2010年03月30日(火)

ACONY1 

ACONY(1) (アフタヌーンKC)ACONY(1) (アフタヌーンKC)
著者:冬目 景
出版:講談社
発行:2009/03/23

評価〔B-〕 ホラーっぽい設定のわりにのんびりしてます
キーワード:現代、ホラー風味、不思議少女

………………明らかに普通じゃないのに、たまに普通っぽい事いうこの子。このヘンな女の子との距離をどう測ったらいいものだろう……。(本文より抜粋)


13歳の少年・空木基海が、引っ越してきたアパートで不思議少女・アコニーと出会う場面から話は始まります。表紙はどことなく怖そうなイメージで、古いアパート・幽霊・ゾンビなどが絡む不気味な設定ですが、実際は穏やかでコミカルな雰囲気です。著者の他の作品で例えるなら、設定は「羊のうた」よりで、全体的には「イエスタデイをうたって」に近いかな。

本当に普通の少年である基海に比べて、不思議ちゃんと評されたアコニーは、歳相応に(?)喜怒哀楽が豊かで魅力的です。著者は友達少なそうな登場人物を魅力的に描くのが上手いよね。

物語の核心になかなか近づかず、早い展開を望む人にはまったく不向きですが、のんびりまったりとした空気を楽しめる人には気に入ってもらえると思います。うーん、イエスタデイ6巻より先に違うシリーズに手を出してしまった。どちらを優先しようかな。




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[ 2010/03/30 21:35 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年03月26日(金)

キーリ―死者たちは荒野に眠る 

キーリ―死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)キーリ―死者たちは荒野に眠る (電撃文庫)
著者:壁井 ユカコ
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2003/02

評価〔D+〕 文章は良いけれど、好みに合わなかったです。
キーワード:ファンタジー、霊感少女、不死人

伝説の不死人――自分と同じく死者の霊が見える、はじめて出会った人間。休暇のあいだだけでもついていって、もう少し話をしてみたい。(本文より抜粋)


霊感の強い少女キーリが、長期休暇初日に不死人の青年ハーヴェイと知り合い、成長していく小説です。あとがきにもある『いまいち退廃的な雰囲気の、鉄道旅行をメインの舞台とした物語』という表現がしっくりする、物憂い空気の漂う珍しいライトノベルです。第9回電撃ゲーム小説大賞“大賞”受賞作。

霊感能力者と科学によって生み出された不死人、そして幽霊の組み合わせは興味を引きますし、文章もキーリの心情を上手く表していて読みやすいと思います。しかし、話の展開に目新しいものはありません。加えて、最後のほうはどうも心を打たなかったと言いますか、面白くなかったと言いますか……。正直、自分の好みに合いませんでした。終わりに近づくにつれて、だんだん恋愛もののようになっていくのが残念でした。退廃的なままもう少しだけ人生についてあれこれ語って欲しかったなあ。第1話のルームメイトは良かったのに。ベッカはアクセントとなる良いキャラです。もう少し彼女の出番があれば、違ったものになっていたかも。

どこぞで「少女漫画的」と評されていましたけれど、確かに良くも悪くも少女漫画っぽい印象でした。なるほど、上手い言い方だ感心してしまいました。

「カスタムチャイルド罪と罰」が良かったので、処女作の本書を読んでみたのですが合いませんでした。ネットで多くの人が絶賛していたので、楽しめると思ったのですが……こういうこともありますよね。満足度と感動度を考慮して、つけたくはないけれどD+で。2巻以降はどうしようかなー。





[ 2010/03/26 20:59 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2010年03月24日(水)

ミミズクと夜の王 

ミミズクと夜の王 (電撃文庫)ミミズクと夜の王 (電撃文庫)
著者:紅玉 いづき
出版:メディアワークス
発行:2007/02

評価〔A+〕 平易な文章だけど、心に響きます。
キーワード:ファンタジー、童話風、御伽噺風

「よるのおー?」「夜の王、だ。月の瞳を持つこの森絶対の支配者だ。」(本文より抜粋)


久しぶりに読んだ気がするファンタジー作品です。ミミズクと名乗るひとりの少女が、魔物がはびこる夜の森で、夜の王と呼ばれる魔物の王に出会います。読むまでずっと鳥のミミズクが主役の童話かと思っていました。早とちり。第13回電撃小説大賞「大賞」受賞作。

