2010年07月31日(土)

脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める 

脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)
著者:築山 節
出版:日本放送出版協会
発行:2008/04

評価〔A〕 心や思考がまとまらない時に
キーワード:SF、現代

こういう時代は、脳を活かして自分を飛躍させていくチャンスでもあると思いますが、世の中、そんなに強い人ばかりではありません。思考と気持ちの整理が上手くできず、やる気を失ったり、パニック状態に陥ったりしがちな人も多いのではないでしょうか。(はじめにより抜粋)


最近は一昔前にくらべて、時代の流れが早くなり得られる情報も格段に多くなりました。脳神経の専門医である著者は、情報化社会・競争社会で生きていく中で、思考が混乱したり心の整理がつかなくて不安になる人も多くなってきていると説き、その対策として書かれたのが本書です。

気持ちを整理し意欲を高め、脳を整理し問題解決に役立てる具体策が書かれていますが、どれも簡潔で分かりやすく、すぐ実行できそうなものばかりです。各項目の最後にはまとめとして再度2行くらいで要点が挙げていて、後で見直す時に重宝するでしょう。

思考よりも気持ち・感情の整理術のほうが、自分には参考になりました。「5歩先に解決がある問題の1歩目を見つける」や、未来に作業を割り振る「その日・その時の私」などが印象的。「社会的な脳」で不快を解消するのは難しそうです……。これらの具体策は、人によっては既に知っていたり実践していたりする点が、本書の弱いところかな。それと、飛躍的に能力が向上するわけではないのでご注意を。

最後に待つことの重要さに触れていることでも分かるように、全体的に著者の心の広さみたいなものを感じました。ビジネス書のように強すぎる前向きさがないのが心地よいです。苦境で立ち止まってしまった人のために、劇的ではありませんが一歩一歩着実な解決策が提示されていて、心強く頼りになると思います。



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[ 2010/07/31 22:51 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2010年07月27日(火)

魔法行商人ロマ1 

魔法行商人ロマ 1 (少年サンデーコミックス)魔法行商人ロマ 1 (少年サンデーコミックス)
著者:倉薗 紀彦
出版:小学館
出版:2009/09/17

評価〔B-〕 欲に溺れないように
キーワード:魔法、オムニバス、現代

お金はいらない…。私達が欲しいのは…その大きな“欲望”…(本文より抜粋)


仮に、何か強い望みがあり、その望みを叶えてくれる道具があったとしたら、どうしますか? そんな人の欲を明るい絵柄で描いているのが本書です。クラブサンデーというサイトで連載しているのを偶然知り、少し読んで気になったのが読むきっかけとなりました。

謎の少女ロマが大きな欲望を持つ人間に魔法具を与え、かわりにその欲望をもらう。一話完結のオムニバス形式で進みます。ロマの目標が毎回変わる、つまり違う欲望を持つ人間が登場するので、なかなか興味深いです。絵柄に反して緊張感や重みのある結末になることが多く、意外で良かったと思います。

ネットで読んだ時は、さっぱりし過ぎかな~と感じていたのですが、1巻を全部読んだ感想は予想より面白かったです。1話・レリスの魔券はなかなか。

ただ、「バイクが欲しい」など目標の欲望が大きいと思えないものもあり、違和感がありました。また、目標が十代の若者ばかりなのも偏っている気がします。表紙折り返しにあるように、著者が若い読者に向けて書いたものだから、そうなっているだけかもしれませんけど。

オムニバスはマンネリが心配ですが、そうならないよう期待したいところです。ダークでバッドエンドが多い漫画ですが、読後感は悪くはなく楽しめます。





[ 2010/07/27 22:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年07月23日(金)

化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー  

化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)化け猫とめまいのスキャット―ブギーポップ・ダークリー (電撃文庫)
著者:上遠野 浩平
出版:アスキーメディアワークス
発行:2009/12/10

評価〔B+〕 基本に戻って世界の敵退治
キーワード:シリアス、超能力

「自分自身で“最強”とか名乗っている、あの強気で能天気な彼では、とても勝負にならない。戦いようがないはずだ。何も通用しない――このスキャッターブレインには」(P17より抜粋)


