2010年02月27日(土)

スプライトシュピーゲル II Seven Angels Coming 

スプライトシュピーゲル II Seven Angels Coming (2) (富士見ファンタジア文庫 136-9)スプライトシュピーゲル II Seven Angels Coming (2) (富士見ファンタジア文庫 136-9)
著者:冲方 丁
出版:富士見書房
発行:2007/07

評価〔B〕 派手な戦闘シーンがいいね。
キーワード:ライトノベル、SF、シュピーゲルシリーズ

「“七位の天使が七つの角笛を与えられ地を訪れる”……二十時間前に暗号解読された、最初のキーワードです。」(本文より抜粋)


公安高機動隊(通称MSS)の空飛ぶ特甲児童3人を軸に描かれる物語の続編です。前回は人物紹介も兼ねた短編・中編でしたが、今回は1冊使った長編です。ミリオポリスに突如人工衛星が落ちてきます。直後に発生した暗号メッセージ“第一の天使が角笛を吹いた”。首謀者は誰なのか?目的は何なのか? 衛星落下は都市の命運を左右する大事件へと発展していきます。

登場人物が多いのとスピード重視で読んでいるせいか、キャラの容姿・性格・地位が結構混乱します。よく失念するのが雛の武器である爆雷と火炎放射器。また、MSS長官である金髪才媛のヘルガと黒髪クールビューティーの副官ニナもなぜかよく勘違いしていましたが、ようやく頭に定着してきました。

行方不明中の螢と皇もMSSから隠れるように行動中。そのうち表舞台にでてくるのでしょうか。また、オイレンの主役である憲兵隊の特甲児童たちも、ついにスプライトに登場します。とはいってもほんの少しですが。彼女達が、これからどのように共闘していくのか楽しみです。この巻ではCIAのターナー次官補が良い感じ。不気味だ。彼がトラクルと話すシーンは印象に残りました。

一筋縄でいかない相手も巨大タワーでのラストも良かったです。暴力的なのでアニメ化は難しいと思いますが、映像化したらさぞかし映えるだろうなと思わざるを得ませんでした。オイレンの2巻では異なる視点で同じ事件を追っているそうなので、それを読むとまた違う感想になりそうです。




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[ 2010/02/27 10:43 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2010年02月24日(水)

カスタム・チャイルド ―罪と罰―  

カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)カスタム・チャイルド ―罪と罰― (メディアワークス文庫)
著者:壁井 ユカコ
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2009/12/16

評価〔A〕 将来こんな風になるんだろうか?
キーワード:SF、遺伝子工学、現代

「俺は、育ちは生まれに勝てるって思ってます」(本文より抜粋)


昨年暮れに創刊されたメディアワークス文庫の本です。このレーベルはライトノベル出身の著者たちが書いた一般向け小説のようで、面白そうなのでどれか読んでみようかな~と思って手に取ったのが本書です。

遺伝子工学のみが極端に発達した仮想現代、形質発現遺伝子よって生まれてくる子供の才能・容姿が操作できるようになった世界で、境遇の違う3人の少年少女が予備校で出会い成長するお話です。遺伝子操作されたトランスジェニックと呼ばれる子供たちがいる以外はあまり現代と変わらず、受験もあれば仕事もあります。

主人公は、恵まれた才能を付与されながらも親に捨てられた倫太郎、遺伝子操作を嫌悪する親をもつ”遺伝子貧乏”の寿人、そして父の偏愛するキャラを実体化したレイの3人ですが、共通しているのは一般的でない歪んだ親を持つところです。親によって大きく人生を左右された彼らを見ていると、科学が発達しようとも親の影響って強いんだなと感じました。皮肉にも、遺伝子操作できなかった大人たちのほうがまともに見えます。

彼らに1つずつ事件が起きますが、倫太郎の事件は見ていて引きつけられました。渦中の2人の想いは分かるような気がします。隣の芝は青いのか、それとも自分のほうが恵まれているのか。そして、3人の関係の結末は、嫌う人もいるかと思いますが結構現実感があって良かったと思います。あのような終わり方が好きなのかもしれません。