ネットで数多くの人が「童話のようだ。御伽噺みたいだ」と評していますが、僕も同じような印象を受けました。淡々とした平易な文章。過激な表現は控えてあり、説明や描写は多くはありません。しかし、それだからこそ、心を打つと言いますか訴えるものがあります。ストーリー自体は奇をてらったものではなく、王道です。「とある飛空士への追憶 」のように、こう話が進むんだろうなーと予想することは難しくありません。でも、感動しました。なんでだろう。

クローディアスがミミズクと出会って得たもの、オリエッタがアン・デュークの妻になった理由を話すシーン、そしてミミズクが終盤に下した決断。それぞれ不遇と自由と幸福について重要な場面。見方によっては説教っぽくなりそうだけれど、この物語の雰囲気のおかげかそんな風には感じませんでした。

やんわり生き方と幸せを考えさせてくれる本。ふと読み返したくなる本です。ライトノベルという枠を超えて、色々な人に読んでもらいたいです。評価をA+にしようかS-にしようか非常に迷いましたが、A++くらいのA+で。





[ 2010/03/24 21:19 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2010年03月23日(火)

オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!! 

オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!(2) (角川スニーカー文庫 200-2)オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!(2) (角川スニーカー文庫 200-2)
著者:冲方 丁
出版:角川書店
発行:2007/05

評価〔B〕 スプライトと比較してみて下さい
キーワード:ライトノベル、SF、シュピーゲルシリーズ

「……なんっ――だ、今の?」やっと涼月が口を開く。答える者なし――。ふいに、夕霧が、ぽつんと呟いた。「お星様が落ちてきたみたいですよ?」(本文より抜粋)


国際都市で治安維持に励む3人の特甲児童たちのお話です。1巻とは違って今度は長編で、ミネアポリスで起きた人工衛星落下事件をMPB側から追います。スプライト2の別カメラ。

涼月・陽炎・夕霧の3人が別々に作戦に従事します。いつもと勝手の違う彼女たちの戸惑いと頑張りが目をひきます。また、MSSはCIAと行動を共にしますが、MPBはロシアに協力しています。ロシア部隊の件で張られたある伏線がかなり気に入りました。そうきたかって感じで。

内容はスプライトの2巻と同じですが、スプライトのように多視点で事件を見せてくれるのではなく、視点がケルベロス遊撃小隊の3人に絞られているので、客観的に全容をつかむことは難しくなっています。その代わりといっては何ですが、主観の度合いが増し、読むほうとしては感情移入しやすいのではないでしょうか。スプライトより容赦ない表現も含めて。

ストーリー展開はスプライトのほうが良かったですが、登場人物やノリはこちらのほうが好みかな。やさぐれ具合がなかなか。総合的には同じくらい良かったと思います。よってこちらも評価Bで。



(推敲します)

[ 2010/03/23 18:59 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2010年03月20日(土)

パーツのぱ2 

パーツのぱ 2 (電撃コミックス EX 130-2)パーツのぱ 2 (電撃コミックス EX 130-2)
著者:藤堂 あきと
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2010/02

評価〔B+〕 パーツ屋の悲喜交々
キーワード:アキバ、パーツショップ、パソコン、オタク

「値切るのならほかで買ってよね」(本文より抜粋)


パソコン専門店のあれこれを面白く描いた連続超短編漫画です。登場人物も当初の3人に天戸と手木崎の二人を加え、お互いの個性をひきたあう良い感じとなってきました。

いつもよりページ数が多い番外編や数話続く話もいくつかあって、1巻よりも面白いと思います。基本的にパーツ屋を見せるというスタイルは変わらないんだけど、味がでてきたというか何というか。趣味がパソコンでなくても楽しめると思います。天戸のバイト加入前の話や、マケテクダサーイのお客さんの話が好きです。特に前者は共感する人も多いのでは。

今回は商売敵として手木崎の元同僚の西福田が登場します。大手のプラントPC所属。規模が大きいだけあって、こんぱそよりも良い商品を入手しやすく楽そうですが……ま、後は読んでのお楽しみです。

それにしても読んでいると新しいパーツが欲しくなる漫画です。HDDなんて1TB5980円なんて書いてあると、もう1台足そうかな~なんてね。この価格も次の巻が出る頃には下がってるんだろうな、きっと。





[ 2010/03/20 18:27 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年03月16日(火)

近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 

近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」 (光文社新書)
著者:原田曜平
出版:光文社
発行:2010/01/16

評価〔A-〕 ケータイ世代を個性を解き明かします
キーワード:SF、現代

どうやら突然と言っていいほど急に、今の若者の間で過剰に気遣いをすること、すなわち空気を読むことが重要になり始めたようなのです。(はじめにより抜粋)


