2011年02月24日(木)

罪と罰1(アクションコミックス) 

罪と罰 1 (アクションコミックス)罪と罰 1 (アクションコミックス)
著者:落合 尚之
出版:双葉社
発行:2007/07/03

評価〔B〕 重く暗く深刻な漫画です
キーワード:シリアス、漫画化、

僕の心に「計画」の種子が宿ったのはこの時だった。(第3話より抜粋)


ロシアの文豪フョードル・ドストエフスキーの代表作「罪と罰」を漫画化したものです。小説をそのままそっくり漫画にしたのではなく、原作の大筋を残し、現代の日本に合うように作り直した作品。モチーフ?オマージュ?そんな感じです。

大学に行かず部屋にひきこもる裁弥勒(たちみろく)は、援助交際をする女子高生リサとヒカルと偶然出会います。弥勒は2人の状況を知るにつれ、ある計画が心に浮かび、そのことで苦悩していきます。まず言えることは、とにかく暗くて重いです。現代の社会問題が強調され、読み進めていくのが辛いのですが、それでも引き込まれ先を読みたくなる面白さがあります。面白いと表現するのは躊躇われますが、先が知りたくなるのです。それに加えて、緊迫感もあります。まだまだ序章で問題の計画も実行されていないにも関わらず、ずっと張り詰めた空気の中にいるような感覚を覚えます。

弥勒自身も自覚していますが、ヒカルの大物ぶりが凄いです。でも、彼女があのような極端な人物だからこそ、話が引き立ち、深刻さも増しているんだと思います。1巻の最後で計画がどういうものか分かるのですが、次はもっと重くなりそうです。裏表紙の穏やかさは一体……。

原作は未読で、粗筋も途中までしか知らないので、最後はどうなるのか分からないのですが、予定調和ではなくしっかりと終わりまで描ききって欲しいです。現時点で9巻まで出ていますが、評価も良いみたいなので一安心。ゆっくりじっくり読んでいきたい作品です。





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[ 2011/02/24 20:58 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2011年02月22日(火)

ヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 

ヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 (電撃文庫)ヴァルプルギスの後悔〈Fire1.〉 (電撃文庫)
著者:上遠野 浩平
出版:アスキーメディアワークス
発行:2008/08/10

評価〔B-〕 魔女戦争の幕開け
キーワード:シリアス、超能力

「私は、私の運命に出会いに行くわ――空っぽの自分を捨てて、強くて無敵の存在に生まれ変わるのよ。」(chapter oneより抜粋)


ブギーポップシリーズの外伝です。このシリーズの主人公は、表紙を見て分かるように霧間凪です。炎の魔女と呼ばれ、正義の味方として活動している高校生で、本編では真相にあと1歩届かずといった感じの彼女ですが、ついに主役をはります。

時間軸は、もう1つの外伝「ビートのディシプリン」と同じ頃です。「ビート」に登場していたアルケスティスなる魔女と、魔女ヴァルプルギスとの争いが焦点となっています。魔女の言動を見ていると、凪がどこか運命に導かれて行動しているように見えるから不思議です。大きく物語が動き始めます。このファイル1では、統和機構や凪の関係者が多数出てきますが、まだまだ序盤。ファイル2以降への準備段階のように感じました。少し物足らないのは仕方がないのかな。この巻だけの見せ場が欲しかったですね。

話が入り組んでいるし登場する人物も多いので、読後に関係の深そうな「ビート」シリーズを再読しました。あちらのあのシーンが、本書のこのシーンの裏側なのか、と接点が分かると面白いです。キャラと言えば、新キャラのドーバーマンの影が薄いですね……リキ・ティキ・タビもとらえどころがなく、印象が弱いなあ。反対に、冥加暦は出番が極端に少ないながらも印象に残りました。再登場はあるのかな?

ヴァルプルギスの後悔というタイトルが意味するのは、何なのかも気になるところです。この巻だけでは判断しにくいので、今後に期待します。





[ 2011/02/22 21:29 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2011年02月18日(金)

手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~ 

手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~手紙屋~僕の就職活動を変えた十通の手紙~
著者:喜多川 泰
出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発行:2007/08/15

評価〔C+〕 小説風自己啓発本
キーワード:就職、人生論、仕事論、自己啓発、

僕はいろいろ考えたが、ふと視線を上げると例のポストカードが目に入った。『あなたの能力は、今日のあなたの行動によって、開花されるのを待っています』(第一期より抜粋)


遅ればせながら就職活動を始めた大学生・西山諒太は、お気に入りの喫茶店で「手紙屋」の存在を知ります。手紙屋と手紙のやりとりを進めるにつれ、迷いがあった就職活動が徐々に変化していく、そんなお話です。ストーリー仕立ての自己啓発本。

副題にもあるように、主に働くことについて書かれています。そもそも働くとはどういうことか?成功するには?何を目標にするか?などの大切なことが、例え話を交えて分かりやすく綴られています。「あなたの称号」はなかなか興味深いです。あとがきでも触れていますが、ただ単に目的もなく生きるのではなく、夢を実現させて欲しいという著者の願いが伝わってきます。

しかし、内容の大部分が、他の本でも既に同じように書かれていて、目新しさは感じられませんでした。社会人には実体験を通して知っていることもあると思います。また、あまり現実的でなく理想かなと思える箇所もありました。それに小説としては平凡な作品です。他人の書評が高評価ばかりだったので、期待し過ぎだったのかもしれません。

