2008年05月26日(月)

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか 

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代 (ちくま新書 (708))
著者:城 繁幸
出版:筑摩書房
発行:2008/03

評価〔A-〕 新しい仕事観とは
キーワード:仕事、若者問題、雇用

彼らから見れば、僕も昭和の生き物らしい。時代は変わったのだ。(第二章より抜粋)


大卒の新入社員の約3割が3年以内に最初の職場を離れる御時世、そうして辞めていった人達はその後どこで何をしているのか。また同業他社で働いているのか、独立して働いているのか、それともまったく違う道を歩んでいるのか。そんな彼らのその後の生き方を紹介すると共に、現代の若者雇用を論じた本です。

光文社新書からでている同著者の作品「若者はなぜ3年で辞めるのか?」を読んで、面白かったのでこの本も読んでみることにしました。実例が豊富なのがいいなーと思ってね。僕も彼らと同じ「辞めた若者」なので、どんなことが書かれているのかどんな人生がかかれているのか、とても興味がありました。

紹介されている会社を辞めた人達は、勤めていた会社の構造や終身雇用・年功序列制度に対して不満を持ち、良くも悪くも「高学歴で大企業、最初は何でもやります、年を取るにつれて給料があがり定年まで安泰」の人生に向かない人です。この価値観を著者は昭和的価値観と呼び、世代間の格差と歪んだ雇用状況を生んだ原因であると説いています。野望があったり協調性がなかったり有能すぎたりすると確かに年功序列は合わないよね。

そこで著者は新たな価値観・多様性(平成的価値観)を勧めています。今まで良しとされてきたレールの歩む生き方以外にも道はあると。また賃金について、今までの職能給でなく、職務給すべきだと述べています。他の先進国のように個人と組織が契約を結び、年齢は仕事と関係なく、同じ難度の仕事をしたら同じ給料という訳です。

様々な体験談を通して様々な人生観に触れることができたのは良かったです。また今まで当たり前とされてきた会社のシステムの短所もよく理解できたと思います。概ね賛成です。しかし、頑なに年功序列を守ろうとする人々には受け入れがたいものです。転職も珍しいことでなくなりましたが、日本企業の人事部では転職者に対して良いイメージは持っていません。そのため著者の意見に賛成だが、躊躇している人もいると思います。また、雇用状況が上向いてきたここ数年、実力主義よりも終身雇用を好む新卒者が多くとの話もあります。社会が新しく生まれ変わるのは難しいとは思いますが、画一的な社会でなく、各々が自分の力で歩む平成的価値観がもっと浸透すればいいなと思います。




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[ 2008/05/26 23:43 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2008年05月20日(火)

Q.E.D.―証明終了22 

Q.E.D.―証明終了 (22) (講談社コミックス―Monthly shonen magazine comics (KCGM1011))Q.E.D.―証明終了 (22) (講談社コミックス―Monthly shonen magazine comics (KCGM1011))
著者:加藤 元浩
出版:講談社
発行:2005/10/17

評価〔B〕 殺人事件だけが推理じゃない
キーワード:推理、謎解き

あのヒントを見逃してると思う?(ベネチアン迷宮より抜粋)


推理漫画と言えば金田一やコナンを連想する方が多いでしょう。この作品・QEDはその2つより知名度は落ちますが、個人的には、QEDのほうが良くできた作品だと思っています。日常の謎解きから殺人事件まで幅広くあり、なによりトリックが難しいの一言につきます。ヒントも巧妙に隠されていて、かなり注意深く見ていないと見逃してしまいます。また、専門知識もほとんど必要ありません。

今回は燈馬の知人であり大富豪のアランが再々、再々々?、とにかく登場します。彼と彼の秘書・エリーはもうだいぶ前から何回もでてるから、あまり脇役といった感じがしません。MITのロキのような立ち位置かな。彼が出てくるとそのキャラクターのせいか、高校生である燈馬と可奈と比べて話の規模が大きくなりがちです。彼が絡む話は殺人事件でないものが多いので結構好みかな。話の構成、ヒントの出し方は相変わらず上手いです。でも今回はどちらかというと、ストーリー重視のような気がしました。

【ここからネタばれ】
犯人の幻視とトリオソナタという音楽の専門用語のせいか、いつもより推理するのが困難な巻でした。「ベネチアン迷宮」のあの結末はQEDらしいね。2人の出会いのエピソードといい、見せ方がいいですね。エリーはイイ女だなあ。
【ネタばれここまで】

少し前までは一話ずつ推理していたのですが、ここ2・3冊は推理せず物語として読んでいます。もっとも難しいので、全てを当てるのは至難の業です。推理してもしなくても読める本です。

他にも読みたい本があったのでしばらく後回しにしていたのですが、読んでみるとやはり面白いです。現時点の最新巻は29巻みたいなので、少しずつ山を崩すように読むのもいいし、2冊くらいずつ真面目に推理しながら読んでみるのも良さそうです。迷うなあ。




[ 2008/05/20 21:57 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2008年05月17日(土)

