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2019年05月11日(土)

殺人鬼探偵の捏造美学 



著者:御影 瑛路
発売日: 2017/11/22

評価〔B+〕 なるほどなるほど。
評価〔A-〕 なるほどなるほど
キーワード:推理、探偵、殺人鬼、

とても美しかった記憶はあるのに、どうしてもその顔が思い出せない。(第一話より抜粋)


美形で人気の精神科医・氷鉋(ヒガノ)が、副業で探偵業をしさらに裏では殺人鬼・マスカレードとして暗躍する一風変わった推理ものです。

事件のアリバイやトリックが一番の見せ場ではなく、事件の全体像が最大の謎です。誰がどのような動機で動いているのか、誰の言っていることが本当なのか。劇中で触れているミスディレクションが、誰から誰へのものなのか。目まぐるしく事態は変化してたびたび事件の見え方が変わってくるので、面白くて一気に読んでしまいました。

どんでん返しがある物語は珍しくありませんけど、本書は一体何回ひっくり返ったのでしょうか。終盤で再び出てくるあの文章の意味が分かった時は、本当に驚きましたし感心しました。あれ、きちんと全て見抜いた人は凄いです。

個人的にはミステリにしては登場人物が少なく、いちいち容疑者を覚える必要がないので読みやすかったです。巻頭で20人くらい名前が書かれているのを見ると、読む気がそがれます。

思っていた推理ものとは違っていましたけど、このようなタイプの本も結構好みです。


ネタばれを少しだけ↓
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[ 2019/05/11 22:15 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年04月27日(土)

あなたは嘘を見抜けない 



著者:菅原 和也
発売日: 2017/7/20

評価〔B〕 嘘をついているのは誰なのか。
キーワード:廃墟めぐり、オフ会、推理、恋愛、

彼女の死には、なにか裏があったんじゃないだろうか?(P75より抜粋)


一年前に旅先で突然亡くなった恋人・美紀の死に疑問を覚え、高辻は真相を探ることを決意します。同時進行で孤島の廃墟めぐりツアーの様子も描かれ、両方の物語から真相を推理するミステリとなっています。

彼女の旅がネットで知り合った人たちとの旅行という時点で何かありそうな雰囲気でしたが、まんまと著者のミスリードにひっかかってしまいました。題名にある嘘は見抜けませんでした。それでうまく騙されてしまったのは良いのですが、孤島の社宅での事件の謎解きはいまいちすっきりしません。あのように書いているからには可能なのでしょうが・・・・・・詳しい人の意見が聞きたいです。

読後感があまり良くなかったので絶賛はしません。題名の嘘を看破する自信のある方には是非挑戦してもらいたいです。


[ 2019/04/27 17:11 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年03月30日(土)

生贄のジレンマ〈下〉 



著者:土橋 真二郎
発売日: 2010/12/25

評価〔C-〕 唐突な展開がどうも・・・・・・。
キーワード:ホラー、囚人のジレンマ、学園、

――これはコミュニケーションなのだ。自分だけの行動では意味がないのだ。(本文より抜粋)


中巻の終盤の出来事によってゲームは大きく動き出しましたが、それでも予想よりは静かな展開でした。個人ではなく集団の思惑が鍵を握ると思っていただけに意外です。

気になったのはそこではなく、北校舎での出来事です。理不尽なゲームに巻き込まれるのはそういうものだと分かります。その中でしっかりと物語が繋がっていけばよいのですが、どうも唐突な展開に感じられ違和感が残りました。重要な共通項があるのは理解できますが、著者が書きたい場面だけ書いたような印象がありました。5階でのあの勝負も。

一つの場面でのやり取りや心理描写は興味深いし、考えさせられるところもあったのは良かったです。読者をハラハラさせる点は秀でていると思います。しかし、生徒の数を活かしきれていないところや、結末がはっきりせずぼんやりしているのは残念でした。



[ 2019/03/30 20:44 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年03月30日(土)

風ヶ丘五十円玉祭りの謎 



著者:青崎 有吾
発売日: 2017/7/20

評価〔B+〕 登場人物たちの個性が出ています。
キーワード:推理、学園、連作短編集、文庫化

「・・・それが他のよくわからないとは別の意味でよくわからん話でさ。向坂と裏染に相談したんだよ」(天使たちの残暑見舞いより抜粋)


裏染天馬シリーズ初の連作短編集です。学食や部活と日常に現れた謎を解き明かしていきます。全五編。

オタク趣味の探偵なので少々ライトノベルのような雰囲気がありましたが、本書では各章に扉絵がありますのでよりラノベ感が出ています。しかし、肝心の推理のほうは長編と同じように切れの良い推理が楽しめますのでご安心を。気に入ったのは「天使たちの残暑見舞い」です。謎あり笑いありで意外性ありで面白いです。

5つの短編は3つの長編と並行した物語なので、できれば長編を先に読んだほうがいいのかも。読まなくても楽しめるとは思いますけど、知っている人物が多いほうが読みやすいかな。

また、長編ではなかなか焦点が当たらない登場人物たちの詳細も描かれていて、このシリーズをさらに楽しめるようになっています。長編より気軽に楽しめるので、このシリーズを読み続けている人には特におすすめです。


[ 2019/03/30 20:43 ] 小説 | TB(0) | CM(0)

2019年03月24日(日)

生贄のジレンマ〈中〉 



著者:土橋 真二郎
発売日: 2010/10/23

評価〔B+〕 まだまだ序盤なので何とも。
キーワード:ホラー、囚人のジレンマ、学園、

そこから本格的なゲームが開幕するのだ。今までの出来事はまるでプロローグに思えるほど、ゲームは残酷なものとなる。(7 投票連鎖より抜粋)


過酷で理不尽なゲームは続きます。

主人公たちの心境や関係の変化は理解できますし、篠原とレイの秘密もちょっと意外で驚きました。少しずつ明らかになる隠されたルールや某が思いついたゲームの恐ろしい最終形態も良かったです。よく考えたら誰か他の生徒がもっと早く思いついてもおかしくない方法ですよね。著者が見せたかったものがようやく見えてきました。上巻を読んだ時は人数が多すぎるのではと思っていましたけど、ここにきて人の多さに意味が出てきました。

上巻同様、少々冗長さは残っています。主要人物以外の主体性のなさ、よく言えば大人しい言動は多少の違和感があります。もう少し混乱がありそうなものだけど、実際に危機に直面したらあのような反応になるのかもしれません。判断できないなあ。

下巻は事態が大きく動くでしょう。どのような結末となるのか。



[ 2019/03/24 10:53 ] 小説 | TB(0) | CM(0)