評価〔B-〕 アンティークに人生を左右される人々キーワード:骨董店、オカルト、連作短編集
「それは防音だからよ。でも『明鏡』は違う。音を遮断するのよ」(本文より抜粋)
不思議な力を持つ道具・アンティークにまつわる悲劇あるいは喜劇の短編集です。一話完結で4話収録。前回に引き続き、付喪堂骨董店~FAKE~の面々が様々な出来事に遭遇します。
音を消し去る鏡、人間をコピーするマスクと不思議な道具が出てきますが、いずれも大きく人生を変える可能性があるものです。便利ですが危険でもあります。動機は何であれ、アンティークに深入りしすぎたあるいは虜となってしまった人々の未来は、順風満帆とは言えないでしょう。道具ではなく使用者次第。
全体的に1巻と同じような感じです。捻ってはいますが、衝撃的だったということもありませんでした。少しだけあの人の過去をにおわせた場面もありましたが、あれだけではちょっと不満です。もう少し何か欲しかった。意表を突かれたのは、「化粧」で咲がドアを開けた時の刻也の発言です。言われた時の咲の顔が見てみたい。
今回出た人物では、「死目」に登場する麗華が印象深いです。なかなか強烈な個性を発揮しています。
口絵の右5人の中央の人物は誰なんでしょうか。都和子?そういや彼女は今回も影が薄かったです。メインの3人のひとりなのだから、もう少し出番があっても良いよね。咲、刻也の過去と共に次の巻以降に期待です。