この著者のライトノベルは読んだことがありませんが、この本は面白かったです。同じ世界観で書かれたライトノベルがあるのでそちらも読んでみたいです。加えて、電撃文庫の大人版みたいなメディアワークス文庫、違う著者の本も読んでみたくなりました。




[ 2010/02/24 22:10 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2010年02月20日(土)

シュレディンガーの妻は元気か 

シュレディンガーの妻は元気か (1) (バンブー・コミックス)シュレディンガーの妻は元気か (1) (バンブー・コミックス)
著者:中島 沙帆子
出版:竹書房
発行:2008/08/16

評価〔B+〕 何かと論理的過ぎるのが笑えます
キーワード:4コマ、ギャグ、理系、日常系

私には時々夫が宇宙人に思える(本文より抜粋)


理系の夫の極端な言動を、夫婦生活の中で面白おかしく描いた4コマ漫画です。題名の元ネタである『シュレディンガーの猫は元気か』は知らなかったのですが、物理学用語のシュレディンガーの猫は知っていたので、初めてこの漫画を知ったときは思わず笑ってしまいました。シュレディンガーの妻って……。(笑)

文系の妻・ちかと理系の夫・修平の普段の会話が主な内容となっていて、分類するならありふれた日常系となるのですが、そのあまりにも違いすぎる価値観や判断基準が面白いです。理詰めの修平に振り回されるちかが笑えます。ちかは文系ではなく体育会系っぽいけれどね。感情優位な女性と論理重視の男性の違いを突き詰めて表現すると、こんな感じになるんじゃないのかな。ここまで極端でないにしろ、共感して笑える夫婦も結構多いと思います。

修平のモデルは著者の夫で、漫画もほぼ実録だそうです。ならばこの本はコミックエッセイのようなものですね。おまけの実録・シュレディンガーの妻は元気かはまさにそれ。裏表紙の帯の「時々アンドロイドと暮らしているような気分になります」は酷いなあと思ったのですが、読むと著者のその気持ちも分かるような気もします。

面白さを伝えるのが難しいのですが、誰が読んでも楽しめそうです。実際、身近に論理的過ぎる人がいれば、さらに笑えること間違いなし。この本の弱点は、バンブーコミックスの品揃えの良い書店が少なく見つけにくいことでしょうか。読みたい本に限ってなぜかマイナーな出版社なんだよなー。





[ 2010/02/20 21:23 ] 4コマ漫画 | TB(0) | CM(0)

2010年02月19日(金)

結婚難民 

結婚難民 (小学館101新書 3)結婚難民 (小学館101新書 3)
著者:佐藤 留美
出版:小学館
発行:2008/10/01

評価〔B+〕 軽い感じですが、斬新です。
キーワード:結婚、ロストジェネレーション、恋愛論、

ロスジェネ男が抱きがちな固定観念や女に対する考え方をちょっと変えれば、「幸せな結婚」に向かう方策はいくらでもあります。(はじめにより抜粋)


未婚・非婚問題について書かれた新書ですが、よく目にする男性側の問題点を指摘したものではなく、女性の著者が未婚男性を応援する珍しい本です。対象としているのは結婚適齢期である就職氷河期世代、所謂ロストジェネレーションの男性で、彼らの結婚を困難にしている社会的背景や事情について述べられています。題名からは重々しい印象を受けますが、コラムのような感じで読みやすいです。

この本のきっかけとなった「結婚してはいけない13の女」は、暖かい家庭を築くのが難しそうな自己中心的なタイプがあげられています。著者も述べているように、これらのタイプの女性は少数派でしょうけれど、この類の記事では男性が非難されることが多いので新鮮でした。また、3章の結婚しない理由では、女性からの批判に対し男性の立場にたち経済的事情や女性側の態度の問題を説明しています。これらのことを知らない女性も多いのでは。

相手を批判するだけではなく、偏見や先入観を捨て結婚すべき女性を見つける心構えも助言しています。意外だったのは、収入が少ない男性は妻の年収はなくてもよいと考え、逆に収入が多い男性のほうが妻にも収入も求めていることです。なるほどねえ。加えて、テレビやネットの情報に惑わされず自信をもつようにとも主張しています。