失はれる物語 

失はれる物語 (角川文庫)失はれる物語 (角川文庫)
著者:乙一
出版:角川書店
発行:2006/06

評価〔C+〕 未読の話が好きじゃなかった。
キーワード:短編集、切ない

まるで、自分への気持ちに気づいた死後の鳴海マリアが、白猫を操り、自分を殺害した犯人の捜索を僕に命じたようだった。(マリアの指より抜粋)


作品が漫画化したり映画化したりとなにかと人気の乙一の短編集です。切ない話を書いたかと思ったら次はホラーだったりと変化に富み、読んだ本によってイメージが変わる作家さんだと思います。

この本は、かつて出版した作品の中から再収録ものが大半で、目新しいものはほとんど期待できません。僕も収録元の本を3冊とも持っているのですが、未読の話もないわけではないので読んでみました。

未読の「マリアの指」は推理小説となっていますが、それほどアリバイやトリックに凝らず、話の筋を重視したホラーっぽい話です。淡々と進んでいくのは、同著者の他作品の「GOTH」を彷彿させます。しかし、あまりのめり込めず、それこそ「GOTH」のようには楽しめませんでした。途中、主人公が車の中で推理を進めていくシーンは良かったんだけどなあ……中心にいたマリアその人の印象が良くなかったんだろうか。

既読の話は以前読んだ時と同じように楽しめました。「しあわせは子猫のかたち」は何度読んでも心にしみいる良い話です。また「失はれる物語」は心情をつぶさに描写して、なんとも言いがたい気持ちにさせてくれます。

期待していた未読の話が、2つとも乙一の他の作品で読めるような感じだったから、少し物足りないような感じです。期待しすぎかもしれません。もしも、全作品未読の状態でこの本を読んだのなら、もっと評価は上だったでしょう。それは確かだと思います。著者の作品は好みなので、これからもまた読んでいくつもりです。



[ 2008/05/17 19:26 ] 小説 | TB(1) | CM(2)

2008年05月08日(木)

ある日、爆弾がおちてきて 

ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)ある日、爆弾がおちてきて (電撃文庫)
著者:古橋 秀之、緋賀 ゆかり 他
出版:メディアワークス
発行:2005/10

評価〔A-〕 評判どおりの良作です。
キーワード:ライトノベル、短編集、青春、恋愛、SF風

俺はビビったね。だってそこは目の前のほんの一メートル足らずの距離で、本来は俺の顔が映ってるはずの場所なんだから。(三時間目のまどかより)


まだ読んだことのない作家さんのライトノベルが読みたいなと思い、ネットで書評をいくつか見ていたらどうやら良さそうだったので読んでみることにしたのがこの作品です。表紙が萌え系の絵なので手に取りづらいのが難点かな。

7つの別々の話で構成された短編集です。どれも10代の生徒たちが主役で、あとがきによるとテーマは『普通の男の子と不思議な女の子のボーイ・ミーツ・ガール』だそうです。SF風といいますか、オカルト風といいますか、そんな感じです。実はもう1つ隠しテーマがあるのですが、それは読んでみてからのお楽しみにです。

ギャク系の軽い、いかにもライトノベルな話なのかなと思いながら読んでいたのですが、そう単純な話でもなくて、笑いありシリアスあり考えさせられることありと予想以上に堪能しました。別にライトノベルでなく、一般書籍で出しても違和感ない話もあります。「おおきくなあれ」と「むかし、爆弾がおちてきて」が特に気に入っています。

【ここからネタばれ】
「むかし、爆弾がおちてきて」で、主人公がミチ子に会うために準備し、柱に飛び込んでいくシーンは、かなり興奮したといか感動したというかとにかく良かったです。じいちゃんの「度胸があるからじいちゃんみたいにはならん」発言が、伏線となっていて秀逸です。また、隠しテーマが時間で、しかもどれも違うパターンで作ってあるので、ページ数以上の本を読んだ感覚におちいりました。
【ネタばれここまで】

短い文章できっちりと話を書き分けて、だれさせることなく終わらせるのは凄いと思います。メリハリがあり、軽さと重さのバランスが良いです。ライトノベルを読んだことがない人に何か薦めるとしたら、この本はいいかもしれません。


[ 2008/05/08 18:22 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2008年05月03日(土)

2008年4月の読書メモ 

眼鏡なカノジョ 〔B〕
数学的思考法〔B〕
羊のうた4〔C〕
羊のうた5〔B〕
おもいで―二宮ひかる短編集〔C〕

漫画4冊、新書1冊の計5冊でした。漫画はどれも偶発的に読んだようなもので、勢い込んでいてWORKING!!の5巻は結局買わなかったなあ。初回限定ドラマCD付きを買おうかどうか迷っているのも、躊躇している原因の1つです。

上記の本とは別に、某氏の家に行った時に「聖闘士星矢」を2冊ほど読みました。ハーデス編。古い漫画なので楽しめないかなと思っていたのですが、勢いがあって逆に新鮮でした。昔の作品も良いものです。

漫画ばかりに偏らずに読んでいきたいのですが、読みたいと思ったときが読みどきだと思ってますので、少々偏ってしまうのも仕方ないのかもしれません。



[ 2008/05/03 22:16 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)