 
| 著者:有田イマリ 発売日: 2018/1/22
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評価〔B+〕 物理的ではなく精神的な恐怖。キーワード:田舎、日常系、ホラー、サスペンス、
「それは私達の知っている・・・誰か・・・?」(本文より抜粋)
状況は解決へと少しずつ進んでいるかに見えましたが、思わぬ事件が発生し謎は深まるばかり。彼女にしてみればまさに絶望とも思える事態なのですが、諦めずにもがき続ける姿が印象に残ります。
1巻同様テンポは良いし、怖いところはきちんと怖いので面白いです。平常時の絵柄や雰囲気と非常時のそれの落差があるので、分かっていても少し驚いてしまいます。
黒幕の存在を臭わせてきたので、単なる自然現象ではないことは確かなのですが・・・・・・これって真相を推理できるたぐいのものなのでしょうか。最後の茜の台詞をヒントにちょっと考えてみようかな。
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| 著者:有田イマリ 発売日: 2017/8/22
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評価〔B+〕 1話だけは読んだことありました。評価〔A-〕 1話だけは読んだことありました。キーワード:田舎、日常系、SF、サスペンス、ホラー、
「・・・何コレ?」「日誌だ」(本文より抜粋)
絵柄も冒頭も田舎の少女たちの日常系なのですが、主人公のある行動をきっかけに世界が一変する物語です。いや驚きました。なかなかのものです。人には進めづらい。裏表紙に書いてあるので書きますが、タイムリープが重要なキーワードとなります。しかし、今のところSFと評するよりはサスペンス、またはホラーと評したほうが良いような気がします。
ある人物が豹変する場面では怖さよりも驚きが勝ったのですが、1話の最後の見開きは臨場感がありかなり怖くて良かったです。怖くて良かったというのも変ですが、雰囲気が出ていて引き込まれました。
Amazonの書評に「Re:ゼロから始めるのんのんびよりの鳴く頃に」と書いた方がいますが、すごい要約力だと感心しました。
この手の話は話の進みが遅くなりがちですがそのようなこともなく、新たな展開をむかえて2巻へとなります。分かりやすい引き。読者の読みをどんどん外して突き進んでほしいです。
 
| 著者:乃木坂 太郎 発売日: 2014/12/26
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評価〔B+〕 Qの個性が強過ぎ。キーワード:サスペンス、戦後、完結、
「そうじゃない・・・。もっと短いたった一つの言葉だよ。」(本文より抜粋)
財宝探しに終止符が打たれましたけど、もう一つの大きな問題には決着がついていません。この巻では、テツオの決断とその行方について描かれています。
最終巻にふさわしく、どの登場人物もそれぞれの思惑で動き、それぞれの結末をむかえます。印象に残ったのは丸部の本心です。あの格好で口から出た「野望でも欲望とかじゃない」という言葉は、どこか説得力のあるものでした。ミステリーの部分も含めて、裏の主人公は彼だったと思います。
このシリーズの主題は時代によって評価が変わりそうです。戦後直後でしたらセンセーショナルですし、おそらく理解の進んだ近未来なら理解されないなんてなんて野蛮な、となるかもしれません。
結末については賛否両論ありそうですが、すっきり終わり読後感は悪くありません。
 
| 著者:守月 史貴 発売日: 2017/1/20
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評価〔B〕 鳥羽渚編は重かった。キーワード:呪い、オカルト、現代、
いったいどちらが――本当の鳥羽なんだ?(本文より抜粋)
教師と生徒の関係を描いた鳥羽渚編が終わりをむかえます。
思っていたよりもややこしいことになりましたけど、最後は情念が表に噴出したかのようでした。この鳥羽渚編は扇情的な設定とよく合っていると感じました。全てが終わった後のクチナワの考察が興味深かったです。
新たに始まった姉妹、月乃と日向編ですが、今のところクチナワが出る幕はなさそうですが、これからどう怨結びに繋がっていくのか分かりません。ただ面白くなりそうです。
 
| 著者:乃木坂 太郎 発売日: 2014/7/30
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評価〔B+〕 財宝探しよりも・・・・・・。キーワード:サスペンス、戦後、
「顔を隠す必要もないだろ、『死番虫』。」(本文より抜粋)
何人もの犠牲者を出してきた幽麗塔の財宝探しもようやく最終盤となりました。少し前からだけど、沙都子の役どころがお嬢さんではなくお笑いになってきているような。
丸部の推理が合っているのか?誰が一番怪しいのか?財宝はあるのか?などいくつもの謎がありましたが、それらに答えが用意されています。もっと出し惜しみするかと思っていたけれど、意外とあっさり素直に終わりました。
全て終わったからもう語るべきことはないのではと思いながら読み続けたら、あの人物の口から予期せぬ計画が語られて驚きました。いやもう何言ってるの、聞かされた某でなくても――は?ですよ。前半の驚きを忘れそうになりました。終わったと思ったらまだ山場は残されていました。どうなってしまうのでしょうか。