2008年03月29日(土)

零崎曲識の人間人間 

零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)零崎曲識の人間人間 (講談社ノベルス ニJ- 21)
著者:西尾 維新
出版:講談社
発行:2008/03

評価〔B〕 名脇役な殺人鬼
キーワード:人間シリーズ、戯言シリーズ外伝

どれほど仲間内で浮いていようと――零崎曲識がその一員であることを、そして中でも群を抜いて禍々しき殺人鬼であることを、決して忘れてはならない。(本文より抜粋)


戯言シリーズの外伝にあたる人間シリーズも今回で三冊目。今まで本編でも外伝でも名前だけしか出てこなかった零崎三天王の一人、零崎曲識の登場です。前回の人間ノック同様、時系列バラバラで本編が始まる前から本編に絡んだものまである全4話で構成されています。シリーズが零崎一賊が中心だけあって、やはり闘うシーンが多かったです。

主役の曲識は「悪くない」が口癖の音楽家兼殺人鬼です。両立しなさそうな2つを組み合わせたのが面白いですね。戯言・人間シリーズの中では珍しくクールな性格です。軋識のように正面から闘うよりも、絡め手や援護なんかが得意そうな感じで、派手ではないが味のあるキャラです。読み進めていくと、なぜ彼が『少女趣味(ボルトキープ)』となったのか、どうして今のような闘い方をするようになったのかが分かるようになっています。

過去二作と比べると、人間ノックよりは好みだけど人間試験には及ばない、ぐらいかな。単純に好みの問題もあると思いますが。それとは別の話になりますが、表題の人間人間の意味がよくわかりません。どこかに書いてあったっけ?

戯言本編でも活躍の人識は今回も登場しています。そういえば双識もだっけ?いつものやりとりも健在です。人識と言えば、人間シリーズは3冊で終わりだと思っていたのですが、どうやら4冊目で最終作となる人識編もでるようですよ。もう一冊読めるので楽しみです。


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[ 2008/03/29 21:41 ] ライトノベル | TB(0) | CM(0)

2008年03月19日(水)

哲学の謎 

哲学の謎 (講談社現代新書)哲学の謎 (講談社現代新書)
著者:野矢 茂樹
出版:講談社
発行:1996/01

評価〔A〕 分かっているようで分からないことばかり
キーワード:哲学、対話形式

時間が流れるとして、その流れの速さはどれくらいなのだろう。(本文より抜粋)


哲学者の著者が、哲学の根本的な問題・疑問について2人の対話形式で書きだした本です。以前読んだ著者の「無限論の教室」が大変面白かったので、もう1冊何か読んでみようと思って手にしたのがこの本だったのですが、また違った面白さがありました。

始めの『意識・実在・他者』を読んでいる時、何故か恐怖感や不安感でいっぱいになりました。何か踏み込んではいけないところに踏み込んだかのような感覚でした。ホラーの恐怖感とはまた違った感情だったんだけど、あれは一体何だったのか。次の章からはそれらが好奇心に変わり、興味深く読めました。

自己の他は、記憶・時間・体験・言語・行為・自由意志など当然知っているが深く考えると、どういうことか良く分からなくなってくることについて書かれています。例えば記憶のところでは、世界は5分前に作られたかもしれない『5分前世界創造仮説』が、体験の章では私的体験は比較することが不可能である『知覚世界の自閉』なんかがあげられていて、分かりやすい例から本質的な話にうまく繋がっていました。『意味の在りか』で犬という字を書いた紙を前にして、これはただのインクのしみだと言い切る様は、まるで何で何でと繰り返す子供のようでおかしくもあり、本当は誰も何も分かっていないのではないかと全然笑えない状態だったりもします。

いくつかの項目は、昨年読んだ「哲学的な何か、あと科学とか」と重なっていて、すんなりとのみこむことができました。 外面的に人とそっくりなロボットは哲学的ゾンビ、私的体験はクオリアと表現は違ってても内容は同じです。哲学として深く考えたいのならば本書のほうがいいけれど、そこまで追求しなくてもいいし、もっとざっくばらんに読みたい方は、「哲学的な何か、あと科学とか」のほうが良いと思います。

時の流れや経験の一般化、行為と意志は特に興味深かったです。疑問に思わないことを考えてみたり、1つの謎から次の謎に繋げて進んでいくのは新鮮でした。僕も哲学的なことを良く考えているのですが、それよりももっと詳しくもっと体系的でだいぶ頭がこんがらがりましたが、面白かったです。小説のように激しい興奮はありませんでしたが、たびたび手にとって再読しそうな本です。



[ 2008/03/19 23:01 ] 心理・哲学 | TB(0) | CM(0)

2008年03月11日(火)

夢のアトサキ 

夢のアトサキ (ヤングキングコミックス)夢のアトサキ (ヤングキングコミックス)
著者:やまむら はじめ
出版:少年画報社
発行:2007/11/28

評価〔A〕 好きになったりなられたり
キーワード:連作短編集、青春、恋愛

ま、でも楽しそうだぜ?(本文より抜粋)


久しぶりにやまむらはじめの連作短編集を読みました。「境界戦線」以来かな。過去に読んだ短編集がとても気に入っていたので、また新作が読めて本当に嬉しいです。感動。実はこの本が出ていることを暫く知らないで、ネットでやまむらはじめの本を検索して初めて知りました。

読み始めて数ページですぐに「これは確かにやまむらはじめの漫画だ」と嬉しくなったことを憶えています。ま、当たり前なのですが。あの明るそうな雰囲気の中に潜む真剣さが好きなんですよ。ただ重いだけでなく、適度にある軽さもいいです。

舞台は地方にある私立大学。主役の乙部也寸志と、彼の所属する研究会の会員たちそれぞれの恋愛が描かれています。マージャンをしたり飲み会があったりと、学生らしい時間だけはある日常が言い感じです。若者の恋がテーマですが、純粋な・幼い・一途など分かりやすい形ではなく、恋愛以外の要素である迷いや悩みも一緒に描かれています。夢だったり目的意識だったり現実だったり。

3話の瑞季の話が気に入っています。少し変わり者同士の落ちついた恋愛が心地よいです。阿耶のあまり恋愛体質でない潔さもなかなか。やまむらはじめの描く女性は、苦境に立たされても前に進む強さがあって凛々しい。男性は迷い迷ってな人物が多いのですが。外見は中学生で意識しないで男を惚れさせるロリキャラの都緒里は、実に傍迷惑な存在だと思います。でもこういう人って人気あるよね。

研究会周辺の話なのでまとまっているのだけれど、逆に「境界戦線」や「未来のゆくえ」と比べて変化に乏しかったかもしれません。個人的には前作2つのほうが好きかな。

もう学生ではない自分によって、懐かしさを感じつつも共感できた作品でした。あの迷いながらも進むのがお気に入り。また短編集が読みたいなあ。


[ 2008/03/11 22:20 ] 漫画 | TB(0) | CM(0)

2008年03月02日(日)

2008年2月の読書メモ 

となりの801ちゃん2〔C〕
未来日記5〔B〕

この2冊だけでした。少ない。しかも両方とも漫画。それなりに本を読んでいたような気がしたんですが、きっと先月の本を読んでいたからでしょう。

積読消化は3冊。
イン・ザ・プール〔B〕
春期限定いちごタルト事件〔B〕
夏期限定トロピカルパフェ事件〔A〕

1月よりも満足のいく読書生活でした。特に小市民シリーズの2冊は良かったです。楽しませてもらいました。3月ですが、今のところ新書を読もうかなと思っています。



[ 2008/03/02 12:02 ] 月別まとめ | TB(0) | CM(0)