2010年04月28日(水)

メンヘラちゃん 

メンヘラちゃん

著者:琴葉とこ
サイト:K.
完結:2010/03/14

評価〔S〕 このテーマをここまで描けるとは……
キーワード:鬱、精神病、ギャグ、4コマ

僕には女の子の友達が2人います。(第1話より抜粋)


今まで感想文は入手して読み終わった本だけにしていたのですが、このWEB漫画を読んですごく感想を残して置きたくなったので、書き記すことにしました。

「メンヘラちゃん」は、琴葉とこさんが運営するサイト「K.」で公開されているWEB漫画です。その存在を知ったのは、たまごまごごはんで紹介しているのを読んでからです。とにかく絶賛している、しかも読もうと思えばすぐ読めるWEB漫画。興味を持ったので、早速読みました。

簡単に説明しますと、鬱っぽいメンヘラちゃん、普通の男子のけんこうくん、体の弱い病弱ちゃん、の3人が喋ったり遊んだり悩んだりする4コマコメディです。全107話。絵柄は可愛らしい感じ。メンヘラちゃんが暗いぶん、病弱ちゃんがこれでもかというくらい明るいので、調和が取れているように感じます。

特徴はなんと言っても鬱をメインに取り扱っている点です。前半は、暗くなりがちな題材をブラックジョークとして楽しませてくれます。間違うと不謹慎になりそうですが、その加減が上手いです。後半は、一転して鬱の辛いこと・嫌なことを、真剣に正面から描いています。息抜きにギャグを交えながらとはいえ、強烈です。

鬱病にかかった経験のある僕は、ギャグに笑うことができる反面、辛い心情も思い出したりもしました。例えばちょっとした出来事、50話の「うつぶる」なんて今でも良く思っていることだけに、共感しました。そして、不安や絶望など負の感情表現が凄く、非常に心が揺さぶられました。絵の訴える力は強いです。これ、描くほうも相当気合を入れて描いたんじゃないのかな。きちんと最終話まで描ききったのは立派で素晴らしいです。

さて。鬱っていまいち良く分からない、文章で説明されてもピンと来ないと思っている方も多いかと思います。そんなときには、是非この漫画を読むことが理解の助けになるでしょう。じっくり読んでもらいたいです。最終話のメンヘラの独白が実に良かった。色々思い出してしまったし、重要なことを再確認したWEB漫画でした。





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[ 2010/04/28 21:32 ] WEB漫画・同人漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年04月25日(日)

「空気」と「世間」  

「空気」と「世間」 (講談社現代新書)「空気」と「世間」 (講談社現代新書)
著者:鴻上尚史
出版:講談社
発行:2009/07/17

評価〔A-〕 心の拠りどころの変遷とでも言うのかな
キーワード:空気、世間、社会、セーフティネット

あなたが「世間」や「空気」をうっとうしいと思い、息が詰まるようだと感じ、時には、恐ろしいとさえ思うのなら、その重苦しさを取り払う方法は、ここにあります。(はじめにより抜粋)


「空気を読む」という言葉を良く耳にしますが、ではその空気とは一体何なのかを解き明かす本です。ただ単に会話術を書いたものではなく、集団における無言の圧力のようなものそれ自体の正体にせまります。空気はともかく、世間が嫌いな僕は、とても興味をひかれました。

「空気」は「世間」が流動化したものと仮説を立て、まずはかつて強大な力を持っていた世間について考えます。次に空気を、そして世間のない世界にできた社会と対比しながら分析していきます。世間の5つのルールは、言葉にできなかったもやもやを明確にし、なるほどと唸ってしまいました。

全てが著者独自の考察ではなく、阿部謹也や山本七平の研究から引用しているところが多数あります。先人の意見をふまえた上で分かりやすく持論を説明しています。セーフティネットとしての世間の崩壊から個人と社会の繋がりまで書かれているのは、とても興味深くて良かったです。それにしても世間原理主義者とはなかなかスゴイ表現です。

始めはテレビの例え話だったので、なんか嫌だなあと思いながら読み始めたのですが、読み易い文章のおかげか徐々にのめり込んでいきました。引用元の本も少し難しそうですが、後で読んでみたいです。





[ 2010/04/25 19:03 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2010年04月24日(土)

白いへび眠る島 

白いへび眠る島白いへび眠る島
著者:三浦 しをん
出版:角川書店
発行:2005/05/25

評価〔D+〕 僻地の雰囲気はでていますが……
キーワード:現代、離島、青春、オカルト、ホラー風、

「奥」はすぐ背後には山を、前面には大陸へ面した広大な海を持つ集落だ。海と山とのあいだのわずかな土地に、三十戸ほどの家々が点在し、百人にも満たぬ人々がのんびりと暮らしていた。(第一章より抜粋)


夏休みを利用して故郷に帰った高校生・前田悟史が、十三年ぶりの大祭に起きる出来事に巻き込まれる物語です。ホラーのような怪奇のような青春ものです。なお、本書は平成13年に出版された単行本「白蛇島」を改題、加筆したものです。