もう何年も続いているブギーポップの、バルプルギス編は除いた最新刊です。とは言っても出版されたのは昨年のことですが。本編を読むのは久しぶりです。

有能な合成人間セロニアス・モンキーが消息を絶った――彼女が最後に伝えてきた言葉、スキャッターブレインの謎を解明すべく、その事件の調査を引き継ぐことになったフォルテッシモ。一方、学園祭の迫る市立音梨中学写真部では、一風変わった転校生・無子規憐がきっかけとなり、ブギーポップのいる風景を撮ることにあります。この2つの視点で物語は進行し、事件の全貌が明らかとなっていく、世界の敵対ブギーポップのお話です。最近は統和機構絡みの話が多いのですが、今回は初期の頃のようにMPLSとブギーポップが中心です。

フォルテッシモが調査員の時点でかなり緊張感がないような気がします。物理的な防御力は最高なので。無敵の能力と称されるスキャッターブレインが相手でちょうど良いくらいかもしれません。こういう能力を見ていると、統和機構はそろそろ衝撃波系以外の合成人間を作るべきだと思います。市井のMPLSのほうが断然強い。

【ここからネタばれ】
支配から逃れるために一瞬だけ死ぬとありますが、あれはちょっと納得いかないなあ。一瞬でも死んだら復帰できないのでは? それにしても主観がなく精神攻撃が効かないブギーは強過ぎ。なんかズルイ。(笑)
【ネタばれここまで】

少し気になったのが登場人物の男女が幼馴染であることです。この設定、結構多いよね。

スキャッターブレインの能力のせいか話が大きく見えますが、登場人物たちが自分の問題と向き合う小さな感じがこのシリーズらしくて良かったです。強い印象はあまりないけれど、好感が持てます。でも、次はシリーズ本編を進めて欲しいかな。




[ 2010/07/23 22:02 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2010年07月20日(火)

マンガで分かる心療内科1 

マンガで分かる心療内科 1 (ヤングキングコミックス)マンガで分かる心療内科 1 (ヤングキングコミックス)
著者:ゆうき ゆう
出版:少年画報社
発行:2010/05/12

評価〔B+〕 WEBでも紙でも雰囲気は変わらず
キーワード:心療内科、精神科、メンタルクリニック、ギャグ

このマンガで、この本が真面目に心療内科について扱う本だって、分かってもらえますかね…?(裏表紙より抜粋)


著者のサイトをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。楽しく分かりやすく精神疾患について解説しているWEB漫画の書籍版です。

本書は長編漫画ではなく、1回ごとにテーマを設け、それについて登場人物である心内療と官越あすなの2人が解説していくスタイルになっています。各回7~9ページ程度で、時間をとらずに気軽に読めます。そして、WEB漫画でのギャグもそのままに、重い内容を扱っているとは思えないほど軽く明るいのが特徴です。

以前感想を書いた「メンヘラちゃん」もそうでしたが、うつや認知症など深刻な題材を分かりやすく、そして読んでもらえる形にするのは難しいことです。この軽さやくだらない笑いは、精神科や心療内科をよく知らない人々のためにあります。ギャグは、啓蒙のため、真面目にやっていると信じたい。(笑)

弱点は、解説が初歩の初歩で、おそらく患者が悩みを解消しようとして読んでも役にたたなそうな点です。何も知らない人向けに書かれた本なので、仕方ありませんね。それと、ギャグ。笑いは合う合わないがあるので、読者によって評価は分かれるでしょう。

もし初めて読んだのであったなら、もう少し高評価だったのですが、すでに知っていて読んだことのある回もあるのでB+あたりで。それはそうと、この漫画、ヤングキングで連載してるそうです……連載しちゃうんだ、この酷さで。(笑)




[ 2010/07/20 22:10 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年07月13日(火)

伝わる・揺さぶる!文章を書く 

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)
著者:山田 ズーニー
出版:PHP研究所
発行:2001/11

