2008年11月26日(水)

「ニッポン社会」入門 

「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)「ニッポン社会」入門―英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)
著者:コリン ジョイス
出版:日本放送出版協会
発行:2006/12

評価〔A-〕 イギリス人の視点で日本を語る
キーワード:日本、文化、国際、イギリス

それを目にするやいなや、自分が東京もしくは大阪にいると実感させてくれるものとは何だろうか。(伍【日本の日常】より抜粋)


日本に10年以上住んでいるイギリス人記者による日本論です。論文ではなく随筆です。どうしてそう思い込んでいたのかよく分かりませんが、こういう本って40~50代くらいの人が書いてるんだろうな~と思っていました。長い間住んでみて、とあったからかな? 読み続けていってあとがきにある自己紹介を見たら30代だったので、少し吃驚しました。予想していたより若かった。失礼いたしました。

日本・日本人についての本はいくつか読みましたが、この本はちょっと違ってただ日本を語るだけでなく、著者の母国イギリスや職業も絡めて書かれているのが特徴です。例えばサッカーとビールを熱く語ったり、ジョークを言ったり、また時には日刊紙『デイリー・テレグラフ』でどのように日本を伝えるか頭を悩ませたりと彼の色がでていて読み応えがあります。また、食文化の章で通説を覆す弁解は新鮮でした。

メインテーマである日本についての記述も面白く、プールは日本社会の縮図だと評し、イギリスと日本は似ていないと言ってのけ、読者の興味を引いてくれます。きっと日本について何度も何度も質問されたせいなんでしょうか。一方で、日本語や日本人の独創性についてなどよく見る話題も書かれています。好きなのは『日本以外では決して見られない光景』と『わが町、東京を弁護する』かな。前者は他国との比較ですが2ヶ国しか見たことのない僕でも共感できるし、後者はやはり外国人から見た日本の街の良し悪しが分かります。締めの架空の後任者への手紙は実にうまく纏まっていて秀逸です。ここだけ読んでも十分楽しめますが、やはり最初から読んだほうが味があって良いですよ。

外国人から見た日本もそうだけれども、自分が生まれ育った社会から出て、異なる文化と接した時の体験談はとても興味深いです。できればまったく違った価値観の持つ社会に触れたほうが面白いと思います。そして、長い歴史から生まれた良い点はもちろん、妙なところやおかしな点も書かれているとなお良いですね。日本を語った本は見つけようと思えば見つかるのですが、ある国の人が別の国を訪れ色々と感想を記した本はなかなか見かけません。そういう本も読んでみたいです。




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[ 2008/11/26 23:02 ] 随筆 | TB(0) | CM(0)

2008年11月15日(土)

ダブルブリッド10 

ダブルブリッド (10) (電撃文庫 (1588))ダブルブリッド (10) (電撃文庫 (1588))
著者:中村 恵里加
出版:アスキー・メディアワークス
発行:2008/05/10

評価〔A-〕 完結したよ
キーワード:吸血鬼、シリアス、恋愛

君の生と死は、君だけのものだ。(第十四章より抜粋)


9巻に引き続き最終巻の10巻です。9巻の感想にも少し書きましたが、この2冊の間には約4年半の時間が空いてまして、初版で読んでいる読者はおそらく登場人物や舞台背景を思い出しながら読まねばならず苦労したと思います。僕は間を空けずに9と10を読んだので、すんなりと読むことができた。

今までの伏線を全て回収するかごとく、主人公であるアヤカシと人間の間に生まれた二重雑種(ダブルブリッド)の片倉優樹はもちろん、他の登場人物たちにもそれぞれの結末が用意されています。今まで謎だった言葉も明らかに。クロスブリード側の話が多めかな。面白かったよ。しかし、キャラによっては唐突に思えることや、やはり良く分からないまま終わってしまったところもあり、腑に落ちない部分がありました。その点を差し引いても、優樹と太一朗の物語はある結論に達して終わるので良かったのではないでしょうか。