舞台は、拝島と呼ばれる離島の集落「奥」で、村独自の掟や深すぎる近所付き合いと、田舎の雰囲気もしくは閉鎖性が良くでています。特に「持念兄弟」の風習なんかは、茂太の昔話も一役かってか、いかにもありそう。

しかし、大祭がはじまるまでの前半は、説明が冗長でだれてしまいました。細かい記述が想像力をかきたてるよりも、話のテンポを悪くしていると感じました。話の筋そのものも、目新しいとは言えませんし……。また、三浦しをんの書く男性同士の友情は、「月魚」でもありましたが、どうもピンとこないなあ。嫌いというよりは、違和感があるというか何というか。

他の人の書評を見ても、内容よりもその雰囲気を楽しむ種類の小説だと思います。残念ながら、あまり面白いとは思えず満足感は得られませんでした。




[ 2010/04/24 22:23 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2010年04月18日(日)

無限の住人25 

無限の住人(25) (アフタヌーンKC)無限の住人(25) (アフタヌーンKC)
著者:沙村 広明
出版:講談社
発行:2009/09/23

評価〔B+〕 こうなったか……
キーワード:時代劇、江戸時代、不死

「あ――、これで終わりかあ」(本文より抜粋)


24巻から間を置かずに読みました。前巻の最後の盛り上がった気持ちのまま読み始めたので、すんなり物語に入れました。続けて読むのはもったいないなーとは思いつつ。

さて、まさかの展開になった万次対尸良の死闘、ついにこの巻で決着がつきます。そして、練造の恨みにも決着がつきます。どちらも、うーん、なかなかうまい表現が見つかりません。衝撃の結末は是非読んでもらいたいところです。

今まで残してきた課題がようやく清算された感じです。話はまだ続きますが、大きな区切りとなりました。次はまた六鬼団陣営かな?






[ 2010/04/18 19:21 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年04月18日(日)

無限の住人24 

無限の住人(24) (アフタヌーンKC)無限の住人(24) (アフタヌーンKC)
著者:沙村 広明
出版:講談社
発行:2009/02/23

評価〔B-〕 尸良
キーワード:時代劇、江戸時代、不死

「やっと………理解した……アンタを………! ゲグ……ゲ……ハハハハハ……ッ」(本文より抜粋)


切った張ったの時代劇漫画も24冊目。前巻で終わらなかった江戸城事件が一段落します。派手な事件の幕を引いたのは、壮絶なシーンでした。

そして、物語は表紙からも分かるように尸良が再登場します。悪役中の悪役、ある意味この漫画のラスボスのような人物で、今まで何度も物語から退場しそうになったのですが、ここでついに決着がつくのでしょうか?

また、不死力の謎について再び語られています。歩蘭人が断念した時点でもう終わったと思っていたのですが、その内容にかなり驚きました。あの考察は正しいのか、それともまだ謎が残されているのか……。

終盤で、決戦の場に集ってくる人物たち。この巻は助走のような感じで、山場は次の巻になりそうです。




[ 2010/04/18 19:06 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年04月15日(木)

結婚できない10の習慣 「婚差値40」の女 

結婚できない10の習慣 「婚差値40」の女 (リュウ・ブックス アステ新書)結婚できない10の習慣 「婚差値40」の女 (リュウ・ブックス アステ新書)
著者:角川 いつか
出版:経済界
発行:2009/04/24

評価〔C+〕 男側から見ると興味深いです。
キーワード:結婚、恋愛論、未婚女性向け

小さな「習慣」の積み重ねがあなたを作っているのだと私は考えます。そのベクトルの方向が結婚に向いていないから、あなたが結婚できないのだとしたら……。(はじめにより抜粋)


昨今よく耳にする未婚問題を扱った本ですが、これは女性の著者が未婚女性に助言するタイプのものです。以前「結婚難民」を読んだ後、女性側から男性側はどう見えているのかと好奇心を持ち、適当に探していたら辿り着いたのが本書でした。外国人が日本を語ることのように興味があったのです。

願望・生活・趣味嗜好と様々な習慣を10項目に分けて、それぞれなぜ結婚が遠ざかるのか解説しています。好みのタイプ・嫌いなタイプの表を作って吟味するなど、男性にも参考になりそうな意見がある一方で、「男はギャップに弱い」「付き合った男性の数は3人まで」等、どうも主観的で賛同できない助言もあることも確かです。

さらに、婚差値なる独自の指標を使って、どのくらい結婚に近いか判定しています。とは言っても、女性向けなので男性が試してみても参考にはならないでしょう。年齢に大きく左右されます。年齢で切る男性が多いからなんでしょうか。年収で切る女性と一緒ですね……。また、各章の間に挟まれたコラム江戸の結婚事情が面白いです。

読後、40前後のバブル世代の未婚女性向けのような印象を受けました。「はじめに」と「おわりに」で何だか違う論調になっているような気もしましたが、全体的になかなか興味深かったです。




[ 2010/04/15 21:57 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2010年04月11日(日)