評価〔A〕 読み手のことを考慮するのがポイント
キーワード:文章作成、実用、

文章を書くのが苦手という人のほとんどが、どう書くか以前に、何をどう考えていけばよいかで、つまずいている。(プロローグより抜粋)


このブログの読書感想もそうですが、文章を書くのが苦手です。まず、何から書き始めようか悩みますし、書いたら書いたで読み返してみると、なんだか本心とは違った文章になっていることが多々あります。会話と違って見直す時間があるだけ、色々と思案してしまいます。文章を書くヒントが欲しいかな……と思って手にとってみたのが本書です。

豊富な語彙や表現力の技巧について書かれたものかなと思っていたのですが、作文が苦手な人のための本。学校の小論文のみならず、依頼文・謝罪文から日々のメールまで文章を書く機会は沢山あります。そんな時、相手にこちらの意見が過不足なく伝わるようなコツ、読み手の立場や気持ちを考えて書くコツが記されています。7つの要素と具体例、そして発展と、教科書のような構成ですが、それだけに分かりやすくかつ実用的です。論点を疑問文にしておく、はすぐにでも使えそうです。

元々ある程度文章が上手い人には既知のことが多く、もしかしたら物足りないかもしれません。また、作文のための思考に重点が置かれているので、小説や芸術のような情感たっぷりの文が書きたいと思っている方には、本の目的が違うので薦めません。著者がいうように、目指しているのは生活機能文・コミュニケーション文と呼ばれるものですから。

失敗例を含む数多くの具体例は、様々な状況で応用が利くと思います。メールまで取り上げて少々驚きました。作文は意思疎通の一手段であると再認識されてくれます。文を書くことに苦手意識を持っている人にはとても参考になり、有用な一冊になるでしょう。





[ 2010/07/13 21:59 ] 実用 | TB(0) | CM(0)

2010年07月07日(水)

夜市 

夜市 (角川ホラー文庫)夜市 (角川ホラー文庫)
著者:恒川 光太郎
出版:角川グループパブリッシング
発行:2008/05/24

評価〔B〕 悲哀が漂う異世界がらみのお話
キーワード:ホラー、現代、幻想的

「夜市が開かれるそうなんだ」
「なあにそれ?」
「市場だよ。いろんなものを売っている。行けばわかる。行ってみない?」(本文より抜粋)


たまにはホラーでもと選んだ一冊。表題作「夜市」と「風の古道」の2つの中編からなるホラー小説で、この著者のデビュー作だそうです。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。

2編とも現実世界と繋がっている異世界を舞台にした話で、多くの人々がネットで評していますが、幻想的で童話かファンタジーの佇まいです。ホラーでなくはないですけれど、第一印象は恐怖ではなく不思議なのではないでしょうか。それと、市が縁日を、古道が昔の旅を連想させるので、どこか郷愁も覚えます。

特徴は難解な表現や単語がほとんど使われていなく、すらすら読むことができます。しかし、陳腐な感じはせず、余計なものがなくて読みやすいです。ただ、もう一押し何か欲しいような気もします。中編だからかなあ。「夜市」は長編で読みたかったです。

予想していたよりも怖くなく、物悲しさが残るけれど読後感は悪くありません。久しぶりにこういうタイプの小説を読んだかも。ホラーを読んでみるのも悪くないと思わせてくれる作品です。





[ 2010/07/07 21:35 ] 小説 | TB(1) | CM(1)

2010年07月01日(木)

2010年6月の読書メモ 

プシュケの涙〔A-〕
エンマ6〔B-〕
読書について他二篇〔A-〕
神様のメモ帳〔B〕
70億の針3〔A+〕

以上、5冊でした。だいぶ読む本の分野が散らばった一ヶ月だったと思います。その割には評価もAとBだけで、少し落ち着いた感じとなりました。

「読書について」を読んでみて、少し古典作品に興味がでてきました。まったく読めないわけでもなさそうですし。なにか有名なやつでも挑戦してみようかな。





[ 2010/07/01 21:18 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)