2011年06月29日(水)

超能力番組を10倍楽しむ本 

超能力番組を10倍楽しむ本超能力番組を10倍楽しむ本
著者:山本 弘
出版:楽工社
発行:2007/03

評価〔B+〕 子供向けですが騙されやすい大人にも
キーワード:超能力、オカルト、超心理学、

「テレビで見るだけじゃ、本物かどうか断定するのはむずかしいってことね」(第1章より抜粋)


地下鉄サリン事件の後、しばらくはオカルト番組は自粛していたようですが、数年前からスピリチュアルや幽霊の番組が見かけるようになりました。本書は、それらと同じ分野で、かつては流行していた超能力番組の真相について書かれています。中を見るとすぐ子供向けと分かりますが、内容は大人が読んでも十分楽しめると思います。まぁ10倍は誇張ですけど。

素直ですが知識のない中学生2人の勇馬と夕帆が、夕帆のパパに質問する形となっています。一見、信じてしまいそうになりますが番組の数々ですが、映像を細かく検証すると穴が見えてきます。トリックは手品に精通している人ならば見破れるのですが、巧妙な番組の編集はなかなか分かりません。しかし、登場人物の著書を読み、番組外での実験結果も調べると、番組では隠されていたものが見えてきます。特に第6章のFBI超能力捜査官では、実際に現地を取材し徹底的に検証しているのは、頭が下がります。すごい。

この手の本を読んだのは初めてではないので、衝撃的ってほどではなかったのですが、改めてテレビの言うことは簡単に信じないほうが良いと感じました。もし、この類の本がこれが初めてでしたら、評価S-くらいかもしれません。それにしても、プロジェクト・アルファは本当に良い教訓だと思います。番組にももっとマジシャン呼ぼうよ。

オカルト番組は好きなので見るほうですが、やはり誠実に科学的に実験をしてもらいたいものです。出演者も製作側も。さっき文を書いていて気づいたのですが、勇馬と夕帆はUMAとUFOが由来なのでは? だとしたら、著者もだいぶオカルト好きだよね。





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[ 2011/06/29 20:29 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2011年06月26日(日)

月見月理解の探偵殺人2 

月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)月見月理解の探偵殺人 2 (GA文庫)
著者:明月 千里
出版:ソフトバンククリエイティブ
出版:2010/04/15

評価〔B+〕 エピローグが良い感じ
キーワード:殺人ゲーム、サスペンス風

「誰にも見抜けない変装で他人に成り代わり、仮度捕まえても殺しても現れる不可解な存在、故に《ドッペルゲンガー》という通り名がついている」(Phase2より抜粋)


初の所属する放送部に星霧交喙(いすか)が入部してきます。時を同じくして理解も初の前に現れ、交喙の姉・花鶏(あとり)を調べていると伝えます。彼女を追ううちに、初たちはノアズ・アークと呼ばれる場所に閉じ込められる、といったお話です。1巻と同じように、傍若無人に振る舞う理解と彼女に付き合わされる初が、再び殺人ゲームに挑みます。

今回の監禁脱出ゲームは、探偵殺人ゲームより複雑で分かりにくいですが、探偵殺人ゲームの時よりはきちんと展開の軸となっていると思います。でも、もう少しじっくりやって欲しかったかも。緊張感あるゲームもしくはコンゲーム(騙し合い)は面白いです。こういうのが好みなのかもしれません。理解に勝るとも劣らない能力を持つ交喙の動向がポイントです。

1巻でも言われていたのですが、どことなく西尾維新を連想させる文章です。本書を読んでいてその印象が強くなりました。初の突っ込みは、戯言シリーズのいーちゃんのそれと似ています。だからかな。

個人的には二つのエピローグが良い終わり方でした。全体的にサスペンスっぽくて良いです。推理小説風ではなくサスペンス風。展開の完成度が高い訳ではないのですが、気に入っています。次も楽しみです。




