FC2ブログ







2019年04月17日(水)

図解・ベイズ統計「超」入門 



著者:涌井 貞美
発売日: 2013/12/17

評価〔A〕 厳密でないのが興味深いです。
キーワード:ベイズ統計、数学、入門書

先生「条件付き確率の問題に出会って困ったら、まずベイズの定理を試してみるといいわ。」(4-1より抜粋)


統計や確率は知っているけれど、ベイズ統計を知っている人はあまりいないと思います。本書ではこの便利で応用の幅が広いベイズ統計を、ベイズの定理から分かりやすく解説する入門書です。

まず会話形式で分かりやすいです。読者が考えそうな質問や疑問もこの会話の中で挙げられ、図や表と共に丁寧に説明しています。数学が苦手な方でも分かるように、数式を文章に置き換えて表現しているのも良いです。データと仮定という言葉で定理を書き換えるのは理解しやすかったです。計算がまったくないわけではありませんが、意味が分かれば難しくありません。統計学の知識がなくても大丈夫そうです。

前半ではいまいち凄さが分からなかったベイズの定理も、後半では様々なものに適用できるのが分かり面白かったです。難病Xの問題や迷惑メールの例を読むとこの定理の利便性や実用性が分かります。使い方次第で人の心理を確率で判断できるのには驚きました。あくまで確率ですけど。

基本的な考え方といくつかの応用例のみですが、ベイズ統計がどのようなものか知りたい方にはおすすめの一冊です。分かりやすい、これに尽きます。


スポンサーサイト
[ 2019/04/17 21:20 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2018年12月17日(月)

バッタを倒しにアフリカへ 



著者:前野ウルド浩太郎
発売日: 2017/5/17

評価〔B+〕 すごく楽しそう。
キーワード:昆虫学、サバクトビバッタ、モーリタニア、ポスドク、

何も取り柄がない自分だったが、フィールドワークを苦に思わないのが取り柄になるかも。このサハラ砂漠ことが自分が輝ける舞台なのではないだろうか。(本文より抜粋)


表紙のバッタ人間を見て、なんだか軽い感じの新書なのかなと思っていましたが、期待を上回る面白い本でした。題名どおり若き昆虫学者がアフリカはモーリタニアに行き、今までまったく異なる環境でバッタを相手に奮戦します。

まず文体が研究者の書いたものとは思えないほど軽めで読みやすいです。まるでネット記者のようです。加えて、数多くのカラー写真が掲載されていて、モーリタニアがどのような場所なのか、バッタの大群とはどのような光景なのかひと目で知ることができます。

面白いだけでなく押さえるべきところはしっかり書かれています。アフリカでのバッタによる被害の深刻さ、ポスドクとして職を得ることの難しさ、生物相手に思うようにいかない研究。いくつもの困難が著者を待ち受けますが、好きなものに対する意欲と行動力で立ち向かいます。最大の決断を迫られた後の第7章に心打たれました。研究所のババ所長が印象深い。

テレビで若い女性の生物学者がジャングルで何か月も暮らしている様子を伝えていましたけど、あの人と同じなんだろうなと思うと納得できます。好きだからこそ、なのでしょう。ここまで突っ走れるのが羨ましいです。

今後どのような成果を出すのか、その時にまた別の本で合えるのを楽しみにしています。



[ 2018/12/17 21:31 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2018年09月27日(木)

なぜ男は女より早く死ぬのか 生物学から見た不思議な性の世界 



著者:若原 正己
発売日: 2013/12/17

評価〔B+〕 人間だけでなく様々な生物の性を紹介。
キーワード:性、有性生殖、雌雄同体、染色体、

男と女の区別ははっきりしているように見えますが、はたして、本当にその協会がはっきりしていると言ってよいのでしょうか。(第3章より抜粋)


流行りの脳科学ではなく、純粋に生物学の見地から性とは何かを追及していく本です。恋愛やジェンダーを軸に書かれた書籍は多いのですが、こうした基本に戻って生物学を中心にしたものは最近では珍しいかもしれません。Amazonの説明によると全国学校図書館協議会選定図書。

題名から人間の話が主題かと思っていたのですが、昆虫や魚、哺乳類と数多くの性を紹介しています。オス・メスを自由に産み分けられるミツバチ、温度によって性別が変わるサンショウウオ、集団の地位によって性転換するカクレクマノミと想像している以上に性は複雑で、かつあいまいなことが分かります。オス・メスで体の大きさが違う性的二型と夫婦関係も詳しく書かれていて良かったです。