世界制服1 

世界制服 1 (サンデーGXコミックス)世界制服 1 (サンデーGXコミックス)
著者:榎本 ナリコ
出版:小学館
発行:2008/08/16

評価〔D+〕 ドタバタした躁状態のような漫画です
キーワード:ギャグ、短編集、オタク、SF風

「…大切にされている……………」(イッツア・スモール・ワールドより抜粋)


SF風ギャグ漫画の短編集です。以前読んだ著者の「センチメントの季節」のイメージが強く、この本の存在を知って面食らいました。「センチメント」はシリアスな話が多かったような気がしたので……。

全部で6編収録されていますが、いずれもオタクやネットに関するネタが多いです。全体的に、よく言えば勢いがある、悪く言えば落ち着きがない・躁状態のように感じました。あとがきにも書いてあったように、作者が楽しんで描いているのがよく分かります。少し同人誌チック。

でも、どうもはしゃぎっぷりにうまく馴染めませんでした。自分のテンポと合わなかったのだろうか。読後、読書メーターで「テンションが高い」「疲れる」と同じような感想を持った人もいるのを知って、なんかホッとしました。フィギュアに関する「イッツア・スモール・ワールド」は、面白かったです。「プレ値が……」が地味に笑えます。他の話もあのような感じだったら、全体の印象ももう少し違っていたかもしれません。

絵も嫌いではないのだけれど、それほど楽しめませんでした。2巻以降を読むかどうかは躊躇します。ドタバタしたギャグが好きな人には気に入ってもらえるかも。






[ 2010/04/11 21:38 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年04月10日(土)

シュレディンガーのチョコパフェ  

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)
著者:山本 弘
出版:早川書房
発行:2008/01

評価〔A〕 色々なタイプのSFが楽しめます。
キーワード:SF、短編集、

なぜ彼らは詩人を呼べと言ったのか。それも誰にも分からなかった。やはりタブーなのか、インチワームは理由を言おうとしないのだ。(「メデューサの呪文」より抜粋)


様々な題材を幅広く扱ったSF短編集です。この本は、2006年に出版された「まだ見ぬ冬の悲しみも」の文庫版です。7つの短編が収録されていますが、定番である時間移動をはじめ異星人との交流や未来の高度な技術、そして人の意識と、SFにも色々あるのだなと感心していまいました。

表題も好きだけれど、新たに加えられた「七パーセントのテンムー」も好きです。そして何よりSFマガジン読者賞を受賞した「メデューサの呪文」が素晴らしいです。「メデューサ」だけで評価するならSです。著者があとがきで、SFとは筋の通ったバカ話と語っていますが、まさにそのとおりでした。臨場感というか説得力のある面白さです。

少し気になったのは、SF用語または物理学用語が詳しい説明なしに出てくるので、その方面の知識がないと戸惑うかもしれません。知らなくても話は分かりますが、知っていればより楽しむことができるでしょう。

他の著者の作品同様、少し説教くさいところもありますが、楽しく読めました。SFマニアよりSFを読んだことがない人に薦めたい本です。




[ 2010/04/10 21:41 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2010年04月10日(土)

読書メーターに登録しました 

もう先月のこととなってしまいましたが、読書メーターというサイトに登録しました。

このサイトでは、読んだ本のページ数や冊数をグラフにして読書量を記録・管理することができます。以前からブログ以外にも読書系のサイトを利用してみようと思っていたのですが、2年以上経ってからようやく登録しました。

先月からの記録なのでまだ始めたばかりですが、読んだ本を検索すると他の利用者のコメントを見ることができるので、なかなか面白いです。相性やまとめ機能なども興味深いです。

僕の記録は、http://book.akahoshitakuya.com/u/54735で見ることができます。こちらと違ってコメントは短いですが、記録するのはあちらのほうが少し早いです。いまのところ。

読書したら他人の感想も気になるところ。試しにのぞいてみてください。




[ 2010/04/10 21:40 ] お知らせ | TB(0) | CM(0)

2010年04月01日(木)

2010年3月の読書メモ 

生徒会役員共3〔B〕
となり町戦争〔D〕
「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL)〔B+〕
鬼燈の島3〔B-〕
近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」〔A-〕
パーツのぱ2〔B+〕
オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!〔B〕
ミミズクと夜の王〔A+〕
キーリ―死者たちは荒野に眠る〔D+〕
ACONY1〔B-〕

3月は10冊でした。今までで1番多かった一ヶ月となりました。やっと月間記録が10冊に達したのですが、一ヶ月の間にブログにこれ以上感想記事を書くのは難しそうです。予想以上に時間をくうこともありますので。それに、書いている時間を読むほうにまわしたい気持ちもあります。

でその10冊の内容は、漫画・ラノベ・その他が4:3:3です。新書は1冊しか読んでいなかったのか……。だんだんとフィクションにくわれつつありますが、また新書を読みたくなってきました。

評価Dが2つ出ましたけれど、これは趣味の問題のような気もしますので、それほど落胆はしていません。振り返ってみると、評価Cがないんですね。意外だ。



[ 2010/04/01 22:12 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)