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2019年07月29日(月)

格差と階級の未来 超富裕層と新下流層しかいなくなる世界の生き抜き方 



著者:鈴木 貴博
発売日: 2019/1/19

評価〔A〕 お金を上から見た話。
キーワード:資本主義、富裕層、貧困層、搾取、労働、

なぜこれまでの歴史の中で、資本家は労働者から搾取をしてきたのでしょうか。その理由は「富は労働が生むもの」だったからです。(第五章より抜粋)


庶民目線ではなく富裕層・資本家から見た富の流れと世の中の仕組み解説しています。

どうして富を持つものが現れたのか、どうして今のような資本主義社会になったのかが、お金の流れのみで考察し説明されているのですっきりしていて分かりやすかったです。基本的に誰が誰から搾取するのかに注目しているので内容は殺伐としています。しかし、文化や個人の心理を排して考察しているので、より簡潔でより本質的な説明になっているのではないでしょうか。

単なる現状説明で終わらず、労働者がどうすれば富を持てる可能性があるのかについても言及しているのが本書の良いところです。解決策は誰もが富裕層になれる訳ではありませんが、現実的な案だと感じました。調べてみたら似たようなことを主張している本も見つけましたので説得力があります。

富の偏重は加速するのか、新しい価値観が覆すのか。次に世の中の仕組みが大きく変わった後で、また読み返してみたいです。


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[ 2019/07/29 23:21 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年07月03日(水)

忍者はすごかった 忍術書81の謎を解く 



著者:山田 雄司
発売日: 2017/7/28

評価〔B-〕 仕事が多くて大変そうです。
キーワード:忍者、忍術書、日本史、

忍術の三病とは、一に恐れ、二に侮り、三に考えすぎである。(第四章より抜粋)


超人的な身体能力を持ち闇に生きる印象の強い忍者ですが、忍術書からは表社会で人ごみに紛れて地味に活動する姿が読みとれます。やはり戦闘員というよりは諜報員で、いかに人の信用を得るか、いかに人の心を見抜くかに重点が置かれているのかが分かりました。

前半はなんだか自己啓発書のようであまり新鮮さは感じませんでした。昔から同じようなことを教えて、または教えられているのですね。後半のほうが興味を持つ項目が多く、相手の本性・本心を知る方法や忍びの適性とは何かは面白かったです。

また、とりあげている項目は良いのですが、原文の次に訳文があり最後に解説文と古典の参考書のような構成が、やや単調で退屈に感じました。

それにしてもこうした忍術書が残っていたとは意外でした。ただ本文にも、忍術書は概要を書いたもので大事なのは自分の目で見て感じ考えること、とあるので、実践できてこその忍者なのでしょう。主人や評論家ではないのですから。


[ 2019/07/03 22:36 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年06月19日(水)

PTA不要論 



著者:黒川 祥子
発売日: 2018/5/16

評価〔B+〕 私も不要に一票。
キーワード:学校、PTA、役員、教師、教育、

これほどの負担と労力とストレスを強いられながら、意味が見出せない組織が戦後70年も延々と続いている。あるのが、当たり前とされて・・・・・・。(第六章より抜粋)


子供の頃は、PTAは保護者と先生がなんだか集まって何かしているよく分からない組織でした。大人になってから体験談を聞いたり読んだりしてみると、どうも問題が多い組織のようですね。

役員になると多くの時間を犠牲にして活動しなければならないのですが、その活動が本当に子供たちの教育に役立っているのか分からないものがあります。本書で挙げれた先生たちへのお茶くみやベルマーク集計は大いに疑問です。家庭の事情は一切考慮せずに時間と体力を捧げなければならないのが辛いです。

一番酷いのは任意加入なのに、古参の参加者がさも強制加入であるかのように説明していることではないでしょうか。自分たちが苦労したのだからあなた達もしなさい、と中学生の部活動の悪習のようです。義務ではないのですから、参加したい人が行うボランティア制が理にかなっています。しかし、何らかの理由で未加入でいると、その人の子供が大人からいじめられる可能性があるというのですから酷いものです。

PTAを必要であると主張する本部役員の弁も載っていますが、他人事のようであり賛同できません。理解しがたい意見もありましたし。もっと現場でうまく行っている、こうした場合に必要だという意見が聞きたかったです。その上で要か不要か考えてみたかったです。

誰のための組織と活動なのか。本部の人々も原点に戻って考え直してもらいたいです。



[ 2019/06/19 19:53 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年05月04日(土)

「過剰反応」社会の悪夢 



著者:榎本 博明
発売日: 2015/5/10

評価〔B〕 受け手も過剰にならずに。
キーワード:社会問題、炎上、クレーマー、

何を期待されていたのかもよくわからないし、何が気に入らないのか、何を怒っているのかと戸惑うばかりである。勝手な思い込みによる期待なのに、裏切られてたといって過剰反応するのである。(第3章より抜粋)


今までは特に何の問題もなかったことが、少数の意見により組織や会社が対応を強いられる出来事があります。少数派としてはまっとうな意見なのかもしれませんが、感情的になってしまいネットで取りあげられることも少なくありません。どうしてこのような出来事が起きてしまうのか、原因は何なのか、について分析します。

まず列挙されている過剰反応の事件の数に驚きました。一度は目にしたことがあるのに忘れていた事件も多く、ネットではすぐ新しいニュースが飛び込んでくるので長く記憶に残らないのが原因なのでしょう。一つひとつ反論しています。概ね納得できる意見でしたが、心理構造を読み解くための心理実験の結果などの客観的な根拠があればなお良かったと思います。

対策が知りたくて読みましたが、劇的に効く対処法はなかったのは予想はしていましたが残念です。和解できた成功例をもっと挙げて欲しかったです。実際に話し合って解決していくのが一番効果的なのかもしれません。社会を構成する一人ひとりが意識と行動を変えていかなければならないと再認識しました。



[ 2019/05/04 21:46 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2018年11月18日(日)

なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年 



著者:阿古 真理
発売日: 2016/10/7

評価〔C〕 現状をもっと語って欲しかった。
キーワード:パン、食文化、主食、

日本にはフランスのように国立のパン学校はないが、チェーン展開する大手製パン会社がある。(本文より抜粋)


食パンをはじめとして菓子パンや総菜パンと、数多くのパンが現代の日本では売られています。日本にパンが入ってきて約150年。どのようにして受け入れられてきたのかが綴られています。

フランスパンの品質が語られているのかと思ったら、前半はパン全般の歴史でした。本格的なパン作りを日本に伝えた人、当時の人気店、製パン会社の原点が分かりやすく説明されていて、様々な要因があって普及したのだと知ることができます。また、日本のパンと特徴やパンブーム、食文化にも触れていて、パン好きにはたまらない一冊かもしれません。パンとキリスト教の考察は、なるほどと感心しました。

歴史の部分が多く、副題のほうが題名にふさわしいです。フランスパンの美味しさの考察は少しだけしかなくて残念でした。また、流行の火付け役となった人気店が紹介されていますが、興味がないので少々退屈でした。グルメの方は、こういう情報を得たら実際に行きそう。

将来は貴重な資料になりそうです。



[ 2018/11/18 10:29 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)