2008年08月31日(日)

数学ガール/フェルマーの最終定理 

数学ガール/フェルマーの最終定理数学ガール/フェルマーの最終定理

著者:結城 浩
出版:ソフトバンククリエイティブ
発行:2008/07/30

評価〔S〕 こんな数学の講義を聴きたかった
キーワード:数学、ライトノベル風、フェルマーの最終定理

星を数える人と星座を描く人、お兄ちゃんはどっち?(本文より抜粋)


この本の発売を知ったとき、かなり喜びました。また数学ガールが読めるのか、しかも題材がフェルマーの最終定理で!と。フェルマーの最終定理は、350年以上の間、誰も解けなかった超難問です。少しだけこの証明に関する記述を読んでみたことがあるのですが、すぐ分からないところがでてきて止めてしまいました。もう少し平易に書かれた読み物はないかなーと思っていただけに、嬉しいです。

内容は、前回の『数学ガール』と同様、高校生の主人公「僕」と才媛ミルカさん、後輩のテトラちゃん、そして新キャラである「僕」の従妹であるユーリを加えた4人で、数学の問題を解いていく物語です。ライトノベル風の本格数学書とでも呼べばいいのでしょうか。ライトノベルのような形を取っていますが、取り扱う問題はなぞなぞのようなものから高校数学レベルを越えたものまで様々です。だんだん難しくなりますが、そこは前回のテトラの役どころである中学生のユーリとともに解説を聴けば、全く分からないということもないでしょう。ユーリの「分からない」の台詞は助けになります。

前回もそうだったのですが、解説の仕方が大変上手です。式を整理するところも丁寧ですし、理解が深まるように同じ問題を違う面から捉えてみるのも素晴らしいです。どれも決して易しくないし数式も多くでてくるのに、読者が投げ出さないように説明しているのは凄い理解力だと思います。

原始ピタゴラス数、互いに素、オイラーの公式と複素数面は知っていたけれど理解が浅かったこともあって興味深かったです。無限降下法は、以前読んだものでは途中の式計算がとびとびだったので分かったような分からないような感じだったのですが、はっきりと理解することができました。逆に集合論とフェルマーの最終定理はかなりあやしいので、紙に書きながら自分で追ってみたいと思っています。

評価をSにしようかA++にしようかかなり悩みました。前作と比較すると、さすがに二作目なので新鮮さではかないませんが、質はかなり高いので最高評価のSをつけることにしました。まだSをつけたことなかったので、これが初Sってことで。うーん、それにしても、できれば登場人物と同じ高校生のころ読みたかったなあ。学問の面白さはこうして教わったり教えたりしたいものです。




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[ 2008/08/31 19:09 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2008年08月23日(土)

日本力 

日本力 アジアを引っぱる経済・欧米が憧れる文化! (講談社+アルファ文庫 G 170-1)日本力 アジアを引っぱる経済・欧米が憧れる文化! (講談社+アルファ文庫 G 170-1)

著者:伊藤 洋一
出版社:講談社
出版日:2008/01/21

評価〔B-〕 外と比べた上での日本像
キーワード:日本、経済、文化、国際

たとえ人口が減っても、日本人は悲観論に振り回される必要はない。(文庫版まえがきより抜粋)


少し前に外国に行くことになって、その頃はよく海外や日本に関する本をよく読んでいました。帰国後はネットでよく国際関係の記事を読んでいたのですが、最近本では読んでいないなと思い、今回手によってみたのがこの本です。前からハードカバーで出ていたのは知っていたのですが、何時の間にやら文庫本になっていました。

日本の経済と文化について書かれていますが、日本のことを単体で書くのではなく、まわりの有望で潜在能力があると言われている国々と比較した上で日本の独自性や強みを示しています。成長著しい中国や巨大企業サムスンを生んだ韓国、そして人口は中国を超えると予想されるインドの実情と問題点が明らかにされています。周りを見せることによって、見せたい日本の状況を浮き彫りにしたのは面白い手法だと思います。出版当時は2005年6月ですが、3年経った現在でも十分通用するでしょう。

著者は行き過ぎた悲観論は良くないと述べています。自国の経済や社会の問題点を議論するのは悪くないが、過度の悲観論は活力を奪うので、客観的に分析すべきだ、と。確かに日本では良くないニュースのほうが多いし目を引きます。報道する側もそのほうが見てくれると思っているからでしょう。でも、良い点も悪い点も偏りなく事実を伝えて欲しいものです。

かつて江戸時代でも人口減少の時期があって、当時の人々がとった打開策は現在でも通用するものでとても興味深いです。また、中国の都市では日本を感じさせるものが多く、こんなに日本が進出して良いのかと心配になるという感想は、現地を見てきた人ならではだと感じました。

他にも何冊か外国と日本に関する本を読んできたので、衝撃的な本だったとはいえませんが、それでも上記のような知らなかった話や現地の実情は新鮮でした。今まで外国と経済に関する本を読んだことがないならば、この本は良い啓蒙書となりえます。




[ 2008/08/23 23:01 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2008年08月14日(木)

それでも町は廻っている4 

それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)それでも町は廻っている 4 (4) (ヤングキングコミックス)
著者:石黒 正数
出版:少年画報社
発行:2008/03/19

評価〔B+〕 魅せるギャグ漫画
キーワード:漫画、ギャグ、日常系

12品目にしてとうとう食い付いたね(本文より抜粋)


メイド喫茶でバイトをするドジな女子高生の日常を描いたギャグ漫画の4巻です。こう書くと、なーんだ萌え漫画かと思われそうですがそうではなく、同級生や商店街の人たちとのやりとりが主となっている、萌え系でない真っ当なギャグ漫画です。メイドはあくまでスパイス。

4巻ともなると登場人物も世界観もはっきりしてきて、変な言い方ですが安心して読めます。ハラハラした緊張感や驚きはありませんが、笑いは随所に散りばめられています。良質の4コマ漫画のように飽きない何かがあります。何度でも読めます。

この漫画を読んできてよく思うのですが、この作者は本当に漫画を描くのがうまいと思います。絵が上手いまたは綺麗な漫画家ならば容易に見つけることができますが、テンポや話の構成・演出が上手い人はなかなかいません。それでいて『1ぱいのミシンそば』のような話も描くことができるのは凄いです。魅せてくれます。アマゾンの書評で「どこが面白いのか説明できない」とありました。まったくだ。

この調子で、話の規模を大きくしないで続けていって欲しいです。よくある話をうまく魅せるところがいいのですから。




[ 2008/08/14 22:14 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2008年08月08日(金)

2008年7月の読書メモ 

疑似科学入門〔B〕
きみとぼくが壊した世界〔B-〕
WORKING!!5 〔B〕

先月もまた3冊でした。もっと読んだような気がしたのですが、そうでもなかったみたいです。錯覚だったか。それにしても本の評価はBばかりですね。安定してます。

このところ新書と漫画ばかりのような気がします。自分で思っていたよりも小説って読まないものだなあ。ライトノベルはちょこちょこ読んでいるんだけれど。

続きを読んでいない漫画をどうすべきか検討中。



[ 2008/08/08 20:07 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)