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2019年02月11日(月)

三日間の幸福 



著者:三秋縋
発売日: 2013/12/25

評価〔B+〕 あそこで終わるのか。
キーワード:青春、恋愛、現代、

「寿命を売る気はねえか?」(本文より抜粋)


人生に悲観して寿命を売ってしまった若者・クスノキが、監視員ミヤギに見張られつつ残りの人生を過ごす現代のファンタジーです。SFよりはファンタジーのほうが似合っています。ウェブで大人気となり出版されたようです。

読むとすぐ分かりますが、暗くてシリアスで明るい要素は見当たりません。明るい物語が好みの人は途中で読むのを止めてしまいそうなくらい暗然たるものがあります。しかし、ただ重苦しいだけは終わらないのでご安心ください。

結末はAmazonの書評を見るに好評ですが、賛否両論あるんじゃないのかな。なんかこうこれで良いのか、良いのかもしれないけど、みたいな気持ちになりました。終盤が急展開だったのも少々残念。個人的には終盤をじっくり心理描写も交えて見せてくれたら、もっと良かったのになあと思います。



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[ 2019/02/11 17:12 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年02月05日(火)

閻魔堂沙羅の推理奇譚 負け犬たちの密室 



著者:木元 哉多
発売日: 2018/5/23

評価〔A-〕 被害者も千差万別です。
キーワード:ミステリ、死後、連作短編集、

「しかし、この別荘、すげえセキュリティーだな。あちこちから監視されている気がするぜ」(第3話より抜粋)


被害者対エンマ、閻魔堂沙羅シリーズの2冊目です。

1冊目は基本的にパターンに則した展開でしたが、本書はそのパターンを上手く破って意外性を出しています。身勝手な人物や傲慢とも思える人物が登場し、読んでいてあまり気分の良いものではありませんけど、真相や結末は説得力があると感じました。毎回こうした人物では疲れてしまいますので、ときどきが良いですね。

第1話は珍しく推理がほとんど当たってこれならば3つとも真相が見破れるかなと思っていたのですが、あとの2つは難しく半分も分かりませんでした。特に第3話。あれを解くには相当推理力がないと無理でしょう。



[ 2019/02/05 21:19 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年01月20日(日)

θ 11番ホームの妖精 アクアリウムの人魚たち 



著者:籘真 千歳
発売日: 2016/1/23

評価〔B+〕 意外と客が来てるんだな・・・・・・。
キーワード:SF、未来、駅、

貨物車輌の上には見慣れたコンテナではなく、直方体の棺のようなものが立てて並べられています。(本文より抜粋)


「θ 11番ホームの妖精」シリーズの2作目です。駅を担うコンピュータ・アリスが中心となる短編と、特殊な輸送物をめぐる様々な計略に巻き込まれる中編の2編からなる連作集です。

このシリーズはT・Bのいる場所と彼女自身が特殊なため、大きな出来事になることが多いです。短編のほうは軽めに書かれていますけど、結構大事だと思うんだけどな。

中編で登場する多々良美波が印象深いです。彼女とT・Bのやり取りは二人の事情を目に見える形で表現しているようで、分かりやすくて良かったです。彼女の本気には驚かされました。凄い。また、中編の冒頭で話題となった四種類の人間の話は興味深いです。こういうちょっとした雑談はお気に入りなので、もっと劇中に散りばめてほしいなあ。

著者のスワロウテイルシリーズと世界が繋がっているのが分かる台詞が多いです。そちらを読んでいれば分かることもありますが、未読でも影響なく十分楽しめますのでご安心ください。



[ 2019/01/20 11:58 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年01月20日(日)

θ 11番ホームの妖精 鏡仕掛けの乙女たち 



著者:籘真 千歳
発売日: 2014/7/10

評価〔B+〕 やはりオペレーター台詞が格好良いです。
キーワード:SF、未来、駅、

「ええ、θのおまじないです」(本文より抜粋)


鏡状門で短時間で長距離移動が可能となった世界で、地図には存在しない幻の駅で働く女性、T・Bの物語です。電撃文庫から出ている同名小説を未収録作品を加えた増補改訂版です。

地の文章はT・Bの一人称なので、読みやすく分かりやすいです。のんびりした雰囲気はライトノベルのそれですが、未来技術の説明が丁寧でしっかりしていて陳腐さは感じません。良く言えばライトノベルとSFのいいとこどりです。どれも物語の核となる部分は深刻で重いですが、読後感は良いです。また、T・Bのいる場所は限定されているので、登場人物も少なく覚えやすいのも個人的には良いです。ただでさえSFは設定が多いので。

電撃文庫版は既読でしたので新鮮さはないものの、細かい内容は忘れていたので十分楽しめました。改めて読んだらアニメで見たい気分になりました。映えそう。著者の他作品・スワロウテイルシリーズとの繋がりもありますので、そちらを読んだ方にもおすすめです。



[ 2019/01/20 11:56 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2018年12月26日(水)

閻魔堂沙羅の推理奇譚 点と線の推理ゲーム 



著者:木元 哉多
発売日: 2018/12/20

評価〔A-〕 日常パートどう思いますか?
評価〔B+〕 日常パートどう思いますか?
キーワード:ミステリ、死後、連作短編集、

これではダメだ。犯人はこいつ以外にありえないことを明瞭に指摘できるだけの論拠がなければ、沙羅を納得させられない。(第1話より抜粋)


亡くなった被害者がそれまでの記憶で推理する閻魔堂沙羅シリーズの4冊目です。

1冊で事件が2つだけのせいか、1冊目に比べて難しくなっていると感じました。特に1話目。容疑者が多いしミスリードも多いです。被害者が推理する前の時点で真相までたどり着けたら名探偵ですよ。

また、今回は珍しく仕事をしていない沙羅が少しだけ描写されています。沙羅個人については推理とは関係ないので、個人的にはどちらでもいいかなと思っていますけど、シリーズが長くなるとこうしたものがあったほうが良いのかもしれません。それとも読者からの要望があったのかな。

まだ1冊目しか読んでいないのに4冊目を読んだのは、ネットで催された「閻魔沙羅からの挑戦状 犯人を当てれば現金5万円!」の犯人と真相が一刻も早く知りたかったからです。結構自信があったのですが、残念ながら推理は外れていました。かなりガッカリしましたけど、自分の推理がなぜ間違っていたかも二人の会話を読んで納得しました。またいつかこういう推理企画をやってほしいですね。



[ 2018/12/26 21:41 ] 小説 | TB(0) | CM(0)