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2019年07月03日(水)

忍者はすごかった 忍術書81の謎を解く 



著者:山田 雄司
発売日: 2017/7/28

評価〔B-〕 仕事が多くて大変そうです。
キーワード:忍者、忍術書、日本史、

忍術の三病とは、一に恐れ、二に侮り、三に考えすぎである。(第四章より抜粋)


超人的な身体能力を持ち闇に生きる印象の強い忍者ですが、忍術書からは表社会で人ごみに紛れて地味に活動する姿が読みとれます。やはり戦闘員というよりは諜報員で、いかに人の信用を得るか、いかに人の心を見抜くかに重点が置かれているのかが分かりました。

前半はなんだか自己啓発書のようであまり新鮮さは感じませんでした。昔から同じようなことを教えて、または教えられているのですね。後半のほうが興味を持つ項目が多く、相手の本性・本心を知る方法や忍びの適性とは何かは面白かったです。

また、とりあげている項目は良いのですが、原文の次に訳文があり最後に解説文と古典の参考書のような構成が、やや単調で退屈に感じました。

それにしてもこうした忍術書が残っていたとは意外でした。ただ本文にも、忍術書は概要を書いたもので大事なのは自分の目で見て感じ考えること、とあるので、実践できてこその忍者なのでしょう。主人や評論家ではないのですから。


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[ 2019/07/03 22:36 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年06月19日(水)

PTA不要論 



著者:黒川 祥子
発売日: 2018/5/16

評価〔B+〕 私も不要に一票。
キーワード:学校、PTA、役員、教師、教育、

これほどの負担と労力とストレスを強いられながら、意味が見出せない組織が戦後70年も延々と続いている。あるのが、当たり前とされて・・・・・・。(第六章より抜粋)


子供の頃は、PTAは保護者と先生がなんだか集まって何かしているよく分からない組織でした。大人になってから体験談を聞いたり読んだりしてみると、どうも問題が多い組織のようですね。

役員になると多くの時間を犠牲にして活動しなければならないのですが、その活動が本当に子供たちの教育に役立っているのか分からないものがあります。本書で挙げれた先生たちへのお茶くみやベルマーク集計は大いに疑問です。家庭の事情は一切考慮せずに時間と体力を捧げなければならないのが辛いです。

一番酷いのは任意加入なのに、古参の参加者がさも強制加入であるかのように説明していることではないでしょうか。自分たちが苦労したのだからあなた達もしなさい、と中学生の部活動の悪習のようです。義務ではないのですから、参加したい人が行うボランティア制が理にかなっています。しかし、何らかの理由で未加入でいると、その人の子供が大人からいじめられる可能性があるというのですから酷いものです。

PTAを必要であると主張する本部役員の弁も載っていますが、他人事のようであり賛同できません。理解しがたい意見もありましたし。もっと現場でうまく行っている、こうした場合に必要だという意見が聞きたかったです。その上で要か不要か考えてみたかったです。

誰のための組織と活動なのか。本部の人々も原点に戻って考え直してもらいたいです。



[ 2019/06/19 19:53 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2019年05月04日(土)

「過剰反応」社会の悪夢 



著者:榎本 博明
発売日: 2015/5/10

評価〔B〕 受け手も過剰にならずに。
キーワード:社会問題、炎上、クレーマー、

何を期待されていたのかもよくわからないし、何が気に入らないのか、何を怒っているのかと戸惑うばかりである。勝手な思い込みによる期待なのに、裏切られてたといって過剰反応するのである。(第3章より抜粋)


今までは特に何の問題もなかったことが、少数の意見により組織や会社が対応を強いられる出来事があります。少数派としてはまっとうな意見なのかもしれませんが、感情的になってしまいネットで取りあげられることも少なくありません。どうしてこのような出来事が起きてしまうのか、原因は何なのか、について分析します。

まず列挙されている過剰反応の事件の数に驚きました。一度は目にしたことがあるのに忘れていた事件も多く、ネットではすぐ新しいニュースが飛び込んでくるので長く記憶に残らないのが原因なのでしょう。一つひとつ反論しています。概ね納得できる意見でしたが、心理構造を読み解くための心理実験の結果などの客観的な根拠があればなお良かったと思います。

対策が知りたくて読みましたが、劇的に効く対処法はなかったのは予想はしていましたが残念です。和解できた成功例をもっと挙げて欲しかったです。実際に話し合って解決していくのが一番効果的なのかもしれません。社会を構成する一人ひとりが意識と行動を変えていかなければならないと再認識しました。



[ 2019/05/04 21:46 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2018年11月18日(日)

なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年 



著者:阿古 真理
発売日: 2016/10/7

評価〔C〕 現状をもっと語って欲しかった。
キーワード:パン、食文化、主食、

日本にはフランスのように国立のパン学校はないが、チェーン展開する大手製パン会社がある。(本文より抜粋)


食パンをはじめとして菓子パンや総菜パンと、数多くのパンが現代の日本では売られています。日本にパンが入ってきて約150年。どのようにして受け入れられてきたのかが綴られています。

フランスパンの品質が語られているのかと思ったら、前半はパン全般の歴史でした。本格的なパン作りを日本に伝えた人、当時の人気店、製パン会社の原点が分かりやすく説明されていて、様々な要因があって普及したのだと知ることができます。また、日本のパンと特徴やパンブーム、食文化にも触れていて、パン好きにはたまらない一冊かもしれません。パンとキリスト教の考察は、なるほどと感心しました。

歴史の部分が多く、副題のほうが題名にふさわしいです。フランスパンの美味しさの考察は少しだけしかなくて残念でした。また、流行の火付け役となった人気店が紹介されていますが、興味がないので少々退屈でした。グルメの方は、こういう情報を得たら実際に行きそう。

将来は貴重な資料になりそうです。



[ 2018/11/18 10:29 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)

2018年10月12日(金)

精神医療に葬られた人びと ~潜入ルポ 社会的入院~ 



著者:織田 淳太郎
発売日: 2011/7/15

評価〔B〕 一番の原因はなんなのか。
キーワード:精神病、入院、介護、人生、

そこは、平和だが、鍵によって密閉された「鳥かご」のような世界だった。地域との繋がりが寸断された、文字通りの無縁社会である。(本文より抜粋)


精神科病院の病棟は、接点のない人がほとんどなので、実態を知っている方は極一部です。せいぜいドラマや漫画など創作物の中での、暗くて不気味な雰囲気のイメージしかない方ばかりではないでしょうか。では、現実の病棟はどのようなところなのでしょうか。著者自ら精神病棟に入院し、何が起きているのか何が問題なのかを綴っている体験レポートです。

病棟の描写は想像よりも落ち着いていて平穏そうに見えますが、数十年も病院で暮らしている比較的健康な患者がいること自体が問題の大きさを示しています。難病のためやむを得なくならばともかく、治療以外の要因、例えば引き取り手の不在などで暮らしていかなければならないのは、どこか腑に落ちません。隔離・拘禁から治療・復帰の場とするには様々な課題がありますが、医療関係者以外の者としてできるのは精神病患者への理解と関心を持つこととあり考えさせられました。

また、日本は諸外国に比べて病床数が格段に多いのは知りませんでした。これは精神医療が充実しているからではなく、病院の経営面から入院患者を多くしているそうで、お金がなければ何もできないとはいえ残念に思います。

本書は患者と医療関係者の生の声に触れていますが、患者の家族や病院経営者の意見もあったらなお良かったです。



[ 2018/10/12 22:38 ] 社会・歴史 | TB(0) | CM(0)