人間は男の子のほうが多く生まれる理由も興味深いです。昔、男性のほうが早死にだから多く生まれると聞いたことがあるのですが、本書のY精子のほうが軽いから早く卵子に到達するという説明のほうがしっくりきました。

生物学の最先端であるiPS細胞も取り上げられています。iPS細胞は多少は知っていましたが、男も女も自分の細胞から卵子と精子を作り出し、1人の人間からクローンでない人間を生み出すことができるのは知りませんでした。どの細胞にも分化できるだけでなく、自家受精や同性同士の生殖も可能になるとは。衝撃的でした。これを知ることができただけでも読んでよかったです。



[ 2018/09/27 21:19 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2018年02月26日(月)

世界は素数でできている 



著者:小島 寛之
発売日: 2017/8/10

評価〔B〕 著者の素数愛にあふれる一冊。
キーワード:素数、数学、リーマン予想、ゴールドバッハ予想、フェルマーの小定理、

オイラーは1737年に、素数の個数に関する驚くべき発見をしました。(第3章より抜粋)


1と自分自身以外では割り切れない2以上の整数――素数について定義から最新の研究まで網羅した、素数の包括的解説書です。

面白さは読む人の数学的知識に依存しそうです。新書は専門的知識がない人のための分野別入門書だと思っていたのですが、本書は素人が読むには難し過ぎます。確かに基礎も書かれていますが、進むテンポが速すぎて気がついたら専門家レベルになっていることが多々あります。なるべく易しく解説を心がけているのが文章から読み取れますが、私のようにゼータ関数をちょっと知っているレベルでは、途中からは難しくて読むだけで一苦労です。

素数の面白さを知ってもらおうと数式以外のことも紹介しています。グロタンディーク素数が取り上げられていて、なんかホッとしました。この話は知っていましたけど、こういうエピソードが入っているのは良いですね。どちらかというと、このような素数に関する逸話が多いのかと思っていました。

途中で科学の記者にしては詳し過ぎると疑問に思い、経歴を見てみたら数学科を卒業していました。納得です。

興味深くはあるが難しかったの一言です。大学の数学科の学生くらいの知識があれば、楽しめそうですね。後で時間がある時に、ゆっくり再挑戦してみます。




[ 2018/02/26 21:24 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)

2017年08月03日(木)

萌え家電 家電が家族になる日 



著者:大和田茂
発売日: 2015/6/25

評価〔C+〕 将来の予測をもっと読みたかったです。
キーワード:家電、電気電子工学、テクノロジー、科学読み物、AI、

人間が人間以外のモノと対話するなんて寂しすぎる、と思う方もいるかもしれない。しかし実際には、人間とは人間以外のもの、たとえば機械に対するコミュニケーションであっても、人間に対するときと同じような反応をしてしまう性質がある。(第1章より抜粋)


家電と言えば高性能や新機能が売りでしたが、最近ではかわいい家電の人気が出てきました。一見役に立たない機能が、どうして利用者に好かれるのか。萌え家電の歴史を辿り、日本の文化やAIを踏まえて考察しています。

身近な具体例として挙げられたものは、AIBOやルンバ、SiriやMMDと知っていることが多かったので、あまり新鮮さはありませんでした。しかし、知っているとはいえ、こうした人間の相手としての家電や道具が結構あって、確かに萌え家電への流れが起きつつあるのかもしれないと感じました。ロボットに近いけれど、本書で扱っているのは人型に限らない人間味のある機械と言ったところ。

萌え家電の人気の秘密を考察した最後の章が、興味深かったです。特に、人間がどのようなものに生き物を感じるのかは、簡潔ながらも分かりやすくて面白いし、外見が人間そっくりではなくデフォルメされたもの(萌え絵)が好ましい理由も説得力があり頷けます。現状よりも、こうした分析や将来の予測についてもう少し読みたかったです。

コンピュータやAIが進化していくと、最後はやはり人間そっくりのロボットに行き着くのでしょうか。本書からロボットやAIの本を読んでいくのもいいかも。私は逆でしたけど。




[ 2017/08/03 22:16 ] 自然科学・医学 | TB(0) | CM(0)