帯に「30代以上にはわからない」とあったので、興味を持ったのがきっかけです。中学生・高校生で携帯電話を持つのは当然といった現代の若者に関して書かれています。題名を見ると若者を批判する若者論のように感じますが、そうではありません。多くの若者たちへのインタビューから知った、ケータイによりネットワークが広がることによっておきる良い面と悪い面を述べています。

なぜ四六時中ケータイでメールを打っているのか、なぜ地元から出ない若者がいるのか、若者たちが“空気を読むこと”を重要視するわけなどを、「読空術」「新村社会」「半径5キロメートル生活」などの理解しやすい単語を用いて分析しています。ネットにある他人の体験を読んで理解したもしくは体験した気になる「既視感」は、僕も心当たりがあり納得してしまいました。著者は、彼らをケータイネイティブと表現しています。以前読んだデジタルネイティブみたですが、言いえて妙かもしれません。

また、著者はこの本は世代論ではなく時代論だと主張しています。世代間で批判すべきでなく、若者を客観的に分析して今の時代を読み解こうという試み。どちらかに偏らず良いですね。その結論の1つとして、今後、ネットワーク力によって人生が変わってくるという意見は、なかなか説得力がありました。最後の章だけ急に話が飛ぶような印象もありましたが。

読み終わって、空気を読まざるを得ない人間関係ってのはなんだか疲れそうと思ってしまいました。今時の若者が理解できないとお悩みの方は、手にとって読んでみてはいかがでしょうか。


(推敲しておきます。)


[ 2010/03/16 22:05 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2010年03月12日(金)

鬼燈の島3 

鬼燈の島-ホオズキノシマ- 3 (ヤングガンガンコミックス)鬼燈の島-ホオズキノシマ- 3 (ヤングガンガンコミックス)
著者:三部 けい
出版:スクウェア・エニックス
発行:2009/05/25

評価〔B-〕 中盤戦、ついに犠牲者が
キーワード:シリアス、サスペンス、ホラー、ミステリー

ここは…金山でも炭鉱でもないんじゃないか?(本文より抜粋)


島から脱出しようとする子供たちの逃走劇も3冊目に入りました。緊迫感のある雰囲気そのままに、物語は進んでいきます。

白い服を着た女の子の幽霊についてですが、その正体をある人物が推理します。幾多の危機的状況を助けてくれた謎の存在に迫ります。また、2巻では怪我人がでましたけれど、この巻ではついに退場者がでてしまいます。出るだろうなとは思っていましたが、実際にそういう展開になると緊張感が高まりますね。

しかし、未だ明かされない謎もあります。坑道内の施設は本当に炭鉱用のものなのか、肝心の教師たちが子供たちに隠していることは何なのか。次の巻で終わりなのを考慮すると、クライマックスへの助走といったところでしょうか。

巻末には桑館の中学生時代を描いた番外編が収録されています。本編とは違って明るく笑えます。本編よりも番外編のほうが面白いと思ってしまいました。さーて、最終巻でどんな結末を見せてくれるのでしょうか?





[ 2010/03/12 21:26 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年03月11日(木)

「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL) 

「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL) (幻冬舎文庫)「わたしは甘えているのでしょうか?」(27歳・OL) (幻冬舎文庫)
著者:村上 龍
出版:幻冬舎
発行:2009/04

評価〔B+〕 現実論で一刀両断といった感じです。
キーワード:人生相談、トラブル、悩み

できるだけ優しく対応したつもりだが、現実と反することを言って慰めたり、不毛な精神論でごまかして叱咤激励したり、非合理な楽観論で甘やかしたりするのは徹底して避けた。(はじめにより抜粋)


20代から30代の社会人が切実な悩みを相談する、いわゆる人生相談の本です。本文には明記されていなかったと思うんですが、質問するのは皆女性のようです。裏表紙にはそう書いてあります。回答者は、小説家の村上龍が務めています。1つの相談に対してだいたい2ページぐらいの回答が用意されています。

具体的にどのような悩みを相談しているのか? 例を少し挙げると「やりがいのある仕事についた友人に嫉妬してしまう」「女友だちが安い服をバカにする」「本当に好きな人が見つかるか不安」と、このような感じです。お金・仕事・人間関係・恋愛と悩みの定番と言えるものばかりですが、深刻な悩みはもちろんバカバカしく感じる相談もあって、興味を引かれます。