全体的に内容が少々薄いような気がするのが残念です。それと、具体的にどう行動したら結婚まで辿り着くのか?が主ではないので、それを期待しているとがっかりしてしまうかも。とはいえ、斬新な発想で面白く読めました。この本、未婚女性が読んだらどのような感想を持つのか、興味ありますね。




[ 2010/02/19 22:06 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2010年02月11日(木)

就活のバカヤロー  

就活のバカヤロー (光文社新書)就活のバカヤロー (光文社新書)
著者:大沢 仁石渡 嶺司
出版:光文社
発行:2008/11/14

評価〔C+〕 様々な立場の生の声が興味深いです。
キーワード:就職活動、新卒、仕事、

結局、企業も学生も大学も、三者三様に不満を抱えながら行っているのが就活という茶番劇だ。それでいて焼肉と同様、誰も幸福にはならない。ああ、なんと愚かしいことか!(本文より抜粋)


記念すべき100冊目は新書でした。漫画か新書のどちらかになるだろうなと思っていたので、まぁ予想通り。

就職活動は就活と略されるようになってから久しく、好景気の頃とは変わりました。就活は現在どのようになっているのか、その実態を暴こうという本です。新卒採用の本はたいてい学生のためのものが多いのですが、本書は学生の視点だけでなく、採用担当者・大学職員・就活情報会社から生の声を集め、多数の立場から全体像を把握しようとしています。

企業による学生の青田買いや、学生のマニュアル本への依存などよく耳にする問題はもちろん、学校の就職センターの苦労や情報会社に振り回される企業など誰も得をしていない、著者たちの言葉で言うと気持ち悪い実情が赤裸々に描かれています。学生の自己分析の否定は斬新ですし、大学側の頑張りや就職説明会の裏側などがなかなか面白いです。

この一連の流れ、就活・採活に携わったことのある人にとっては、頷くことが多いでしょう。しかし、驚くような事実はなかったような気がします。「知らなかった」ではなく「やっぱりそうか」が大部分でした。以前読んだ『デジタルネイティブ』と同様、期待しすぎだったのかもね。また、1章の学生に対する文句の書き方が気に触りました。どの企業も駄目な大人なんて結構いるのに。主観的な意見が多いのもちょっと。

就職協定を廃止したのが失敗だったような気がするなあ。著者たちの改善策はそれとは違いましたが賛成です。採用活動をする担当者にはあまり役にたたなそうですが、就活を控えている学生さんたちに読んでもらいたい内容です。




[ 2010/02/11 18:45 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2010年02月07日(日)

鬼燈の島2 

鬼燈の島~ホオズキノシマ 2 (ヤングガンガンコミックス)鬼燈の島~ホオズキノシマ 2 (ヤングガンガンコミックス)
著者:三部 けい
出版:スクウェア・エニックス
発行:2008/10/22

評価〔C+〕 悪くはないですよ。
キーワード:サスペンス、ホラー、現代

「シュウ、みんな… すぐに学園をでよう」(本文より抜粋)


孤島の学園で過ごす子供達の物語の続きです。1巻同様、なにか訳ありげな怪しく不気味な雰囲気が作品に満ちあふれています。ホラーのようなサスペンスのようなミステリーのような、そんな感じです。

裏表紙にもあるように、大人たちの言動に不信感を募らせた心たちは、ついに学園脱出を決行します。もう少し隠されている謎に触れるのかなと期待していたので、早かったなというのが正直なところですが、展開があまり遅いのもいただけないので難しいですね。

聴覚が優れている夢の存在が、恐怖感を煽るアクセントになっているのが良い演出です。追われている感じがすごくします。追う側では、強烈な個性の桑舘が目立っています。彼にはこのまま突っ走ってほしいものです。

逃走劇はまだまだ始まったばかり。質も落ちていないし、のめりこめますが、どこか単調なところが気になりました。おおよそ予想範囲内でしたし。また、どこぞのサイトで最終巻の4巻は「どうもイマイチ」みたいな感想を見て、少しがっかりしました。その影響もあってか、評価はC+。質そのものは前回と同じなので、ご心配なく。




[ 2010/02/07 18:00 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)