[ 2011/06/26 12:13 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2011年06月21日(火)

レジンキャストミルク1 

レジンキャストミルク (電撃文庫)レジンキャストミルク (電撃文庫)
著者:藤原 祐
出版:メディアワークス
発行:2005/09

評価〔C〕 暗めの異能力学園もの
キーワード:現代、SF、異能力、学園、

この世界の存在ではない存在。或いは、この世界の存在ではない存在が入り込んだ存在。(chapter1より抜粋)


高校が舞台で、主要キャラが超能力のような異能力を持っていて、これで明るくコミカルで恋愛も数多くあればよくありそうなライトノベルなのですが、そうではありませんでした。

虚軸(キャスト)と呼ばれる架空世界の存在が、この世界に入り込んでいる世界。主人公の城島晶は、学校内にいる虚軸たちと学園生活を送っていたが、ある日、一人の少女の口から意外な言葉から事件が始まります。全体的にシリアスな感じで、時々明るいシーンもあるにはあるのですが、重めの物語です。表紙のあの雰囲気はなんだったのか、と口にしてしまいそうなくらいです。異能力バトルがメインではなく、虚軸と関わり能力を手に入れるのと引き換えに、精神に欠落ができてしまった登場人物たちが見所です。

気になったのは、上記の虚軸と書いてキャストと読むのような、二重表記がかなりある点です。ラノベにはつきものかもしれませんが、ピンとこないものもあってか読みづらかったです。格好良さより分かりづらさが先にきてしまいました。また、展開もクライマックスもいまいち盛り上がらなかったような……単に合わなかっただけなんでしょうか。気に入りそうな設定だっただけに、惜しいです。

題名をはじめ、劇中に出てくるリターダやランナなどは、模型用語だそうです。模型に明るければその呼び名にした意図も分かって、もう少し楽しめたのかもしれません。




[ 2011/06/21 20:12 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2011年06月16日(木)

鬼灯さん家のアネキ2 

鬼灯さん家のアネキ (2) (角川コミックス・エース・エクストラ 22-2)鬼灯さん家のアネキ (2) (角川コミックス・エース・エクストラ 22-2)
著者:五十嵐 藍
出版:角川書店(角川グループパブリッシング)
発行:2010/10/04

評価〔B〕 基本的に1巻と同じ
キーワード:ギャグ、兄弟姉妹、

「君は姉をそういう対象として見すぎだね」(本文より抜粋)


鬼灯家の血の繋がらない姉と弟が繰り広げる、日常系シスコンラブコメディです。おおむね1巻の勢いそのままです。

ハルと吾朗の二人だけの時より、学校の友人や楓がいるときのほうが面白いです。また、1巻同様4コマでない短編もあって、変化があって良いと思います。4コマは4コマで良いんだけど。それにしても、吾朗ちゃんは運動能力が低いですね……がんばれ!

終盤、姉弟の過去が少し明かされます。それほどハルが好きではなかったのですが、これを読むと彼女を見る目が変わりました。世の複雑な家庭環境は、あのような感じなのかもしれませんね。

気軽に手にとって笑えるので、この調子でのんびり続いてもらいたいと思っています。



[ 2011/06/16 19:09 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2011年06月08日(水)

沈黙のフライバイ 

沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)沈黙のフライバイ (ハヤカワ文庫JA)
著者:野尻 抱介
出版社:早川書房
出版日:2007/02

評価〔B+〕 地に足が着いたSF
キーワード:SF、現代

「こっちから出かけてって、地球外文明を探したくはないかってことだ」
「そんなこと、できるんですか」
「できるさ」(表題作より抜粋)


JAXA(宇宙航空研究開発機構)職員が謎の有意信号に挑む表題作を始めとして、5つ作品が収められたSF短編集です。フライバイは天体への接近通過、または重力による宇宙船の軌道操作(別名スイングバイ)を意味します。この題名から察することができるように、科学的な論理を重視したいわゆるハードSFです。