上記の引用文にもあるように、村上龍は、その場限りの同情よりも現実的な対処法を重視して答えています。間違っていますとスパッと答えるのは明快で良いのですが、女性の共感重視のコミュニケーションからみると、巻末の解説の方も言っているように、少々冷たい感じもしました。だけど、甘やかさないぶん相手の身になって考えていて優しい対応ともとれます。

回答とは違う意見を持つ場合もありましたが、さすがと思える回答も多々ありました。若い女性の悩み相談ですが、男性が読んでもためになり面白いですよ。





[ 2010/03/11 20:30 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2010年03月06日(土)

となり町戦争 

となり町戦争 (集英社文庫)となり町戦争 (集英社文庫)
著者:三崎 亜記
出版:集英社
発行:2006/12

評価〔D〕 いまいち盛り上がらない……
キーワード:戦争、現代、日常、

戦争は、「確実に始まっている」のだ。この戦争は、抽象的でもなく、概念的でもなく、まぎれもないこの日常の延長としての現実なのだ。(本文より抜粋)


主人公の北原修路は舞坂町に住むごく普通の会社員ですが、ある日、広報紙で舞坂町がとなり町と戦争することを知ります。となりの町と戦争する状況を一般人である北原の目を通して追う物語です。第17回小説すばる新人賞受賞作品。文庫本だけの別章あり。

国ではなく町として戦うので、町役場が主体となり戦争は進みます。役所が進めるので全て淡々としていて、軍隊とは程遠くどこかしら奇妙な感じです。恨みや確執から起きる戦争ではなく利益のための戦争であり、公共事業そのものです。また、実際戦う兵士や銃器を北原は目にする機会がなく、死者がでているにも関わらず戦時下である実感が持てません。

平和な国に住む人にとって戦争は普段は考えることのない非現実的なことです。しかし、公共事業のような戦争も、実感できないとはいえ戦争と無縁ではいられない主人公の立場も、現代人としては考えさせられます。設定や主題はとても良いと思います。

でも惜しいことに、読んでいて物語の起伏に乏しく面白くないんですよね。端的に言うとつまらなく感じました。主張したいテーマは分かるのですが、ある程度目を引くものがないと読んでいて退屈です。登場人物たちも半端な印象でしたし。というわけで残念ですが評価はDとなりました。





[ 2010/03/06 21:53 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2010年03月04日(木)

生徒会役員共3 

生徒会役員共 3 (少年マガジンコミックス)生徒会役員共 3 (少年マガジンコミックス)
著者:氏家 ト全
出版:講談社
発行:2010/01/15

評価〔B〕 ちょっとだけひねっているのが良いんです。
キーワード:4コマ漫画、学校、ギャグ、下ネタ

「最近お約束じゃ終わらないこの人」(本文より抜粋)


高校で生徒会の生徒たちが、卑猥なことを言ったり言わなかったりしている4コマ漫画の3巻です。表紙は予想通りスズ。この巻ではタカトシの妹コトミが入学し、他のキャラと絡む回数が増えてさらに賑やかになりました。

内容は相変わらずです。下品なボケやツッコミが多いのですが、それでも飽きずに読めるのは凄いと思います。もう3冊目なのに。同じようなことを言っているんだけど、前と微妙にオチが違い、良い意味で予想を裏切るのが上手く面白いです。それに、卑猥な言葉ばかりの割には、嫌悪感を抱かせるようなこともないのも良いです。だいぶギャグを練っているんだなと感心しました。

巻末にはシノ会長の小学生時代を描いた4コマ・児童会役員共のオマケあり。難しいことは忘れて、笑いたい時は良いですね。




[ 2010/03/04 22:04 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年03月03日(水)

2010年2月の読書メモ 

鬼燈の島2〔C+〕
就活のバカヤロー〔C+〕
結婚難民〔B+〕
シュレディンガーの妻は元気か〔B+〕
カスタム・チャイルド ―罪と罰―〔A〕
スプライトシュピーゲル II〔B〕

上記の6冊でした。分野は適度にバラけて、偏った読書にならずにすんだと思います。漫画を読むのを控えると、フィクションを求めて小説やライトノベルを読むようになるのかもしれません。

Cが2つ続いた時は評価が辛かったか?と思ったのですが、「カスタム・チャイルド」がAなので、こうして見ると満足度としては妥当だったようです。おそらく。

2月中に読んだ本は他にもあったのですが、3月にまわします。



[ 2010/03/03 10:37 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)