくないのでしょうか。どちらも少し物足りません。著者とテンポが合わないのかな。読後の満足感もそれほどでもありませんでした。しかし、謎の部分には引き込まれ続きを読んでみたいと思っているので、自覚しているよりも気に入っているのかもしれません。

気になった方はガンガンオンラインでも試し読みできますので、そちらをのぞいてみてはいかがでしょうか。巻末の次回予告を見ると、どうやら本格的に動き出すのは次のようなので、今度はテンポ良く見せてほしいです。




[ 2012/05/04 21:29 ] 漫画 | TB(1) | CM(0)

2012年05月02日(水)

ゲーデルの哲学 

ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)ゲーデルの哲学 (講談社現代新書)
著者:高橋 昌一郎
出版:講談社
発行:1999/08/20

評価〔B+〕 それでもやはり難しいです
キーワード:論理学、不完全性定理、哲学、伝記

ゲーデルは、不完全性定理によって人間理性の限界を明らかにしながら、人間理性そのものを疑うことはなく、世界は合理的に進歩すると信じていた。(はじめにより抜粋)


アリストテレス以来の最大の論理学者、もしくはそれ以上の逸材と評され、二十四歳の若さで不完全性定理を証明したクルト・ゲーデル。彼の残した証明や論理を解説すると同時に、あまり知られていない彼の人間性や哲学を明らかにします。半分は初心者向けの説明、半分はゲーデルの人生を振り返る伝記のような感じです。同著者の『理性の限界』を読んで興味を持ちました。

不完全性定理をパズルやアナロジー(比喩的表現)を使って分かりやすく説明していて、まったく馴染みのない方でも大まかなイメージはつかめるようになっていますが、やはり元の理論が難解なだけに完全に理解するのは難しいと思います。また、『理性の限界』にある記述もあるので、個人的にはそれほど新鮮味はありませんでした。

神の存在論は、相変わらず禅問答のようで分かったような分からないような気分になりました。ただ、それらの証明は唯一神を対象としているみたいで、そのあたりはキリスト教(または一神教)の影響かなーと思ったりもします。それ以外にも人間機械論やランダム性について書かれています。ランダム性はようやく少し分かった、ような気がします。

中盤の伝記では、論理を重視し内気で頑固だったゲーデルの内面を垣間見ることができます。仲の良かったアインシュタインと散歩をするのが好きだったと書かれています。二人の天才はどのような会話をしたのか興味がわきます。意外と普通の世間話だったのでしょうか。それに、アインシュタインもそうですが周囲が有名な人ばかりなのが凄いですね。現代コンピュータの基礎を作ったフォン・ノイマン、言語哲学のウィトゲンシュタイン、現代数学の父・ダフィット・ヒルベルト……。特にノイマンは、「二十世紀最高の知性」と呼ばれるたびに、それは自分ではなくゲーデルだと返答していたことから、ゲーデルがいかに桁外れの才能を持っていたかが分かります。

不完全性定理も神の存在論も難解で、特に後者のゲーデルの存在論的証明はイメージをつかむことすら困難です。初心者にも分かるようにとありますが、本当に予備知識0の人が読んでも理解できるのでしょうか……。理解は本当に大まかな部分だけにとどめ、ゲーデルの伝記を読んでいると割り切れば良い本だと思います。




[ 2012/05/02 23:14 ] 心理・哲学 | TB(1) | CM(0)

2012年05月02日(水)

2012年4月の読書メモ 

Q.E.D.―証明終了30〔B+〕
付喪堂骨董店〈3〉―“不思議”取り扱います〔C+〕
アラクニド2〔B+〕
ネットデフレ ~IT社会が生み出した負のスパイラル~〔D+〕
わ!1〔B〕

女子中学生の小さな大発見(新潮文庫)〔B+〕
わ!2〔B+〕
月見月理解の探偵殺人4〔B〕
グロテスク〈上〉(文春文庫)〔B-〕
グロテスク〈下〉(文春文庫)〔A〕

以上の10冊でした。新書を読もうと思っていたのですが、実際は漫画とラノベが多かったです。

期待していたネットデフレは残念でしたが、深い考えもなく手にとってみたグロテスク(上下巻)が、凄くて驚きました。面白かったり感動したりではなく、人の心の闇をまざまざと見せつけれて衝撃的でした。

今月中旬から時間ができて、後半は大目に感想文をアップできました。ここ数週間は、漫画を含めてですがなかなかのペースで読んでいます。来月は多くなりそうです。




[ 2012/05/02 22:54 ] 月別まとめ | TB(1) | CM(0)