シリーズとしては、前半はアヤカシと人間の関係みたいな感じで進んでいたのですが、6課の面々が徐々に登場してきた頃から、優樹を中心とするアヤカシ側のほうに重点が置かれていったと感じました。クロスブリードが出てきたのもそのあたりだったっけ。そして組織がらみの大きな話は少なくなり、もっと各々の想いが錯綜した個人的な話へと転換していった気がします。個別に挙げるなら、1・5・6・7巻あたりが好みかな。好きなキャラは片倉晃と大田真章ことシームルグ。これってどうなのか。

【ここからネタばれ】
色々と詰め込みすぎた感がありました。特に特別高等治安維持局の主・飯田・浦木について。あと空木も。エピソードの幾つかを前の巻にまわせなかったんかなぁ。虎司や夏純の戦闘シーンとか。評価を〔B++〕にしようか迷ったくらいです。一方、晃の優樹の会話は良かったです。二つのお願いが悲しくも綺麗だ。戦闘終了後の指の話と同様ね。
【ネタばれここまで】

とにもかくにもこれで終わりです。短編集が出てるようですが、本編は終わり。最初から最後まで痛そうな描写が多かった作品ですが、アヤカシたちの直接的物言いは面白かったし興味深かったです。また後で1巻から読み返してみたいと思います。



[ 2008/11/15 22:45 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2008年11月09日(日)

ダブルブリッド9 

ダブルブリッド〈9〉 (電撃文庫)ダブルブリッド〈9〉 (電撃文庫)
著者:中村 恵里加
出版:メディアワークス
発行:2003/12

評価〔C〕 終わりへの助走
キーワード:吸血鬼、シリアス、恋愛

(さて、どうなるのかな……虎くん?) (第八章より抜粋)


かなーり久しぶりに続きを読んだダブルブリッドシリーズの9巻です。8巻を読み終わった時点で、完結したら一気に読もう!と思っていたのですが、なかなか10巻がでないまま時は流れること数年。忘れかけた今年になって10巻が出て、とうとう完結されたことをネットで知りました。いくつか書評を読んでみると、なかなか良さそうだったので再び読むことにしました。ネットがきっかけになったのは『とある飛空士への追憶』と似たようなものです。意味合いは違いますけれど。

この9巻を読むにあたって、持っている前の巻を少し読み返して復習しました。8巻が引きで終わっているので、この人物誰だっけ?なんて記憶を掘り起こしながらでは緊迫感がなくなってしまうからです。それでも忘れていた点は多々ありましたが。

この巻では虎司と安藤の問題ある結末に達します。次まで引っぱりはしませんでした。二人がどうなるか知りたい方は確かめて下さい。一方、他の問題はほぼ残されたままです。童子斬り、片倉優樹の精神、晃の鬼斬りなどなど。あまり話は進まなかったと思います。それにしても、いつもながら格闘シーンの描写が痛そうです。色々と痛そうな描写と、アヤカシの人とは違う思考の様子は、ダブルブリッドを読んでいると実感させてくれます。

上記の問題以外にも、他のキャラでもう少し盛り上がる山場が欲しかったかな。実は既に最終巻を読み終わってまして、それらの見せ場は最終巻にまわされていました。一応書いておきますが、この巻の評価は最終巻を読む前の評価です。読んだ後でも変えるつもりはなかったけどね。なるべく早めに10巻の感想も書くつもりです。



[ 2008/11/09 22:19 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2008年11月02日(日)

2008年10月の読書メモ 

”文学少女”と飢え渇く幽霊〔A〕
ハニカム1〔B+〕
とある飛空士への追憶〔A+〕

10月は3冊でした。ラノベ、漫画、ラノベとオタクな読書生活です。本屋に行ったときは結構違うジャンルの本も手にとってはいるのですが、切実に読んでみたいとまでは思わなかったのでこうなりました。ライトノベルに傾いてきています。

読んだ3冊はどれも良かったです。この調子で趣味が合って良い本だけを選べたらいいのですが、なかなか難しいよね。でも縁があればいいなと思っている次第です。



[ 2008/11/02 22:12 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)