SFが苦手な人が想像するSF小説のように、専門的で難解な箇所もありますが、ストーリーの分かりやすさや面白さがその弱点を補ってくれています。論理的であるためか、遠い未来の話ではなく近いうちに現実のものとなりそうな雰囲気があります。違和感ある表現ですが、地に足が着いているSFです。また、解説で野尻の小説は気負いがないと評しているのも、分かるような気がします。どの短編も、なんとかなるよ、という空気が流れています。

そんな現実味と気負いのなさが両立している、1人の大学生が宇宙を目指す「大風呂敷と蜘蛛の糸」が気に入っています。こう経験ある専門家ではない主人公が、独創的なアイディアと熱意で突っ走る様はなかなか格好良いです。エッセイ風に書かれた「轍の先にあるもの」も、途中まで事実を元にして書いているので、展開が未来に達してもあまり違和感がありません。作中で描かれたインド洋上空のアレの建設も、実際はあんなふうになりそう。

地球存亡の危機や人類滅亡の窮地はまったくありません。映画のような派手さの代わりに、現実的な夢のあるSF小説となっています。





[ 2011/06/08 20:03 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2011年06月03日(金)

クラインの壷 

クラインの壷 (新潮文庫)クラインの壷 (新潮文庫)
著者:岡嶋 二人
出版:新潮社
発行:1993/01

評価〔B+〕 仮想現実の世界
キーワード:SF、仮想現実、ゲーム、現代

信じられなかった。僕の周りにあるものは、すべてが本物だ。この上着も、靴も、ベッドも壁も天井も、前にある小さなドアも――なにもかもが本物だった。本物としか思えない。(本文より抜粋)


新しいゲームの原作者として開発に関わることとなった上杉彰彦は、もう1人のモニター・高石梨紗とともにゲームの世界に入り込みます。そこは、現実とまったく区別のつかない仮想現実。テストを続けるうちに、事態は思わぬ方向へ、というサスペンス風SFです。1989年出版の単行本の文庫化。

SFにありがちな難解な説明はなく、登場人物も少ないので、すんなり読むことができます。文体が一人称なので、上杉の困惑や興奮がよく分かります。そして、読み進めるうちに、仮想現実の楽しさと怖さが実感できるのが面白いです。同じような感じのラノベ、高畑京一郎の「クリスクロス」を思い出しました。あちらとは違った面白さがあります。

惜しいのは、昔の作品なので、情報量がテラバイトになると言った発言に現実味がないことです。本物そっくりの仮想現実は、限定的でもテラ単位では無理なんじゃないのかな。また、終盤までは良かったのですが、どうも結末が好きではありません。うまく表現できませんが、こう、きっちり終わって欲しかったです。

岡嶋二人は、二人の作家からなるペンネームだそうです。あとがきによると、すでに解散されているとか。ちょっと残念ですね。




[ 2011/06/03 20:02 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2011年06月02日(木)

2011年5月の読書メモ 

運は数学にまかせなさい――確率・統計に学ぶ処世術〔B+〕
すべては一杯のコーヒーから (新潮文庫)〔B〕
惑星のさみだれ1〔C-〕
空ろの箱と零のマリア2〔B+〕
放課後プレイ2〔B〕
ハムレット (新潮文庫)〔B〕
ペンギン・サマー〔B〕

以上の7冊でした。ここのところBばかりですね。5月も1つを除いて全てBです。悪くもなければ凄く良いわけでもなく。まあ、CやDばかりになるよりはいいか。

唯一Cの「惑星のさみだれ」は、どうも期待しすぎていたようです。最終巻の評価がとても良かったので期待していたのですが、思っていたほどではありませんでした。

ラノベは2冊。もっと読んだような気でいたのですが。来月もこんな感じでいきたいと思います。



[ 2011/06/02 19:48 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)