就職前の学生さん向けです。既に働いている人には、初心忘るべからず的な本かな。働くことに迷いが生じたり、何か新しい仕事につくことになった時に、改めて読みたいです。





[ 2011/02/18 21:56 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2011年02月09日(水)

計算力を強くする 

計算力を強くする (ブルーバックス)計算力を強くする (ブルーバックス)
著者:鍵本 聡
出版:講談社
発行:2005/08/21

評価〔C+〕 四則演算が苦手な方へ
キーワード:計算、算数、掛け算、足し算、概算、

そんなふうに、計算力がないために、「自分は数学が苦手だ」とか「自分は技術職には向いていない」と信じ込んでしまっている学生や大人が結構多いように見受けられます。(はじめにより抜粋)


面倒な計算や複雑な計算を電卓抜きでしなければならない時、自分にもっと計算力があれば良いのにと思ったことはないでしょうか。そんな一見暗算できなさそうな計算式も、速く正確に答えを導けるコツを教えてくれるのが本書です。足し算、引き算、掛け算、割り算について、学校ではあまり教えない便利な計算方法を紹介しています。

この本では、計算の式を頭の中で簡略化することを「計算視力」と呼び、その計算視力を鍛えていきます。例えば、14×45なら、14×45=(7×2)×45=7×(2×45)=7×90=630と5の倍数を先に計算すると、暗算でも楽にできるようになります。このようなテクニックが満載です。また、暗記しておいたほうが楽な累乗や分数の値、大まかな答えを知りたい時の概算方法、約分の簡単なやり方などもあります。

読んでいると、便利だけれど暗記しなければならない数値もあり、なんか塾か予備校のようだと思いながら著者の経歴を見てみるとやはりそうでした。そこまで覚えなくてもと思うようなもの、例えば0.675=5/8、があるのもなんか納得。それと、計算を楽にするテクニックですが、半分くらいは既に実践していてがっかりしたというか残念でした。加えて5章の内容も半信半疑です。

便利で感心してしまうコツもありますが、やはり算数が苦手な人におすすめの本です。特に、長い計算式を前から順に正直に解いてしまう人向き。自分なりに計算を楽にしようと試行錯誤したことがある人には、それほどではないかもしれません。迷ったのですが、うーん、C+かな。





[ 2011/02/09 21:31 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2011年02月06日(日)

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 

たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)たいした問題じゃないが―イギリス・コラム傑作選 (岩波文庫)
著者:行方 昭夫
出版:岩波書店
発行:2009/04/16

評価〔B〕 エッセイの本場の作品たち
キーワード:エッセイ、コラム、イギリス、外国文学、近代、

ブラウン夫人が問題視する蛮族も、鼻からリングを外すのには同意しても、耳に下げるのは当惑して断るだろうと想像する。(趣味についてより抜粋)


二〇世紀初頭、イギリスで隆盛したエッセイ文学の選集です。代表的なガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの作品が収録されています。読みながら「なんか今の新聞のコラム(例えば読売新聞の編集手帳など)のようなだな」と思っていたら、あとがきにそう書いてありました。本書のようなエッセイが元となっているらしいです。ちなみに題名にコラムとありますが、これはエッセイと同義であまり肩肘を張らずに読めます。

基本的に気軽に気楽に楽しめますが、それだけでなくイギリス流の皮肉と機知に富んでいます。直接言わない捻った物言いや、洒落た例えが持ち味です。そのあたりは前に読んだ「サキ短編集」を連想させます。こちらのほうが明るくクスッと笑えますけどね。ガードナーは分析・教訓、ルーカスは小説、リンドは皮肉・発想、ミルンは空想、のような印象を受けました。ガードナーとリンドが好みかな。

リンドの「冬に書かれた朝寝論」は、朝なかなか起きられないことに対して色々な弁明していますが、記事の最後に書かれた原書の英語タイトルを見ると、本人も分かっていて長々と書いていることが分かり面白いです。こういうのをユーモアと言うのだと感じました。

ギャグ漫画のように何も考えずに笑うのではなく、ちょっとだけ渋めの笑いです。ただ笑って楽しむだけでなく、物の見方や言い回し、発想の転換などに刺激を与えてくれます。100年近く前の作品群ですが、時の隔たりをあまり感じさせないエッセイです。




[ 2011/02/06 17:25 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2011年02月02日(水)

2011年1月の読書メモ 

エンマ8〔A-〕
ボクらのキセキ〔D+〕
世縒りゆび〔D+〕
異文化理解〔C+〕
アリスへの決別〔A-〕
GOTH(英語版)〔B〕
人間はどこから来たのか、どこへ行くのか〔S〕
夏の前日1〔B〕

1月はだいぶ評価が分かれた結果となりました。DとCの3冊は趣味が合わないことは確かなのですが、それとともに読んだ時の機嫌が悪かった、もしくはストレスがたまって情緒不安定だったのも無関係ではなかったと思います。もう少しだけ高くても良かったかも。読書する時の精神状態も大切だと痛感しました。

英語版GOTHは漫画なので、漫画とそれ以外が半々。今年初のSは新書でした。科学読み物。ロボットとは何かと言いこれと言い、どうも最先端の学問に弱いようです。元となった番組も見てみたいなあ。

上記の本の他に、ゲーム攻略本の「零‐zero‐パーフェクトガイド」を入手。読んでいます、いや有効活用しています。




[ 2011/02/02 20:40 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)